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2017年12月14日20:51

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MET LV魔笛@横浜ブルク13〜北斎とジヤポニスム展@国立西洋美術館

アマデウス、プラハのモーツァルトと続いて、三日目の本日は魔笛であります
先日のROHで観たばかりですが、その日記に書いた通りルネ・パーペ様がお目当て
と言ったものの、むしろそれ以外のキャストが(声楽的に)良かった

タミーノのカストロノヴォはインタヴューでの本人談で、単なるリリックの王子様に留ま
らない試練に耐える強さを持たなくてはいけないということで、その通り
パミーナのシュルツは先日新国立劇場の薔薇の騎士でゾフィーを聴いたばかり
強靭な声という印象は変わりません
やはり黒人であるがゆえのという人種的決めつけは良くないのかもしれませんが、これ
またタミーノ同様に、か弱いお嬢様ではありません
シュルツ曰く、タミーノは冒頭救いを求めて女に助けられるけど、パミーナは自分で立ち
向かうのよとのこと
そして夜の女王のルイックはともすればコロラトゥーラの見せる可愛らしさに陥ることなく、
威風堂々の悪役です(第一幕のアリアでは最高音のFをテヌートする余裕)
パパゲーノのヴェルバは自然体で、わざとらしい過剰演技もなく、シカネーダの目論む
大衆演劇を具現化して人気をさらっていました
歌い終わった後とカーテンコールの拍手の量はルイックが一番多かったかな

肝心のパーペ様は、なんかシナの大人のコスプレをさせられた物わかりのいい上司
という感じで、ケネス・ブラナー演出のときの圧倒的存在感には及びませんでした
(声楽的には全然問題ないのですが)

それでも総じて「有らずもがな」の深読みなどなく、ROH同様にモーツァルトの愉悦を楽し
ませていただきました(これが極貧と困窮のさなかに書かれたとは)

指揮のレヴァインは、常に先を行く指揮で、さすがに主兵のMETオケはアゴーギクの
揺らしにも良く付いて行く
なお、本日配布されたタイムスケジュール表に、今シーズン振る予定であった「トスカ」と
「ルイザミラー」を降板すると書かれていました
もしかしたら先日明らかになった例のスキャンダルが原因でしょうか
マエストロがゲイであることは既に知られたことですので、理由はハラスメントの方に
あるのでしょうね
事に及ぶときには両者合意の上であることに心がけましょう(誰に何の合意を得るの?)

終映は午後2時50分という中途半端な時間でしたので、合わせ技というには距離的に
無理がありましたが、桜木町から横浜を素通りして一気に上野に向かいました
かねてから観たいと思っておりました日記タイトル標記2番目の項目の展覧会に

近代西洋の画家たちが北斎から影響を受けた作品を、北斎の原画と共に展示するという
趣向で、明らかに模倣であるもの、構図・ポーズを参考にしたものなど、すぐそれとわかる
ものばかりではなく、言われてみればそうかなというものもあります

既に日記にも書きましたが、ジャポニスムというのは飽くまでも北斎の画風に敬意を
払っているのであって、日本人一般がリスペクトを受けているのではない
むしろ、日本という後進国にも北斎のような人物がいたことに驚いているのでしょう
アルタミラ洞窟の壁画が原始人の作品であることに驚いているようなもので、手放しでは
喜べません(クレソンとかいうステーキの付け合わせのような名前の某国首相が日本人を
どのように評価したか思い出してください)

それはともかく、なかなか興味深い展示でありました
北斎とは関係ないけれど、パウル・クレーのデッサンなどがあって、ワタシが(多分多くの
人が)知る、あの幾何学模様に塗り分けられた画風の作家とは思えません
つまりそういうデッサンの基礎があってこその「クレーの絵本」なのでしょうね

平日の4時過ぎという時間帯でしたが、普通に混んでいました
追い立てられるように観たのにも拘らず、観覧には1時間以上を要しました

鑑賞の後は東上野の中国料理「川府」で海老と玉子のチリソース炒めをいただきました
(魔笛の後は「そじ坊」で、季節の野菜天そばを)

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