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2018年05月01日20:43

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2018年 3月27日(火) ゲルトナープラッツ劇場 「マリア・ストゥアルダ」

この劇場でこのような演目が上演されるとはちょっと驚いた。もともと「ドン・ジョバンニ」のようなポピュラーなオペラ、オペレッタ、そしてミュージカルを中心に上演していた劇場である。しかもこの劇場から有名歌手が出ることはあっても、すでに相当の実績があってギャラも高い歌手はほとんど招聘することはなかったように思う。この劇場も変わってきたということか。
ドニゼッティの「チューダー王朝三部作」は好きな作品群だし、この日は他の町に行ってもほとんど魅力的な演目が見いだせない。そこで久しぶりに行ってみることにした。
演出 ミヒャエル・シュトゥルミンガーおよびリカルダ・レジーナ・ルーディッヒカイト、舞台装置及び衣装 アンドレアス・ドーンハウザーおよびレナーテ・マルティン、照明 ミヒャエル・ハイディンガー、指揮 アンソニー・ブラモル。配役 マリア・ストゥアルダ ジェニファー・オローリン、エリザベッタ ナディア・シュテファノフ、ロベルト ルシアン・クラスツネックLucian Krasznec、ジョルジョ・タルボット レヴェンテ・パルLevente Páll、セシル卿 Matija Meić、アンナ エレーヌ・オルティス・アランデス。
席はバルコン・ザイテ・リンクス1列9番。馬蹄形劇場の2階席、脇から5番目の席。これで€60.00+1.50だからかなり高い。3月22日が新演出初演であった。
イギリス出身の指揮者のアンソニー・ブラモルは2002年から大野和士の後任として2008年までバーデン州立劇場音楽総監督を務めた。マリア・ストゥアルダを歌うジェニファー・オローリンは2015年の新国立劇場の「こうもり」のアデーレを歌っているが全く印象に残っていない。
舞台はガラス張りの豪華なもので、これが回って舞台を形成する。舞台装置には相当金がかかっているように見えるがあまり効果的とは言えない。しかしそのキャスティングは見事だ。ナディア・シュテファノフのエリザベッタは実にリアルだ(もちろんエリザベス女王に会ったことがあろうはずはないのだが)。そしてジェニファー・オローリンのマリア・ストゥアルダは気品があり、皆から慕われそうな雰囲気を充満させている。さらにルシアン・クラスツネックのロベルトはハンサムでエリザベス女王との浮名を流してもおかしくない容姿だ。そして衣装も良い。このプロダクションはドイツでは珍しいことに奇をてらうような演出ではなく、伝統的な解釈である所も良い。そして歌手たちはスーパー・スターではないけれど、実に見事に自分の役を歌いこなした。昨日の「コジ・ファン・トゥッテ」に続きミュンヒェンで2日続けて満足できるとは最近めったにないことだ。
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