友人D君の知り合いのAさんがラーメン屋を始めた、と聞いたのは昨年だったか一昨年だったか?
このAさん、茨城では知る人ぞ知る「自作ラオタ」で、本業の中古者ディーラーのかたわら、趣味で玄人はだしのラーメンを作るという人物らしい。
「近いんだから、行ってあげてよ 奥さんもキレイだし」
とD君から薦められていたのだが、ちょっと二の足を踏んでいた。
というのも、近いは近いのだが、本業との兼ね合いもあり、営業時間は土日の昼のみ、と中々ハードルが高い。
加えて、大行列、注文から配膳まで1時間かかるという口コミ。
そして、なんといっても、煮干しラーメンだという事。おそらく、過剰なまでの煮干しが配合されたラーメンが出てくるのではないかと、危惧していた。私は煮干しラーメンが苦手なのだ。
ところが最近になって、営業日が増え、鶏がら主体のラーメンも始まったとのうわさを聞き、行ってみることにした。
土曜日の朝9時半。危惧していた行列はなく、すぐに店内に通された。
小さな店内は朝から満員だ。BGMのレゲエが心地よい。
客層は多種多彩。
家族連れ、近所の工員、ラオタ、常連と思しきサラリーマンは朝っぱらからビール&ラーメンだ。
Kiri_Soba醤油¥800
いわゆる、無化調味。しかし、とても力強い無化調だ。
無化調というと淡麗さの演出に走り、ややもすると、すまし汁のような上品な、悪く言えばラーメンとしては貧弱なスープになりがちだが、ここのは違った。
恐れずにラードを使い、力強いラーメンとしてのスープを作り上げている。
麺は20番のストレート。堅い。堅いがこれは茹で時間を短くしての堅さではなく、打ってから数日寝かし、麺内の空気が抜け、グッと締まった堅さだ。
チャーシューにはビックリした。流行りの低温調理だが、まとわりつくような噛み切りづらさはなく、ほんのりと醤油がしみている。とても、旨い。
総じて、実に素晴らしい一杯だった。
他も、塩味、煮干し系、燕三条系、なんと満来系納豆、そして日々の限定(この日は黒胡麻担々麺)と百花繚乱。すべて食べてみたくなる。
再訪は必至だ。
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