新選組血風録

新選組血風録　司馬遼太郎

薩長より会津贔屓の俺なんだが、つくづく幕末に生まれなくて良かったと思う。
昔は武士階級でも幕末は百姓していたらしいウチの先祖。
当時俺が生きていたら、剣を学び、攘夷尊王か佐幕かにかぶれるお調子者になっていそうだ。
その世界に踏み込んでいたら命は無かっただろうな。

それにしても恐るべし新選組。
薩長土肥（時期によって違うが）、その他朝廷、幕府に反する者を斬って斬って斬りまくったのだが、身内に対しても恐怖で支配していた。
鉄の規律に統率され、外れた者は誅殺、切腹、斬首、あるいは密殺。
規律違反でなくとも疑われたら最後、もしくは近藤・土方ラインに脅威と思われたら最後。
また当時寛容に受け入れられた衆道も命とりに。
日本刀の切れ味もまた恐るべし。

佐幕・薩長問わず殺し合いが日常化した時代。
生きていれば新政府で活躍した有為の人物も片っ端から殺された時代。