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2018年11月15日18:24

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ちひろ美術館

画家、絵本作家であるいわさきちひろは今年生誕100年
その半生を描く芝居が前進座によって上演され、その演出は鵜山君であります
(ということはFacebookで報告済み)
来週大井町きゅりあんでの上演を拝観するにあたって、ワタシはちひろについて
作品のほんの一部を見たことがあるものの、詳しくは知らない

ということで、上井草にある彼女の作品を収蔵した美術館に行って参りました

事前にwikiで調べましたら、共産党員であり、その夫君も元衆議院議員でやはり
共産党所属、なるほど鵜山君の演出の意味がわかりました
ちょっと身構えてしまいますが、とにかく行って見ようと

この美術館は彼女の自宅兼アトリエを改装したもの、従って住宅地の中にあります
西武新宿線上井草駅からジグザグと東北方向に徒歩約7分くらい
平日ではありますが来館者も多く、子連れ(乳幼児)のママが目につきます

彼女の生涯については芝居を観てから改めて書きますが、ご子息が一人(ワタシより
1歳年上)、その猛氏が彼女の童画のモデルとなっていたようであります
必ずしも写実的ではなく、ときとしては女の子に姿を変えたり、なんといっても
猛氏の成長した後でも絵の中では子供のまま、単純な絵日記ではありません

共産党員夫婦ではあっても、その描く作品はプロレタリア臭に乏しい
彼女自身の言葉によると、
 『私には、どんなにどろだらけの子どもでも、ボロをまとっている子どもでも、
  夢をもった美しい子どもに見えてしまうのです』
美というのはそういうものなのでしょうね、うわべではなくそれを付き透して見える
無垢な姿を彼女は描き続けたのでしょう

髪をおかっぱにして、夫君松本善明氏は自分より8歳も年上とは思わなかったそうで
ありますが、口をへの字に結んだ写真からは意志の強そうな性格が見て取れます

ワタシは漠然と、滲んだような水彩画の画風がマリー・ローランサンに似ていると
思っていたのですが、これもちひろの言葉によりますと
 『少女雑誌の口絵なんかで、はじめてローランサンの画を見たときは、本当に
  おどろいた。どうしてこの人は私の好きな色ばかりでこんなにやさしい絵を
  描くのだろうかと。』
影響を受けたというよりは、図らずも同じ嗜好を有していたということなのでしょう

パステルカラーの水彩画に見られる画風とは異なって、彼女の生涯はそんな
少女趣味のものとは無縁であったようです
そのことはまた、来週舞台を観てから書くことにしましょう

彼女を知る人によるコメント映像が見られるようになっていましたが、とても全部は
見切れません(優に1時間を超えてしまう)
夫である松本善明氏、ご子息猛氏、窓際のトットちゃんで挿絵を依頼された黒柳
徹子女史の分だけ拝見しました
トットちゃんの挿絵は、文章に合わせて描いてもらったのではない(そもそも文章が
書き上げられた時にはちひろは亡くなっていました)、猛氏が既存の作品から当て
嵌るものを探したのだそうです

それほどちひろの描く子供の世界は多様で、かつ真実であったということです

ワタシには子供がいないということで、少しばかりほろ苦い思いを抱きながら、美術
館を後にして時分時を外した昼食は、通りを挟んだ向かい側の二八蕎麦の店「丸嶋」
で親子南蛮をいただきました(親子でもない、お一人様なのにね)
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