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2017年12月16日21:28

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都響第845回B定期@サントリーホール

B定期としては珍しく土曜のソワレとなりました
売れっ子フルシャ氏のスケジュールの関係か、年末のシーズンでホールが空いていなかった
のかともかく、売れっ子フルシャ氏が今季限りで首席客演指揮者の任を辞する最後の演奏会

そんなハレの日にトラブル続きで、まずは京浜東北が架線事故で運転見合わせ、そのあお
りを食って、一蓮托生の横須賀線も止まってしまいました
運転再開は15時30分頃ということで、楽観視していましたが、そろそろ出かける準備という
時間帯に念のため運行状況をチェックすると、16時50分の段階で運転再開は17時40分頃
これでは間に合いません(再開してもすぐにはダイヤが元通りにはならない)

直ちに家を出て(こんな時戸塚区は陸の孤島となる)、バスで京急上大岡に向かうことに決定
で、駅前で長蛇の列に付いていつ来るともしれないバスを待っていると、どうやら東海道線が
動き出したらしい
期を見るに敏で、駅の改札に向かうと、ちょうどタイミングよく上り電車が来ました(「この後
しばらく電車は来ません」とのアナウンスでラッキーでした)
しかし逆に予定より相当早くなってしまったので、横浜からの東横線と目黒線は各停で

結局、予定より10分ほど早く会場入りしました(カラヤン広場のイルミネーションなど撮影して)

今日の演目は、フルシャ氏得意のチェコ音楽で、マルティヌーの交響曲第1番
フルシャ氏は在任期間中にマルティヌーの交響曲全曲演奏を果たしましたが、A・B定期に
振り分けられた関係で、昨年12月のA定期での第5番と、先日11日A定期での第2番は
拝聴できませんでした

本日の第1番は初めてですので、事前にYouTubeにあった音源を3回ほど聞きました

というわけで、いつもながら好青年感丸出しでフルシャ氏登場して振りだした冒頭部分は
半音階進行で立ち上がる不可思議な音楽でしたが、全然驚かない
1942年に、ナチスを逃れてアメリカに住んでいた当時、クーセヴィツキー指揮のボストン
soにより初演されたという事でわかる通り、あまり前衛的ではなく、どこか大河ドラマの
テーマ曲のようなわかりやすい、光景が目の前に浮かぶような曲です

時には民族色を匂わせる部分もありますが、それほど対ナチズムの感じは抱かせず
とても聞きやすい音楽でした
マルティヌーは多作家であったらしいですが、交響曲は50歳を過ぎてから、満を持した
感じがあります(そういうことで今日は「満を持した繫がり」でブラ1との組み合わせ)

第2楽章で早くも熱を帯び、楽章の納めは両手を広げて半身に構えるフルシャポーズ
しかし続く第3楽章は一転して深い悲しみに包まれた慟哭の音楽
これもことさらナチスのチェコ侵略に対するプロテストを表しているわけではないのでしょう

終楽章は再び熱狂的舞曲で、最初の内は3拍子をそのまま3つ振りにしていましたが
段々テンポが速められて高揚していくと、3拍を一つ振りにして思う存分オケを煽って
最後は今度こそフルシャポーズで決めました

都響の聴衆は弁えていて(事前の場内アナウンスもあって)フライイングは起こらず、
フルシャ氏の広げた両手が下ろされたところで盛大な拍手とBravo
ワタシも力いっぱいの拍手を送りました

休憩を挟んでの後半は、前述したようにブラームスの1番
これはマルティヌーと違って事前学習は不要、何度となく聞いた曲です
フルシャ氏の演奏は「揺るぎなき音楽」、何一つないがしろにしない、そして外連味も求め
ない、オケと一体となった骨格のしっかりした、しかもブラームスのロマン性も余さず
感じさせるものでした

また、都響も音の質が揃っているので、音楽が塊となって飛び込んでくるようです
もちろん、ソロもありますし(矢部さんのヴァイオリンソロは絶品)、例えばヴィオラの
対旋律なんかも「こんなメロディもあったのか」と改めて気づかせるくらい明確ですが、
それらがバラバラでない、一体となったサウンドです
とても新鮮に聞こえました

全曲を演奏し終わると、フルシャ氏は矢部さんと抱き合って、ついでオケを立たせようと
しますが、誰も立とうとしない
受け取る拍手にBravoはすべてあなたに対してです、というような視線を送ります
フルシャ氏は改めてまず絶妙のソロをした矢部さんを立たせ、ついで木管を一人ずつ、
冒頭のティンパニ連打もあって打楽器奏者を、というようにこれが在任最後の演奏
ですから名残を惜しむようにオヴェイションを受けさせます

女性が花束を持って来て、一旦それを矢部さんに渡し、コンマスからの花束贈呈
フルシャ氏は嬉しそうにそれを高く掲げて正面の客席に、バルコニー席に、振り向いて
ステージ背後のPブロックに挨拶を送り、まさしく万雷の拍手を受けていました

まだ弱冠36歳ですから、この先益々円熟味を増していくことでしょう
50代、60代の、若さとエネルギーだけではない深い味わいの音楽は、残念ながら
聞き届けることはワタシにはできないかもしれませんが、それを確信しています

終演後、大戸屋に向かうとなんと「本日は閉店しました」との貼り紙(土曜だから?)
おまけに南北線から乗り換えるべき都営三田線は運転見合わせ中で、日吉まで
乗り入れる直通電車を待つことになりました(東横線も何故か遅れていた)

どうも今日は交通トラブルに祟られているようです
折角のフルシャの門出を祝うべき日なのにね

というわけで、遅く帰宅してファミマの「すき焼き弁当」を食べてから書き上げました
ので日付が変わってしまいました(現在0時22分です)

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