『ビッグワン』 佐賀県佐賀市
佐賀の人気ラーメン店である。
九州だけにもちろんベースは豚骨だ。
店内は大きなコの字型のカウンターのみ。
入口で食券を買って開いている席へ。ホールのお婆ちゃんが優しく誘導してくれることもある。
団体客が多いのか、食券の販売機は複数チケットを一度に購入できるボタンがある。
昼時はいつも満員だ。
たまに女子も見かけるが、個人客はほぼ男性。
男がぎっしり並んでハフハフ美味そうに麺をすする。
待つことしばし。私もその群れに交じってハフハフすする。
味はやや塩が強いイメージ。
関東でも同じだが、都市部から離れるに従って塩味は強くなる傾向がある(と思う)。
あるとき思い立って、ここで早めのお昼をいただき、ダッシュで博多へ。そこで遅めのお昼に人気店のラーメンを食べてみた。
明らかに塩の強さが違う。味のマイルドさというか、複雑さも博多に軍配。
そういうものかと暫く思い込んでいた私の目を覚ましてくれたのは、気まぐれで食べた初喰いメニューだった。
野菜ラーメンである。
同じベースのスープだと思うが、まるで別物。
というか、これはラーメンではなくてチャンポンの味わいだ。
優しく深い、滋味溢れるスープに、私はすっかり魅せられた。
そして思い至った。そうか、これも土地なのだ。
博多や久留米といったヘビー豚骨エリアから、野菜のエキスに満ちたチャンポンエリアの長崎、その中間に位置するのがこの佐賀。
つまり佐賀には豚骨文化とチャンポン文化が融合する土壌があったということだ。
今ではラーメン2対野菜ラーメン1の割合で頼んでいる。
観光で来る方はそうそう何度も訪問できないだろうが、ぜひこの両者を食してみてほしいものだ。
JR佐賀駅北口を出て右へ。線路に沿って歩こうとすると数秒で角に見える。
左:ラーメン。これがベース。博多の人気店のような複雑な味わいは無いが、しっかり自己主張しているのがいい。塩が強め。
中央:玉子入ラーメン。ベースのラーメンに生卵を落としたもの。ややマイルドになる。
右:これが私を虜にした野菜ラーメン。チャンポンのような奥深さが堪能できる逸品だ。
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