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2018年03月06日19:45

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3月6日 社労士として高度プロフェッショナル制度と働き方改革について思う事

福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理の町医者 吉野正人です。


3月6日 社労士として高度プロフェッショナル制度と働き方改革について思う事


3月6日火曜日。今日は、働き方改革と高度プロフェッショナル制度裁量労働に関する気になる記事がありました。



裁量労働制、今国会断念へ 安倍晋三首相が働き方改革関連法案からの削除を指示 高プロ制度は維持
産経新聞2018.3.1 01:13
 安倍晋三首相は28日、裁量労働制をめぐる厚生労働省の調査データの不備や異常値が多数見つかった問題を受け、今国会で成立を目指す働き方改革関連法案から裁量労働制の適用範囲を拡大する部分を削除することを決めた。関連法案のうち、残業時間の上限規制に関する部分などは維持し、削除する裁量労働制に関する部分については今国会提出を断念する。

 安倍首相は28日夜、加藤勝信厚労相と会談し、削除するよう指示した。高収入の一部専門職を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度」創設は維持する方針も示した。データ問題への批判が高まる中、関連法案の骨格部分とはいえ、削除しなければ国民の理解は得られないと判断した。

 安倍首相は会談後、裁量労働制の適用範囲拡大に関し「厚労省で実態を把握した上で、議論し直すようにする」と記者団に語った。

 会談には自民党の二階俊博、公明党の井上義久両幹事長ら与党幹部も同席。安倍首相は「働き方改革法案はアベノミクス最大のチャレンジで、今国会最大の重要法案だ。必ず今国会で成立させたい」と述べ、協力を要請した。二階氏らは政府と連携しながら党内手続きを進める方針を伝えた。

 働き方改革関連法案は同一労働同一賃金の実現や残業時間を「月100時間未満、年720時間」に規制することなどが柱。労働基準法や労働者派遣法など8本の法律の改正案で構成している。



※引用終わり。



ここ最近までの国会において、高度プロフェッショナル制度に関する報道が目立っています。しかし社労士の立場から見ると、高度プロフェッショナル制度は「働き方改革」の中では「ごく一部」に過ぎないと思っています。



厚生労働省のリーフレットによると、高度プロフェッショナル制度を概要は、下記のとおりです。



・職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1,000万円以上)を有する労働者が、高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合に、健康確保措置等を講じること、本人の同意や委員会の決議等を要件として、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とする。
・また、制度の対象者について、在社時間等が一定時間を超える場合には、事業主は、その者に必ず医師による面接指導を受けさせなければならないこととする。(※労働安全衛生法の改正)



以上の点から考えると、我々中小企業において、対象となる労働者は「ごく一部」又は「ほとんどいない」のでは?と私は思います。実際、働き方改革における高度プロフェッショナル制度は、ごく一部に過ぎず、概要を書くと下記のように多くあります。



1.非正規雇用の処遇改善

2.賃金引上げと労働生産性向上

3.長時間労働の是正

4.柔軟な働き方がしやすい環境整備

5.病気の治療、子育て・介護等と仕事の 両立、障害者就労の推進

6.外国人材の受入れ

7.女性・若者が活躍しやすい環境整備

8.雇用吸収力の高い産業への転職・再 就職支援、人材育成、格差を固定化させ ない教育の充実

9.高齢者の就業促進



以上のような、多岐に渡っており、会社側にとっては不利?、労働者にとって有利な内容になっています。これらの内容には、ここ数年において国会で審議出来ずに滞っている改正労働基準法法案等も含んでいます。



社労士の立場として、「一部の内容」に惑わさるのではなく、全体的な概要を把握のうえ、一歩先に、先手を打って対応をした方がいいのでは?と私は思います。特に長時間労働の是正(残業時間上限規制)・非正規雇用の処遇改善・外国人材の受入れ等人手不足への対応に関しては、中小企業にとって急務だと思います。



今後は、日々の新聞・テレビ等の「木を見て森を見ず」的な報道に惑わされず、今後粛々と行われる「働き方改革」に対して、会社としての労務管理を、社労士として手伝っていきたいと思います。





※写真は、先日の夕食で、かき揚げ丼・肉団子と野菜入り味噌汁等です。
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