mixiユーザー(id:23509930)
2019年05月03日21:31
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俺のGW2019〜路線バスで沖縄本島(最終日1/基幹バス区間を覗いてみる･前)
最終3日目、4月22日(月曜日)の朝も予定時刻より早く起床。
朝食を早々に済ませ、宿泊先を後にします。
荷物を那覇バスターミナルのコインロッカーに預けた後、国際通りの南端にあたる県庁北口交差点まで歩きます。
交差点周辺には沖縄県庁や那覇市役所のほか、商業施設のパレットくもじ(リウボウ)、さらに地銀の各本店や在沖報道各社、地元有力企業の本社などが集まり、まさに沖縄県の政治･経済の中心地といえるエリアです。
ここで、朝のバス撮影。
那覇バスターミナルに戻り、7:20発の東陽バス泡瀬西線【31】泡瀬営業所ゆきに乗車。
車両は、沖縄22き294(日野ブルーリボン･U-HU2MMAA)です。
泊高橋から国道58号線に入る路線ですが、那覇市中心部は開南→与儀十字路→安里と遠回りコース。朝の通勤通学時間帯とあって、与儀十字路では反対車線が渋滞しています。
安里で車内の乗客数は12人となり、以降のバス停で多少の乗り降りを繰り返します。
片側3車線の国道58号線でも、反対方向では渋滞が続いています。
国道に入って最初のバス停、上之屋(那覇市)で下車。
定刻から10分近く遅れているようです。
時計の針は間もなく8時を回ろうとしているところ。
というわけで、短時間ながら国道58号線における平日朝の通勤通学輸送を観察します。
実は、航空便の予約･支払いを済ませた1月末の段階で、沖縄本島入り最大の目的は730車(2日目に乗車)ではありませんでした。今年度中の運行開始を目指している国道58号線の基幹バスに試乗することが、最大目的でした。年度初めにあわせてのスタートを予想したのですが、予想は見事に外れました。とはいえ、基幹バス導入が予定されている区間の現状を知らないわけにはいきません。
ここで基幹バスについて若干。
基幹バスが構想化されるようになったのは、2002年3月に策定された沖縄県総合交通体系基本計画。この中で、積極的に取り組む施策として基幹バスシステム導入が掲げられました。
2006年3月に沖縄県が策定したバス網再構築計画素案では、｢系統が長く複雑｣｢定時･速達性が低い｣｢非効率的な運行｣など県中南部のバス交通における課題を解消すべく、国道58号･329号･330号線に基幹バスを導入し、沿線の各結節点で周辺地域と連絡する支線バスを配置することが示されました。
そして当面は、3ルートのうち重複系統が多いうえに自動車交通量も多く、バス交通の活性化･再生に対する必要性･重要性が最も高いと考えられる国道58号線沿線地域を中心にバス網再構築を推進することとなり、那覇市〜沖縄市での基幹バス導入を図ることを目的に｢那覇市･浦添市･宜野湾市･沖縄市地域公共交通総合連携計画｣が2009年3月に策定されました。同計画は2012年3月に改訂され、さらに2013年3月には北中城村も参画したうえで再改訂が実施されました。
＊計画の内容並びに検討･協議の詳細は、下記リンク先(沖縄県公共交通活性化推進協議会)にて確認できます。
https:/
連携計画での目標は以下の通り。
(目標1) わかりやすいバス網を実現することで、誰にでもバスを利用しやすくする
→基幹バス(那覇市〜沖縄市コザ)によるシンプルでわかりやすいバス網の実現
→バス車両やバス停について、統一された色使いやマークを付けるなどの工夫により、基幹バスが誰にでも識別できるようにする
→バスロケーションシステムによる運行情報の提供
(目標2) 利用しやすいダイヤを実現することで、バスの利用促進を図る
(目標3) バス網再構築により、効率的な運行を図る
→基幹バスの高頻度の運行サービス提供
→運行頻度は需要規模を踏まえつつ、運行時刻を気にすることなく利用できる水準を目標
→総走行台キロは、現状よりは削減することを目指す
(目標4) バスの確実な走行性を確保して、公共交通に対する信頼回復を図る
→バスレーンの延長とIC乗車券の導入で那覇市〜沖縄市コザ間の所要時間を最大20分程度(急行バス最大 25 分程度)の短縮を達成
(目標5) 基幹バスと支線バスのシームレスな乗り継ぎを確保する
→リニアバスターミナルなど、結節点バス停の整備を行い乗継利便性を確保
→バス停のグレードアップ
→バスロケーションシステムによる乗継情報の提供
→IC 乗車券による公共交通機関相互の円滑な運賃精算
(目標6) 過度な自家用車利用を抑制して、自家用車利用からの転換を促進する
→目標1〜5の実現により徐々に、自家用車依存の高い交通体系から、公共交通利用と自家用車利用の調和がとれた交通体系に移行していく。
具体的には、
・基幹バスを国道58号線の那覇市〜沖縄市(コザ)で運行し、必要に応じて急行を設定。
・宇地泊、伊佐、普天間、コザを中心とした支線バスを構築
・結節点として、胡屋〜コザについてはリニアバスターミナルを形成 。普天間･伊佐･宇地泊については既存のバス停や道路空間等を活用
・バスレーンの段階的拡充等の実施
直近の協議会では、昨年7月18日の開催にて県から基幹バス運行の素案が示されました。
https:/
沖縄バスの名護東線【77】、琉球バス交通の具志川線【23】、東陽バスの泡瀬西線急行【331】の3系統を基幹バス系統に位置づけ、那覇バスターミナル〜コザの基幹バス全区間でバス専用･優先レーンを敷設。特急･急行･各停などの種別を導入し高頻度運行を実施することなどが盛り込まれています。ただし当面は、3系統とも現行の区間での直通運行を継続するとのことです。
また、利用を高めるための検討項目として、以下の4項目が挙げられました。
�ヾ雋乾丱垢隼拈�バスとの｢乗継運賃の割引｣
��3社の基幹バスに円滑に乗車できる｢共通定期券の購入｣
��乗降時間を短縮する｢中乗り前降り方式への変更｣
�ぅぅ瓠璽献�ラーを赤に統一するなどの｢トータルデザインの導入｣
また今年3月27日の開催では、那覇市中心部の運行経路を久茂地経由に統一し、牧志(国際通り)経由の便を設定しないことで決定しております。
https:/
このうちバス専用レーンについては、那覇市久茂地〜宜野湾市伊佐の約12kmにわたって敷設が順次進められています。現在は上下線それぞれ3区間で実施されており、運用時間は上り(那覇市中心部方面)が7時30分〜9時、下り(北谷･コザ方面)が17時30分〜19時の1時間半ずつとなっています(いずれも月〜金曜の平日のみ)。
以前は運用時間が各2時間でしたが、2014年7月に短縮されました。
しかし連携計画によれば、最終的には終日の運用を目指しているそうです。
バスのほか、タクシーと二輪車が通行可能。
また、久茂地〜伊佐の間では公共車両優先システム(PTPS)も2017年4月から本格運用されています。
http://
https:/
流れが悪くバスの遅延が発生する箇所も一部で見受けられるようですが、ここ上之屋バス停付近で眺める限りでは、バス専用レーンに対する一般車両の遵守度は比較的高い印象がします。ドライバーへの啓発活動が功を奏しているのか、それとも警察による取り締まり活動が徹底しているのか。一般車線が渋滞する中、通勤通学客を満載した各社の路線バスが3台、4台と連なって専用レーンを駆け抜けていく姿は壮観です。
こちらは、2日目に撮影した浦添市の屋富祖バス停(那覇市中心部方面)。
系統図は比較的見やすく、多数の路線を｢大謝名ライン(県道34号･国道330号線方面)｣｢伊佐ライン(県道81号･国道330号線方面)｣｢北谷ライン(国道58号線を北進)｣と方面別にまとめ、色分けして案内されているのが実に興味深いです。
時刻表については、可能なら牧志経由･久茂地経由と方面別にひとまとめにして表示できるとより見やすいように感じます。
ちなみに、平日7時台に屋富祖を出発する那覇市中心部方面ゆきは33本(特急･急行通過)。
バスロケーションシステムによる当バス停での運行情報案内は、実施されていません。
また、方面別の色分け案内はバス車両のカラーLED式行先表示器においても実施され、系統番号表示の地色として案内されています(大謝名ラインは緑、伊佐ラインは桃、北谷ラインは青で表示)。
さて、国道58号線をさらに北上します。
上之屋8:02発、那覇バスターミナルからの東陽バス泡瀬西線【31】泡瀬営業所ゆき。
定刻より5分ほど遅れて姿を現した車両は、沖縄230あ3011(日野ブルーリボン･2PG-KV290Q2)でした。
郊外方面とあって、特に目立った渋滞やノロノロ運転は見られません。
一方の反対車線、那覇市中心部方面は渋滞続き。そんな中、立ち客を多く乗せたバスが2台、3台と連続で中心部を目指しバスレーンを通過していきます。
そのうちの1台、琉球バス交通の沖縄230あ1322(日野ブルーリボン��･QPG-KV234N3)。
具志川バスターミナル(うるま市)からの具志川線【23】那覇バスターミナルゆき特急として就役しているところです。
特急は平日朝の那覇方面に5本設定され、ピーク時には10分間隔で運行。
このうちコザ→那覇バスターミナルの間は9ヶ所のバス停に停車します。
国道58号線では、那覇市安謝〜浦添市城間の2.9kmで片側3車線→4車線への拡幅事業が進められています。国道に面する米軍施設キャンプキンザー(牧港補給地区)の一部返還に伴ってのもの。
http://
伊佐交差点を右折し、県道81号線へ。
2日目までは曇り空でしたが、ようやく晴天に。
青々とした海を眺めることができました。
定刻9:04通過より9分近く遅れ、コザ(沖縄市)に到着。
ここまでの利用状況は、以下の通りです。
上之屋 +1(車内の乗客数24人)
第一天久 -4
天久 -1 +3
安謝 -1
安謝橋 -7(ここまで那覇市)
勢理客(じっちゃく) -4 +1
第一仲西 0
仲西 +2
宮城 -2
屋富祖 0
城間 +1
第二城間 -4 +2
港川 -1
第一牧港 -3
牧港 -1 +1(ここまで浦添市)
宇地泊 +1
大謝名 -2 +1
真志喜 -1 +1
第一大山 +1
大山 0
伊佐 +3
喜友名 +1
新城 -1
普天間入口 -3
普天間 -1(同6人、ここまで宜野湾市)
＊北中城村内の6バス停は乗降無し
プラザハウス前 -2 +1(ここから沖縄市)
＊この間、3バス停は乗降無し
中の町 -2
胡屋 -1
嘉間良 +2
安慶田 0
コザ -1(車内の乗客数3人)
復路の様子は、また次回に。
沖縄県が基幹バス導入を進める一方で、内閣府もまた導入に向けて動いています。
2017年5月にとりまとめた「新たな交通環境実現に向けたロードマップ」において、基幹バス導入が早期実現課題の一つと位置づけられました。これを受け、基幹バスの導入実現を目指すべく同年度に｢沖縄次世代都市交通システム検討会(Okinawa-ART)｣を設置。沖縄の実務関係者を中心とするメンバーにより、先進的なバス交通システムの検討が進められています。ちなみにART(Advanced Rapid Transit)は次世代都市交通システムと称され、内閣府では｢BRTに加えて自動運転技術等を活用してドライバーの運転を補助し、常に正確で、安全、快適な運行を目指し、滑らかな交通流動の実現や車いす利用者等もスムーズに乗降可能な隙間と段差の実現等への取り組み｣と定義しています。
http://
これまでの検討会での議論の中で、以下の目標が案として示されています。
目標１：車利用より高いサービス水準を目指す（定時性・定速性）
■バスレーン区間の延長(道路改良、バスレーン舗装、規制標識設置、生活道路対策)
■ボトルネック交差点の改良
■PTPSの拡充
■ロングバスベイの設置
■バスの中乗り前降り方式の推進
■バス利用に配慮した走行
目標２：安心・安全かつ快適な都市交通環境の実現を目指す（安全性・快適性）
■自動運転技術を活用したバス停への正着
■自動運転技術を活用した車内転倒事故の削減
目標３：バスを利用しやすい環境を目指す(利便性)
■適切な運行頻度の確保
■バス停ハイグレード化(運行案内、暑さ対策、維持管理手法等)
■バス停でのバス到着時間案内
■ICカードの普及・チャージ機の増設(※目標1に関連)
■車内・車外でのWi-Fi、USBポートなどのサービス提供
■バス停へのアクセス性向上
■乗継拠点の整備
目標４：地域のシンボルとなる公共交通を目指す（シンボル性）
■路線番号やカラーリング等のわかりやすさ
また沖縄県は、米軍普天間飛行場の移設･跡地利用も見据えて、沖縄本島を縦貫する約70kmの鉄軌道整備に向けて 2014年10月から検討を開始。内閣府と沖縄県でそれぞれルート案や車両の選定などが進められています。
こう眺めると、当面は国道58号線経由の基幹バスとして整備を進めつつ、自動運転技術を活用してBRTに準じた基幹バスの高度化を目指し、将来的には鉄軌道へとその役割を譲るのではないか、と勝手に推測してしまいます。いずれにしても、当座の課題は国道の渋滞緩和であり、クルマ利用から公共交通利用へのモーダルシフトです。沖縄県･内閣府の基幹バスに関する計画はそうした思想を明確に盛り込み戦略化したことで、新潟市のBRT以上に高度化されたバスシステムの構築が追求されているように感じます。今後は土地利用･都市計画との連携や、クルマから公共交通への誘導策とセットで進めることが必要かと思われますし、将来的な鉄軌道への転換を見据えるなら、それを前提とした設計･用地確保等を進めることが求められるでしょう。
結構乱暴なまとめ方になってしまいましたが…。
朝食を早々に済ませ、宿泊先を後にします。
荷物を那覇バスターミナルのコインロッカーに預けた後、国際通りの南端にあたる県庁北口交差点まで歩きます。
交差点周辺には沖縄県庁や那覇市役所のほか、商業施設のパレットくもじ(リウボウ)、さらに地銀の各本店や在沖報道各社、地元有力企業の本社などが集まり、まさに沖縄県の政治･経済の中心地といえるエリアです。
ここで、朝のバス撮影。
那覇バスターミナルに戻り、7:20発の東陽バス泡瀬西線【31】泡瀬営業所ゆきに乗車。
車両は、沖縄22き294(日野ブルーリボン･U-HU2MMAA)です。
泊高橋から国道58号線に入る路線ですが、那覇市中心部は開南→与儀十字路→安里と遠回りコース。朝の通勤通学時間帯とあって、与儀十字路では反対車線が渋滞しています。
安里で車内の乗客数は12人となり、以降のバス停で多少の乗り降りを繰り返します。
片側3車線の国道58号線でも、反対方向では渋滞が続いています。
国道に入って最初のバス停、上之屋(那覇市)で下車。
定刻から10分近く遅れているようです。
時計の針は間もなく8時を回ろうとしているところ。
というわけで、短時間ながら国道58号線における平日朝の通勤通学輸送を観察します。
実は、航空便の予約･支払いを済ませた1月末の段階で、沖縄本島入り最大の目的は730車(2日目に乗車)ではありませんでした。今年度中の運行開始を目指している国道58号線の基幹バスに試乗することが、最大目的でした。年度初めにあわせてのスタートを予想したのですが、予想は見事に外れました。とはいえ、基幹バス導入が予定されている区間の現状を知らないわけにはいきません。
ここで基幹バスについて若干。
基幹バスが構想化されるようになったのは、2002年3月に策定された沖縄県総合交通体系基本計画。この中で、積極的に取り組む施策として基幹バスシステム導入が掲げられました。
2006年3月に沖縄県が策定したバス網再構築計画素案では、｢系統が長く複雑｣｢定時･速達性が低い｣｢非効率的な運行｣など県中南部のバス交通における課題を解消すべく、国道58号･329号･330号線に基幹バスを導入し、沿線の各結節点で周辺地域と連絡する支線バスを配置することが示されました。
そして当面は、3ルートのうち重複系統が多いうえに自動車交通量も多く、バス交通の活性化･再生に対する必要性･重要性が最も高いと考えられる国道58号線沿線地域を中心にバス網再構築を推進することとなり、那覇市〜沖縄市での基幹バス導入を図ることを目的に｢那覇市･浦添市･宜野湾市･沖縄市地域公共交通総合連携計画｣が2009年3月に策定されました。同計画は2012年3月に改訂され、さらに2013年3月には北中城村も参画したうえで再改訂が実施されました。
＊計画の内容並びに検討･協議の詳細は、下記リンク先(沖縄県公共交通活性化推進協議会)にて確認できます。
https:/
連携計画での目標は以下の通り。
(目標1) わかりやすいバス網を実現することで、誰にでもバスを利用しやすくする
→基幹バス(那覇市〜沖縄市コザ)によるシンプルでわかりやすいバス網の実現
→バス車両やバス停について、統一された色使いやマークを付けるなどの工夫により、基幹バスが誰にでも識別できるようにする
→バスロケーションシステムによる運行情報の提供
(目標2) 利用しやすいダイヤを実現することで、バスの利用促進を図る
(目標3) バス網再構築により、効率的な運行を図る
→基幹バスの高頻度の運行サービス提供
→運行頻度は需要規模を踏まえつつ、運行時刻を気にすることなく利用できる水準を目標
→総走行台キロは、現状よりは削減することを目指す
(目標4) バスの確実な走行性を確保して、公共交通に対する信頼回復を図る
→バスレーンの延長とIC乗車券の導入で那覇市〜沖縄市コザ間の所要時間を最大20分程度(急行バス最大 25 分程度)の短縮を達成
(目標5) 基幹バスと支線バスのシームレスな乗り継ぎを確保する
→リニアバスターミナルなど、結節点バス停の整備を行い乗継利便性を確保
→バス停のグレードアップ
→バスロケーションシステムによる乗継情報の提供
→IC 乗車券による公共交通機関相互の円滑な運賃精算
(目標6) 過度な自家用車利用を抑制して、自家用車利用からの転換を促進する
→目標1〜5の実現により徐々に、自家用車依存の高い交通体系から、公共交通利用と自家用車利用の調和がとれた交通体系に移行していく。
具体的には、
・基幹バスを国道58号線の那覇市〜沖縄市(コザ)で運行し、必要に応じて急行を設定。
・宇地泊、伊佐、普天間、コザを中心とした支線バスを構築
・結節点として、胡屋〜コザについてはリニアバスターミナルを形成 。普天間･伊佐･宇地泊については既存のバス停や道路空間等を活用
・バスレーンの段階的拡充等の実施
直近の協議会では、昨年7月18日の開催にて県から基幹バス運行の素案が示されました。
https:/
沖縄バスの名護東線【77】、琉球バス交通の具志川線【23】、東陽バスの泡瀬西線急行【331】の3系統を基幹バス系統に位置づけ、那覇バスターミナル〜コザの基幹バス全区間でバス専用･優先レーンを敷設。特急･急行･各停などの種別を導入し高頻度運行を実施することなどが盛り込まれています。ただし当面は、3系統とも現行の区間での直通運行を継続するとのことです。
また、利用を高めるための検討項目として、以下の4項目が挙げられました。
�ヾ雋乾丱垢隼拈�バスとの｢乗継運賃の割引｣
��3社の基幹バスに円滑に乗車できる｢共通定期券の購入｣
��乗降時間を短縮する｢中乗り前降り方式への変更｣
�ぅぅ瓠璽献�ラーを赤に統一するなどの｢トータルデザインの導入｣
また今年3月27日の開催では、那覇市中心部の運行経路を久茂地経由に統一し、牧志(国際通り)経由の便を設定しないことで決定しております。
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このうちバス専用レーンについては、那覇市久茂地〜宜野湾市伊佐の約12kmにわたって敷設が順次進められています。現在は上下線それぞれ3区間で実施されており、運用時間は上り(那覇市中心部方面)が7時30分〜9時、下り(北谷･コザ方面)が17時30分〜19時の1時間半ずつとなっています(いずれも月〜金曜の平日のみ)。
以前は運用時間が各2時間でしたが、2014年7月に短縮されました。
しかし連携計画によれば、最終的には終日の運用を目指しているそうです。
バスのほか、タクシーと二輪車が通行可能。
また、久茂地〜伊佐の間では公共車両優先システム(PTPS)も2017年4月から本格運用されています。
http://
https:/
流れが悪くバスの遅延が発生する箇所も一部で見受けられるようですが、ここ上之屋バス停付近で眺める限りでは、バス専用レーンに対する一般車両の遵守度は比較的高い印象がします。ドライバーへの啓発活動が功を奏しているのか、それとも警察による取り締まり活動が徹底しているのか。一般車線が渋滞する中、通勤通学客を満載した各社の路線バスが3台、4台と連なって専用レーンを駆け抜けていく姿は壮観です。
こちらは、2日目に撮影した浦添市の屋富祖バス停(那覇市中心部方面)。
系統図は比較的見やすく、多数の路線を｢大謝名ライン(県道34号･国道330号線方面)｣｢伊佐ライン(県道81号･国道330号線方面)｣｢北谷ライン(国道58号線を北進)｣と方面別にまとめ、色分けして案内されているのが実に興味深いです。
時刻表については、可能なら牧志経由･久茂地経由と方面別にひとまとめにして表示できるとより見やすいように感じます。
ちなみに、平日7時台に屋富祖を出発する那覇市中心部方面ゆきは33本(特急･急行通過)。
バスロケーションシステムによる当バス停での運行情報案内は、実施されていません。
また、方面別の色分け案内はバス車両のカラーLED式行先表示器においても実施され、系統番号表示の地色として案内されています(大謝名ラインは緑、伊佐ラインは桃、北谷ラインは青で表示)。
さて、国道58号線をさらに北上します。
上之屋8:02発、那覇バスターミナルからの東陽バス泡瀬西線【31】泡瀬営業所ゆき。
定刻より5分ほど遅れて姿を現した車両は、沖縄230あ3011(日野ブルーリボン･2PG-KV290Q2)でした。
郊外方面とあって、特に目立った渋滞やノロノロ運転は見られません。
一方の反対車線、那覇市中心部方面は渋滞続き。そんな中、立ち客を多く乗せたバスが2台、3台と連続で中心部を目指しバスレーンを通過していきます。
そのうちの1台、琉球バス交通の沖縄230あ1322(日野ブルーリボン��･QPG-KV234N3)。
具志川バスターミナル(うるま市)からの具志川線【23】那覇バスターミナルゆき特急として就役しているところです。
特急は平日朝の那覇方面に5本設定され、ピーク時には10分間隔で運行。
このうちコザ→那覇バスターミナルの間は9ヶ所のバス停に停車します。
国道58号線では、那覇市安謝〜浦添市城間の2.9kmで片側3車線→4車線への拡幅事業が進められています。国道に面する米軍施設キャンプキンザー(牧港補給地区)の一部返還に伴ってのもの。
http://
伊佐交差点を右折し、県道81号線へ。
2日目までは曇り空でしたが、ようやく晴天に。
青々とした海を眺めることができました。
定刻9:04通過より9分近く遅れ、コザ(沖縄市)に到着。
ここまでの利用状況は、以下の通りです。
上之屋 +1(車内の乗客数24人)
第一天久 -4
天久 -1 +3
安謝 -1
安謝橋 -7(ここまで那覇市)
勢理客(じっちゃく) -4 +1
第一仲西 0
仲西 +2
宮城 -2
屋富祖 0
城間 +1
第二城間 -4 +2
港川 -1
第一牧港 -3
牧港 -1 +1(ここまで浦添市)
宇地泊 +1
大謝名 -2 +1
真志喜 -1 +1
第一大山 +1
大山 0
伊佐 +3
喜友名 +1
新城 -1
普天間入口 -3
普天間 -1(同6人、ここまで宜野湾市)
＊北中城村内の6バス停は乗降無し
プラザハウス前 -2 +1(ここから沖縄市)
＊この間、3バス停は乗降無し
中の町 -2
胡屋 -1
嘉間良 +2
安慶田 0
コザ -1(車内の乗客数3人)
復路の様子は、また次回に。
沖縄県が基幹バス導入を進める一方で、内閣府もまた導入に向けて動いています。
2017年5月にとりまとめた「新たな交通環境実現に向けたロードマップ」において、基幹バス導入が早期実現課題の一つと位置づけられました。これを受け、基幹バスの導入実現を目指すべく同年度に｢沖縄次世代都市交通システム検討会(Okinawa-ART)｣を設置。沖縄の実務関係者を中心とするメンバーにより、先進的なバス交通システムの検討が進められています。ちなみにART(Advanced Rapid Transit)は次世代都市交通システムと称され、内閣府では｢BRTに加えて自動運転技術等を活用してドライバーの運転を補助し、常に正確で、安全、快適な運行を目指し、滑らかな交通流動の実現や車いす利用者等もスムーズに乗降可能な隙間と段差の実現等への取り組み｣と定義しています。
http://
これまでの検討会での議論の中で、以下の目標が案として示されています。
目標１：車利用より高いサービス水準を目指す（定時性・定速性）
■バスレーン区間の延長(道路改良、バスレーン舗装、規制標識設置、生活道路対策)
■ボトルネック交差点の改良
■PTPSの拡充
■ロングバスベイの設置
■バスの中乗り前降り方式の推進
■バス利用に配慮した走行
目標２：安心・安全かつ快適な都市交通環境の実現を目指す（安全性・快適性）
■自動運転技術を活用したバス停への正着
■自動運転技術を活用した車内転倒事故の削減
目標３：バスを利用しやすい環境を目指す(利便性)
■適切な運行頻度の確保
■バス停ハイグレード化(運行案内、暑さ対策、維持管理手法等)
■バス停でのバス到着時間案内
■ICカードの普及・チャージ機の増設(※目標1に関連)
■車内・車外でのWi-Fi、USBポートなどのサービス提供
■バス停へのアクセス性向上
■乗継拠点の整備
目標４：地域のシンボルとなる公共交通を目指す（シンボル性）
■路線番号やカラーリング等のわかりやすさ
また沖縄県は、米軍普天間飛行場の移設･跡地利用も見据えて、沖縄本島を縦貫する約70kmの鉄軌道整備に向けて 2014年10月から検討を開始。内閣府と沖縄県でそれぞれルート案や車両の選定などが進められています。
こう眺めると、当面は国道58号線経由の基幹バスとして整備を進めつつ、自動運転技術を活用してBRTに準じた基幹バスの高度化を目指し、将来的には鉄軌道へとその役割を譲るのではないか、と勝手に推測してしまいます。いずれにしても、当座の課題は国道の渋滞緩和であり、クルマ利用から公共交通利用へのモーダルシフトです。沖縄県･内閣府の基幹バスに関する計画はそうした思想を明確に盛り込み戦略化したことで、新潟市のBRT以上に高度化されたバスシステムの構築が追求されているように感じます。今後は土地利用･都市計画との連携や、クルマから公共交通への誘導策とセットで進めることが必要かと思われますし、将来的な鉄軌道への転換を見据えるなら、それを前提とした設計･用地確保等を進めることが求められるでしょう。
結構乱暴なまとめ方になってしまいましたが…。
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