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2017年12月06日22:59

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薔薇の騎士@新国立劇場

今年はMET LV、二期会公演に続いて三度目になります
かつて、一年以内に四度公演という年もありましたが、それに匹敵する当たり年
本来は新国立の今シーズンの平日マチネミニセットには組み入れられておりま
せんでしたが、ワタシの好きな曲第2位になるオペラですから、単独でバラ買い
しました(薔薇の騎士だけに)

ワタシにとって今年三度目であるとともに、新国立でも三度目の再々演であります
ジョナサン・ミラー演出の本プロジェクトは時代読み替えはあるものの、時の
移ろいをテーマとしたこのオペラのコンセプトを裏切るものではなく、今年の
二期会のように元帥夫人が全裸になったり、その衣裳が篠原ともえデザインか
と思わせるようなセンセーショナルにしてキッチュなものではありません

なので安心して観ることができる、さればこそ本日拝観したような次第

主役陣は前回オックスを歌ったユルゲン・リン以外は総入れ替えの筈でしたが
オクタヴィアンのダニエラ・シンドラムが健康上の理由で降板、代役は結局
前回公演と同じステファニー・アタナソフでした
脇役は日本人キャストによるもので、料理屋主人の加茂下さんとテノール歌手
役の水口さんは全公演不動の地位、手慣れたものであります

オックス男爵のユルゲン・リンは前回公演の日記でもスーパーベースと書きまし
たが、登場第一声がPAマイクを付けているのではないかと思うほど飛び抜けて
いる(カヴァーキャストでなくて良かった)
元帥夫人役のリカルダ・メルベートは今年6月のジークフリートでブリュンヒルデを
歌っていて期待通り、凛とした歌唱はプルミエのニールント、前回のシュヴァーネ
ヴィルムス同様、いかにも元帥夫人の威厳を保っています
ゾフィーを歌ったゴルダ・シュルツは強靭な声の持ち主で、気の強い町人の娘
という設定に相応しい(演技もなかなか「おきゃん」で、元帥夫人からオクタヴィ
アンを奪うだけの女子力があります)

前回の再演演出は三浦某で、臭い芝居が多く、あまり気を付けて見ませんでし
たが、今回は澤田康子さんの名前がクレジットされています
細かい所作がいちいち新鮮に感じました
第一幕幕切れでオクタヴィアンが元帥夫人の元を去るとき、会釈を二度するのが
音楽にぴたりと合っているとか、第二幕でオックス男爵がファーニナルに貴族の
振る舞いを教える場面とか、原演出はどうだったのかな

ちょっと気になったのは、小姓のモハメッドが元帥夫人の部屋から退出するとき
お辞儀をしなかったこと(カラオケのリモコンで殴られるぞ)
それから終幕の幕切れは伝統のハンカチ探しではないのはいいとして、料理を
つまみ食いするのですが、廊下で侍っていたはずのモハメッドが何故部屋に食べ
物があることを知っているのか、廊下にだって料理人の引き下げた残り物が
あったのに、それをつまみ食いする方が自然でしょ

東フィルは金管が頑張り過ぎです(ひっくり返らないように気合が入っていたので
しょうが、余裕を感じさせてほしいものです)、バランスが悪い

なーんて細かいところまで観てしまいましたが、今回もまた満足すべき公演で
あったから重箱の隅をほじくったのだとご理解ください


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