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2018年12月11日20:11

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MET LV 西部の娘@横浜ブルク13

プッチーニとしてはレアネタで、メジャーな公演では1963年の第4次イタリア歌劇団来日の
ときと、1995年のスカラ座来日、2007年の新国立劇場しかないようです(昭和音大オペラ
研究所のアーカイヴによる)
但し、今年に入ってプッチーニオペラ研究会という団体(?)が東京と大阪で公演している
らしいですが、その団体について公式ウェブ・サイトが見当たらないので内容不明です

で、ワタシとしてはその11年前の新国立劇場を拝観しております
ついこの間と思っていたわけではないにしろ、そんなに昔のことだったのかと感慨ひとしお
このときの日記には結構面白く聴いていたようなことが書かれていました

その後、スカラ座のDVDボックスを購入した中にこの作品が収められていて、マゼール指揮
ドミンゴのディック・ジョンソンと、マーラ・ザンピエリのミニーというキャストですが、本日の
METの方がはるかにいいです
マゼールの冷徹な音楽がプッチーニの映画的スペクタクルを殺しているせいか、そもそも
TVの画面では充分に堪能できないからか、本日の劇場版はぐーんと心に迫ります

ヴェストブルックのミニーは、男勝りというだけでなく、少女っぽい初々しさでディックに
惹かれていく演技が秀逸であります
ジャック・ランス役のルチッチは、どうみてもスカルピアのときのままで、しかしときおり
見せる笑顔(の片りん)が愛嬌があって、憎まれ役だけではない魅力があります
最終幕切れでは、取りだしたピストルを意味深に見つめており、もしかしたら自殺するのかも
などと思わせました

今回改めて、第一幕前半の男声合唱による望郷の歌が、トゥーランドットのピン・パン・ポン
の歌のようで、ちょっとうるっと来ました(新国立劇場のホモキ演出は、この移民の問題を
前面に押し出したものでした)
幕切れのテノールによるハミングコーラスもまた美しい

プッチーニの音楽は、全音階を多用して無調音楽を予感させましたが、あくまでもベタに
美しく、目立ったアリアがないということで人気のない(だからレアネタになる)このオペラ、
実はメロディアスなのですね
しかもトランプのいかさまシーンでは、敢えて音楽が無くなり、サスペンス的緊張感も
充分です(ボエームにおけるミミの死に気づいた時のあれです)

レアネタにも拘らず、或いはそれ故にか、結構客は入っていました
ただ、勘違い女もいて、ワタシの隣の席の女はポップ・コーンを山盛りに持ち込んでいました
ので、「演奏中には食べないでください」と機先を制して申し入れましたら、過剰反応で
演奏時以外のインタヴューとかでも我慢していて、インターミッションの場面転換のところで
貪り食っていました(気の毒とは思うけれど、そもそもオペラにポップコーンはないだろ)

明後日が最終日なので、時すでに遅しかもしれないけれど、お勧めです

(画像はMETのウェブサイトから借用しました)
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