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2018年09月14日01:53

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実態を知りましょう … ブックレビュー「いじめているきみへ」(春名風花さん)

今年に入って、筆者が現在住んでいる団地に”避難所運営員委員会病院”なるものができまして、どこかにそんな成り行きがあったのか、筆者もその運営委員とやらを仰せつかりました。

まぁ、何か大災害があったときに、近くの学校に開設するという手筈になっている避難所を、どうやって切り盛りするか、シミュレーションやら練習までやってみましょう…というものですが、今月に入って、非常に強い台風台風や大地震ー(長音記号1)が立て続けに日本を襲うのを見聞きするたびに、やはり他人ごとではないと思わざるを得ない現実があります。

で、この“避難所”。学校学校の類は、多くがどこかの地域の避難所に指定されていますから、外目から見るには、どの避難所(≒学校)にもたいがい同じマークが出してあり、地震用に使えるとか、大火事のとき用に使える、等々のスペックも、“ほぼ同じ”ように見えます。実際、筆者が住んでいる団地が指定されているのも、近所の学校。そして、漠然と、「何かあれば、ここにたどり着けば何とかなる」と思っていたわけです。

ところが、この”運営委員”を仰せつかって初めて知った事実が、実は想像していたよりもかなりたくさん。数え上げればきりがない…というのが正直なところ。
一つ例を挙げると、団地=地震には強い(少なくとも倒壊はしにくい)ということで、筆者の地域の避難所は、どちらかというと”物資供給所”という位置づけになっているようでして。そうすると、とてもじゃないけれど、団地の全員が押し寄せたら、体育館やら校舎には入り切れないのは明白満室・満席・満車。つまりは、お年寄りはともかく、現役世代は在宅避難という前提になっているのですね。まず”実態を知る”ことがいかに大切かを思い知らされます。


そうであるならば、こちらの事実も非常に重たいもの。そう、「いじめ」です。
ということで、”おと日記”を標榜する当日記では珍しく、ブックレビューなんてものを書いてみようと思うわけですペン
いや、レビューなどというと、ちょっと大げさすぎますから、あくまでも大人の目線でみた絵本の感想文という感じですけれど。

フォト


ということで、春名風花さんの「いじめているきみへ」。ツイッターでは”はるかぜちゃん”としても知名度のある女優さんの著作。筆者は、風花さんのツイートを、時折リツイートで拝見することがありましたが、いじめという、あってほしくはない話題に対して、それでも真正面に向き合うさまに、最近、筆者自身もこのひとのツイートをフォロー。「いじめているきみへ」自体は、数年前の新聞への寄稿ペンをもとにした、絵本仕立てのメッセージになっています。


さて、絵本を読んでみます。そう長くはない本ですので、大人にとっては、時間をかけて読破するというよりは、絵と文を何度も読み返して、そして見返してみるという感じ。そうしているうちに、「そう、いじめとは、こういうことなんだよ!!!」という思いがこみ上げてきます涙。付け足すとすれば、それは、大人になって長い時間が経過したあとでも、“その傷は、目立たなくなりながらも、どこかには一生残ってしまう涙”という、筆者自身の経験や感覚ではないかと。さすがにずーっと恨み続ける…といった極端な話ではありませんし、おととしは四半世紀ぶりに同級会なるものに顔を出しても来ましたが、それでも、“一生傷跡が残ってしまう”という感覚は、完全には消えないものなのです。この感覚、筆者の場合、親に対してすら理解してもらうのが大変…と思うほどバッド(下向き矢印)。すなわち、家族関係にすら影を落としかねないわけですな。


こう書くと、そろそろお察しがつくかと思いますが、筆者自身は「いじめられた側」だったりします。仲の良い人もいるにはいましたが、ざっくり、幼稚園から高校にかけての長きにわたり、“いじめっ子:傍観者:仲の良い人=1:5:1”くらいな感じだった気がします(あくまでも筆者の主観…ですが)。時期によって多少の差はあるにせよ、感覚的には一握りの仲の良い人を頼って、なんとか生き延びてきたとさえ思うこともあります。


いじめが怖いのは、「1:5:1なら(7分の6のひとは表立って変なことしないんだから)いいじゃん!」ではなく、「何かあったらいじめっ子のほうにつく人:まぁまぁ味方=6:1」というほうが実態に即している…という事実。最近はあまり言われなくなってしまっていますが「傍観者も同罪」という見解も、すべてのひとが、こういう状況を“すこしだけ そうぞう”することができれば…と思うわけです。


後半というか、あとがきにも、「すべての人が『自分のこと』だと思って…」と再び書いていらっしゃいます。いじめというものの現実をよく分かっていないと、こうは出てこない。まさにこの感覚なのです。どうかすると、日本の某首相が、政権党の中でやっていることも、いじめそっくり、いや、そのものかも…と思わざるを得ないこの時代。「道徳を教科にする」みたいなことを並べ立てるよりも、はるかに説得力がある本なんだと思いますウインク


本編の最初にあるように、実際にいじめているひとには「とどかない」のかもしれません。が、いじめの問題に対しても、“実態を知る”ということがいかに大切か。この本は、それをぎゅっと短い言葉で言い表しています。実際にいじめているひとにも「とどく」ように。
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