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2019年01月19日12:09

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新潟交通観光バス、廃止代替3路線から撤退か

新潟市では、昨年11月の中原市長就任以降、BRT・新バスシステムの「見直し」に向けたアクションが進められています。しかしその一方、地域の生活交通でも動きがあるようです。

まず、新潟交通観光バスが潟東営業所管内で運行している廃止代替(みなし4条)路線。
以下の3路線で、4月1日より運行形態並びに運行事業者の変更が計画されています。これらは、ともに昨年12月20日に開催された同市の「南区地域公共交通に関する意見交換会」「西蒲区地域公共交通に関する意見交換会」で議題にのぼっており、会議概要と資料が公開されています。
https://www.city.niigata.lg.jp/minami/torikumi/kotsu/koutsukaigi/index.html
https://www.city.niigata.lg.jp/nishikan/torikumi/kotsu/chiikisomunskikenn.html

・白根桜町〜曽根駅前線
使用車両を現在のバスから10人乗りジャンボタクシー(トヨタハイエースワゴン)に変更し、あわせて運行事業者も白根タクシーと太陽交通新潟の2社による共同運行に移管(各社の担当は日替わり制)。

・巻〜和納〜間瀬線
・巻〜栄町線
運行事業者がウエスト観光バスに変更され、使用車両も28人乗りマイクロバスに(資料写真に三菱ローザが掲載)。

いずれも新潟交通観光バスが運行から撤退する内容となっています。
対象3路線の経路・停車バス停・運賃は、他社への移管後も現行のままとなっており、定期券・回数券も引き続き発売されるようです。また「運行計画の弾力的な変更を見据え」ることを理由に、道路運送法第21条での運行に切り替えます。

資料では、新潟交通観光バスから「全国的に深刻化している運転手不足により、現状の路線網の維持が困難との申し出」があったと記されており、同社の運転士不足が運行事業者変更の理由であることがわかります。

BRT・新バスシステム対象路線においては、同社の親会社である新潟交通と同市との間で「新バスシステム事業にかかる運行事業協定」が締結されており、その中で対象路線に関する年間走行キロ数を2020年3月末まで維持することが盛り込まれています。しかし折からの運転士不足で、その影響は新潟交通観光バスにしわ寄せを受ける形となり、これまで県内高速線や新発田営業所管内などでダイヤ縮小(路線廃止・減便等)が実施されました。潟東営業所管内でも、昨年3月限りで同市の南区区バスでの受託運行から撤退、10月には廃止代替2路線(新飯田〜東三条線と湯田上〜加茂線)で大幅な減便が実施されました。こうした経緯を踏まえると、同社の運転士不足がこれまで以上に深刻な状況であることが推察できます。

今回は移管事業者の確保ができ、サービス内容も現行通りとなる見込みであることから、利用者への影響はほとんどないとみられます。しかし運転士不足は同社に限らず、全国のバス・タクシー業界に及んでおり、今後仮に移管事業者が確保できなければ路線存続の危機に陥る可能性は大いにあります。業界以外の人間には一見すると関係ないように思われる運転士不足の問題ですが、実は地域の生活に大いに関わる問題でもあり、われわれ住民も注意深くこの問題に関心をもつ必要があるように感じます。

また、BRT・新バスシステムとの関連について触れるならば、現在「見直し」の焦点となっているBRT対フィーダー路線の「乗り換え」をめぐる問題。「乗り換え」を利便性の低下と捉え、古町・本町へのアクセスが不便になったと捉える市民が根強く存在している点を踏まえ、ダイレクト便の再拡充を行うか否かが最大のポイントとなっています。

しかし、BRT・新バスシステム導入の目的の一つに挙げられているのが運転士不足への対応。これまで郊外からの長大路線が都心部で重複・輻輳し非効率な運行形態となっていたのを、ゾーンバスシステムの実施で改善を図ったのです。つまり都心内の基幹軸輸送をBRT(=連節バスによる大量効率輸送)に一任させ、余力を郊外部のフィーダー輸送拡充にあてることで、車両・運転士あたりの輸送効率を回転させ運転士不足の影響を最小限に抑えようとしたわけです。上記のように運転士不足がより深刻化しているならば、ダイレクト便の再拡充によって輸送効率の回転が落ちることも加わり、BRT・新バスシステムの対象路線であっても各線ごとの総本数削減は避けられません。2020年4月以降の「運行事業協定」再締結にあたっては、年間走行キロ数の削減が論点にのぼることも大いに想定されます。BRT反対派の諸氏においては、こうした深刻な運転士不足の現状をどう認識されているのか、運転士不足への対応策としてのBRT・新バスシステム(ゾーンバスシステム)という位置づけをどう評価されているのか、非常に気になるところです。

なお、上記の各意見交換会では、来年度の各区区バス運行計画案もあわせて提示されています。

南区では、以下の内容となっています。
・北部ルート【南01】
第1便のみ運行されている三ツ屋→三ヶ字の区間を廃止するとともに、同便の起点を三ヶ字(北)に変更。また第4便では、起点を現行の白根学習館から新潟白根総合病院発に改めるとともに、中央通六(北)までの経路を白根高校前→簔口→中央通六経由に。

・白根・さつき野駅ルート【南03】
復路第2便の終点を白根カルチャーセンター→新潟白根総合病院に短縮するとともに、中央通六(北)→新潟白根総合病院の経路を中央通六→簔口→白根高校前経由に変更。復路第3便では終点を南区役所→上塩俵に短縮。

・まちなか循環ルート「ぐるりん号」(社会実験)
現行の第1便を削減。


西蒲区の中之口ルート【蒲01】では、巻駅前〜巻高校前・堀山の運賃を現在の150円(大人)から50円(大人・子供)に値下げし、これまでバスを利用しなかった巻高校の生徒を対象に新規需要の掘り起こしを狙うことが計画されています。4月1日からの実施予定。


区バス・住民バスの運行計画(変更)(案)等については、今月22日に開催される本年度第2回の新潟市地域公共交通会議で議題に挙げられており、同会議での承認をもって正式に実施されるものとみられます。既に西区では、現在NPO法人コミュニティバスを通す会が運営している「坂井輪コミュニティバス(Qバス)」を3月から区バスとして同市に移管する方針が示されており、こちらも議題に含まれるものと思われます。運行委託先が引き続き新潟交通観光バスとなるのかも、気になります。
https://www.city.niigata.lg.jp/shisei/gyoseiunei/sonota/fuzokukikankonwakai/fuzokukikan/sechikikan/toshifukushi/toshikoutsuu/chiikikotsu/c_conference/H30_kaisai.html
http://www.city.niigata.lg.jp/nishi/kohoshi/pr/h30/nishi_1021/nishi_277_1.html
http://q-bus.jp/201807_in.pdf

(画像は昨年3月26日撮影)
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