ジャズにはさほど造詣の深くないワタシですが、ジャンゴという曲は「朝日のごとく
爽やかに」とともにMJQのレパートリーとして知っております
ジョン・ルイス作曲のそれが、ジャンゴ・ラインハルトというギタリストに捧げられた
ということも、しかし、ジャンゴ・ラインハルトがどういう人で、どんな演奏をしたのか
は知りません(造詣が深くないものですから)
そのジャンゴについて描かれた映画があるということで、本日黄金町まで行って
参りました
ジプシー(ロマというべきなのでしょうが)出身ということくらいは知っておりますが、
そもそもロマがナチスにより迫害を受けていたということは、言われて初めて「なる
ほど」程度の認識でした
非アーリア人はユダヤ人のみならずことごとく抹殺されるべき、と考えていたヒトラー
ですから、これはワタシが迂闊でした
本作は単なる一人のジャズギタリストの伝記映画ではありませんでした
ナチスがジャズに対して設けた規制、ブルースは20%以下であること、シンコペー
ションは5%以下であること、演奏中は足でリズムを取らないこと、マイナーコードは
極力使わないこと、などは馬鹿馬鹿しい限りですが、それがドイツ音楽の優位性と
表裏一体となっていることを考えると、マイスタージンガーなどはうそ寒く思えてきます
興味深かったのは、ロマがレジスタンスに身を投じることで、これは枢軸国対連合国
の図式ではなく、弾圧に対して立ち上がったということです(連合国側にだって人種
差別はあったのです)
主人公が実在の人物であることを知っているので、ドイツ占領下のフランスを脱して
スイスへの逃亡劇も半ば安心して観ていられましたが、妻や母親を後に置いて行く
場面では胸が塞がれました(ラストシーンで無事であったことがわかるのですが)
MJQのジャンゴ↓は哀切極まりない名曲でありますが、こんな背景があったのですね
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