指揮者のアラン・ギルバート氏がヴィオラを担当して、都響の首席奏者たちとブラームスの
弦楽六重奏曲(全2曲)を演奏するコンサートがありましたので行って参りました
室内楽のコンサートに行く頻度は多くないのですが、今年は先日のみなとみらいに於ける
ピアノトリオ全曲演奏会に続いて、またまたブラームスで当たり年の感があります
アマデウスカルテット+αによる五重奏(ピアノ、クラリネット含む)、六重奏全集のCDを
持っておりますが、愛聴するのはもっぱら弦楽五重奏(特に第1番のF durの方)でして、
六重奏曲はチェロ2挺ということで重苦しく感じて、これまで敬遠しておりました
陽ちゃん師匠のマインド・コントロール下にあったのかしら
でも本日改めて聴いてみると、ブラームスの30歳前後に書かれたということもあり、今の
ワタシからすると歳下でありますから、全然「四畳半で湿気煎餅食いながらの愚痴話」
とは感じられません
むしろ三拍子の楽章なんか、踊りだしたくなるような喜悦に満ちています
第1番の2楽章は、フランス映画「恋人たち」にも用いられた、マイナーの曲なのですが
昔感じた陰々滅々というイメージは消え失せ、今日の演奏にも依るのかもしれませんが
パッショネートな感じさえ受けます
人の好みって、変わるものなのね
都響は弦の美しさで定評がありますが(ワタシだけ?)、そのトッププレイヤーが揃ったの
ですから、しっとりと艶やかな、声で言うならアンナ・モッフォのような音色です
ギルバート氏も、両親共にヴァイオリン奏者で、自身もフィラデルフィア管でヴァイオリンを
弾いていたということもあり、本日のヴィオラは余技ではありません
第1番と第2番では各パートで座る位置を変え、ということは第一奏者と第二奏者を入れ替え
たのですが、そもそも両曲ともどちらが主で他方が従というわけでもないので、各パート
独立して名人芸が要求されます、そしてそれに充分応えておりました
両曲とも最終楽章のラストで、猛烈なアッチェレランドがかかり、一気に盛り立てるのですが
一糸乱れぬアンサンブルで、見事に弾き収めました
アンコールはなかったのですが、本番2曲でお腹いっぱい
満たされた幸せな時間でした
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