まず驚いたのは敗色濃厚で空襲にさいなまれる中にあってなお諦めなかったことだ。
完成に至らなかったものの彼らの技術者魂に敬意を払いたい。
さらにその核心であるエンジンの一部が製造され、それが残っていたこと自体奇跡に近いことだ。
「火龍」については図面のみであったと聞いていたが、実際に生産ラインまで漕ぎつけていたことを考えると製造サイドの真剣さがうかがえる。
海軍の「菊花」が試験飛行レベルまで到達していたことを思えば賞賛には価しないかもしれないが、自分たちの手で何とか戦局を打開したいという気持ちには心打たれる思いだ。
もし完成に至ったとしても実用化されたMe262の性能には足元には及ぶべくもなかっただろうが、ジェット戦闘機の原型が日本で製造されていたことに価値がある。
思えば大戦末期は夢の試作機ばかりゴマンと出てきたが当時の最新技術満載のまさに「夢」そのもので、その夢は同時進行でアメリカがどんどん実用化して戦場で活躍していたのが皮肉なことであった。しかしそのアメリカでさえジェット戦闘機の実戦配備ではソビエトに後れを取ったのは技術競争のシビアさだ。
戦争をしない日本が今でも航空機製造の分野では大きく後れを取っている中、近年やっと実用的なジェットエンジンを自国開発できるようになったのは喜ばしいこと。もっとも武器輸出ができないハンデを考えるとコスト高はやむを得ない。安全保障はそれなりのコストがかかるのは仕方のないことだ。
製品管理の面で技術大国としてのほころびが出てきている今。先人の技術者魂に触れ、初心に帰る良いきっかけになって欲しい。
戦闘機 幻のエンジン部品発見
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4854819
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