東大法学部卒、大手銀行の部長から出向先で専務を務めた男性が63歳で定年退職した後の生活を綴った物語。
主人公は、東大法学部卒のプライド及びそれが現役生活で満たされなかった悔しさからか、定年退職後の一般的な生活を受け入れようとしていない。
再度、東大大学院で学びなおそうという気概は素晴らしいと思うが、IT企業の代表取締役社長を引受け、会社の倒産と共に自分自身の多くの財産を失うというのは、あまりに思慮に欠けた行動に映る。元銀行員として、リスク管理という意味で全く理解できない。
私は60歳で定年退職して無職。自分ではそうは思わないが、この著書でいうところの「終わった人」。
スポーツジムとか何らかの講座に通うとかもしていない。読書をしたりウォーキングをしたり家の雑用をしたり、たまに旅行をして過ごしている。今は孫が近くに住んでいる関係で、週の半分以上は孫と関わっている。私が仕事につかなくても私の代わりは世の中にいくらでもいるだろうけれど、孫にとって母方の祖父は世の中にひとりしかいないかけがえのない私だ。
私は、今、大きなストレスも無く、今までの人生で一番幸福な毎日を送っていると感じている。これでよいと思うし、これ以上何も望まない。
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