mixiユーザー(id:6866201)

2019年03月07日23:33

88 view

3月7日 随時改定と定時決定どちらの等級を優先?報酬月額変更届の落とし穴

福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理の町医者 吉野正人です。



3月7日 随時改定と定時決定どちらの等級を優先?報酬月額変更届の落とし穴


3月7日水曜日。久しぶりになりましたが、今日は報酬月額変更届に関する話を書きたいと思います。



報酬月額変更届について、日本年金機構ホームページには、下記の通り書かれています。



※日本年金機構ホームページより引用

(1)被保険者及び70歳以上被用者の報酬が、昇(降)給等の固定的賃金の変動に伴って大幅に変わったときは、毎年1回行う定時決定を待たずに標準報酬月額を見直します。この見直しによる決定を随時改定といい、次の3つの条件を全て満たす場合に行います。


(ア)昇給又は降給等により固定的賃金に変動があった。
(イ)変動月からの3か月間に支給された報酬(残業手当等の非固定的賃金を含む)の平均月額に該当する標準報酬月額とこれまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた。
(ウ)3か月とも支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上である。



(2)随時改定に該当する被保険者がいる場合、事業主は「被保険者報酬月額変更届」により当該被保険者の報酬月額等を速やかに届出します。

(3)改定された標準報酬月額は、6月以前に改定された場合、再び随時改定等がない限り、当年の8月までの各月に適用されます。また、7月以降に改定された場合は、翌年の8月までの各月に適用されます。

※引用終わり。



また、毎年9月分以降1年間の健康保険料・厚生年金保険料を決定する定時決定については、日本年金機構ホームページには、下記の通り書かれています。



※日本年金機構ホームページより引用

被保険者の実際の報酬と標準報酬月額との間に大きな差が生じないように、事業主は、7月1日現在で使用している全被保険者の3か月間(4〜6月)の報酬月額を算定基礎届により届出し、厚生労働大臣は、この届出内容に基づき毎年1回、標準報酬月額を決定し直します。これを定時決定といいます。決定し直された標準報酬月額は、9月から翌年8月までの各月に適用されます。



毎年、7月1日現在で使用される全被保険者について、同日前3か月間(4月、5月、6月、いずれも支払基礎日数17日以上※)に受けた報酬の総額をその期間の総月数で除して得た額を報酬月額として標準報酬月額を決定します。

※引用終わり。



最近、日常業務において、下記のような事例がありました。

(事例)

・20日絞め当月25日払いの会社。

・8月分(8月25日払)から固定給を昇給。8月分(8月25日払)時の標準報酬月額等級は、200千円でした。

・8月分(8月25日払)・9月分(9月25日払)・10月分(10月25日払)の合計3か月平均より、固定給昇給前の200千円から2等級UPの240千円の等級に該当。

・なお定時決定の結果は、220千円でした。(従来は、9月分以降の保険料に適用)



以上のような場合、固定給昇給時の等級200千円と比較し、2等級以上UPの為、11月分(11月25日払)以降の随時改定が必要となり、月額変更届が必要と私は思っていましたが、違うようです。



所轄年金事務所の適用課長と論議をした結果、9月分以降の定時決定220千円と比較し、1等級差だったので、随時改定は不要であるとのことでした。。。今回は、連続した3か月の3か月目である10月分(10月25日払)の標準報酬月額等級と比較して2等級以上か否か?を判断するようです。



根拠の通達は、下記のとおりです。

※通達引用

健康保険法及び厚生年金保険法における標準報酬の定時決定及び随時改定の取扱いについて(課長通達) (昭和36年1月26日 保険発第7号)
2 随時改定関係
(2) 前記(1)により標準報酬月額を改定する場合には、
  原則として局長通達の記の2の(2)に定める昇給または降給があつた月の翌々月を
  健康保険法第3条第4項に規定する「其ノ著シキ高低ヲ生ジタル月」
  または
  厚生年金保険法第23条第1項に規定する「その著しく高低を生じた月」と解し、
  その翌月より行なうこととすること。



※引用終わり。



今回の事例の場合、随時改定を優先すると理解していました。同業の社労士友人複数に確認したところ、私と同じ意見でした。しかも通達を読み返しても、「定時決定(9月分)月を含んだ連続した3か月の場合、定時決定の等級を優先する」旨と言う直接的な言い回しではありません。しかし課長の話によると、長年この通達を根拠に、今回の事例のような場合は、定時決定の等級を優先することを長年実務で行っていたと思われます。



通達を自分なりに解釈すると、連続する3か月間の3月目の等級と3か月の平均値の等級を比較すると理解しました。



私自身は、これ以上の無駄な争いはせず、今回の事例の場合は、「定時決定の等級を優先する」と理解することにします。そして固定給UPは、7月分(7月払)・8月分(8月払)時には行わず、定時決定後の9月分(9月払い)以降に行うように顧問先へ指導したいと思います。



なお今回の内容は私自身の法解釈であり、間違いがあった場合は、速やかに訂正いたします。また通達文書のコピーも用意していただいたうえで、真摯に対応して頂いた所轄年金事務所の適用課長には、深く感謝いたします。





※写真は先日の夕食で、キーマカレー・ワンタンスープ・冷奴です。

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する