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2019年01月20日23:53

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帝国の逆襲も真っ青な 『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』

世界で最も有名なシスの暗黒卿が息子の左腕を切り落とし言う。
「No. I am your father.(そうではない 私がお前の父親だ)」*1

ジョニー・デップがつとめる本作の悪役グリンデルバルドが言う。
その瞬間、青年の隣に不死鳥(フェニックス)が姿を現し観客は“真実”を知る。*2

魔法動物学者ニュート(エド・レッドメイン)が活躍する、
「ハリーポッター」シリーズのスピンアウト作品。
16年の続編は、グリンデルバルドの脱獄から始まり、
「帝国の逆襲」も真っ青な激変を物語へもたらす。

同時に物語はジュード・ロウがつとめる若き日のダンブルドアの登場で、
急激に本編過去を描くシリーズの一環へ修正されてしまう。

ニュートがオブスキュラスを追う前作の行動が、
ダンブルドアの差し金と物語は説明。
以後、物語はオブスキュラスを心へ宿す青年クリーデンス(エズラ・ミラー)
の出生を紐解く。

脚本はうまくない。
クリーデンス出生とレストレンジ一族との関係をツイストしすぎて説明に終始。
中盤から終盤まで物語の動きは鈍い。

くわえて今作はもはや本編の知識がないと理解できない。
そのぶん分霊箱であったナギニの登場や、
本編に関る物事の登場はファンたちに「うれしい」。

だが一作目の魔法動物が登場する無邪気で新鮮な展開は鳴りを潜める。*3
完全に大人むけ、かつ、本編後半のように暗く重い物語になった。

それがファンたちの叶う望みか? それとも繰り返しとするか?
判断はわかれる。*4


※1 ちなみに日本国民に一番馴染み深いダース・ベイダー(大平 透と鈴木瑞穂)の吹き替えは「ちがう! お前の父はわしだ!」 塩沢兼人のベイダーは「ちがう――」で一度“間”を置く。南原宏治のベイダーの吹き替えは台詞が違い、語り口が、やや優しい。

※2 本編を未見で「ネタバレ」とわかるヒトは熱心な「ハリー・ポッター」ファンだろう。不死鳥(フェニックス)は最後に登場するだけだが。

※3 中国の魔法動物ズーウーや日本の魔法動物カッパが登場する。だけれど魔法動物の捕獲や保護に焦点と主題をおいた第1作目と違い、彼等の登場はかぎりなくすくない。二フラーが重要な部分で活躍するぐらいだろう。

※4 自分は後者だ。結局、また「ハリー・ポッター」じゃん。いや、もちろん「ハリー・ポッター」のスピンアウトですが。
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