先日、十数年ぶりに スカラ座に行きました。
最近は、あまり面白そうな出し物がなく、足が遠のいていたのですが、ブルガリアのソプラノ、ソニア・ヨンチェーヴァの歌曲のリサイタルを聴いてみたいと思いました。
劇場は、満席。ピアノと譜面台、照明も全て準備OK。
開演時間の8時になると、スカラ座総監督のペライアさんがマイクを手に舞台に登場。
本当にびっくりしました。
スカラ座のリサイタルが 解説付き・トーク付き? 日本の真似?
(おお〜 スカラ座よ、お前もか???)
彼は話し始めます。
“ みなさん今晩は。 実は今朝、ヨンチェーヴァさんから、声が出ない、今晩歌えない、と電話がありました。私の今までの人生で、当日にコンサートがキャンセルになることは、そうよくあることではないのですが、30回から40回はありました。
しかし今ここで、みなさんにお帰り頂くことは忍びなく・・・今日の午後が最後の公演だったオペレッタ<こうもり>の出演者、主役の3人に頼み込んで、なんとかコンサートをしてもらえることになりました “
どっと拍手がわきました。
エヴァ・メイ(ソプラノ)
ジョルジョ・ベッルージ(テノール)
マルクス・ウェルバ(バリトン)
ジェームス・ヴォーン(ピアノ)
ちょっと信じられないことですね。オペレッタ終わって3時間しかたってない・・・
極貧のスカラ座のことだから、一人数百万円のギャラとも思えないし・・・
声のことを考えれば断わりたかったでしょうが、お客さんのために、
ろくに伴奏合わせもせず、ばあ〜っとプログラム決めて、気力で頑張ったと思います。
マル1時間、オペラのアリアや二重唱、しっかりお客さんを楽しませました。
立派でした。
さすがにソプラノとテノールは声が疲れていて(まあ当然です)、中音が鳴らず(でも大きな破綻はなく・・・プロですね)、私は聴いていて辛かったなあ・・・ 前半だけで帰ろうと思ってたら、休憩なしでした。
バリトンさんは、お元気でした。
思いがけず、エヴァ・メイを聴かせてもらったのですが・・・
彼女のドン・パスクワーレをスカラで聴いたのが、25年くらい前ですから、もう若くはないですよね。
ベルカント発声のマスターコースをしに日本に行ったりしていますが、ベルカントではないと思いました。
(声が疲れているせいとは関係なく)呼吸の音が大きい・・・
ひとフレーズ歌う〜 ヒーッ! 〜ひとフレーズ歌う〜 ヒーッ! 〜
毎回呼吸のたびに 平土間の最後列までしっかり聞こえる音を立てて息を吸い込むんですよね。
これって、ノドが固いからです。
みなさんも注意してください。
ベルカントは、息を吸う時、ノドを柔らかく開ける優しい自然な呼吸です。
ノドがリラックスしていたら、大音響の呼吸はないです。
ヨンチェーヴァのリサイタルは、9月18日に延期、または(希望者は)払い戻し、ということです。
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