mixiユーザー(id:9108263)

2017年09月24日17:01

451 view

9月27日 立川志らく・談笑二人会

9月27日 立川志らく・談笑二人会  よみうりホール
       Tatekawa Biood 「江戸の風とイリュージョンのはざまに・・・・」
理想の二人会がここにあります。落語と格闘し、理想を追求し、
手法は若干異なって、その違いが落語を高めると信じている男がいます。
昨年、談笑師匠のムチャぶりネタ選びを、ムチャぶりと気づかなかった志らく師匠。
今年はムチャしよってと、受けて立つネタを聴かせてくれました。
トークもゲストも、立ち位置を分かっているプロの芸ですね。
すれっからしの客も、初めての落語の客も、リピーターにする芸ってこうなのですね。

立川らくぼ   権助魚
立川談笑    文七元結
松岡ゆみこ・松岡慎太郎・立川志らく・立川談笑  トーク
東京ボーイズ  歌謡漫談
立川志らく    紺屋高尾

立川らくぼ   権助魚
上手くなりましたね、会場の大きさに動じないのが良いとおもいます。

立川談笑    文七元結
落語の穴を新解釈で埋める談笑師匠、
文七元結では、左官の長兵衛が身を持ち崩す理由に新解釈が入ります、
そしてその理由が全編を通して、脈々と流れてきます。
また、人物の描き方が新鮮で、文七の奉公先の旦那の大人物ぶり
佐野槌を割り出すのに、文七の記憶ではなく、吉原の事なら知っている伝手がある
長兵衛親方を訪ねての会話には、脈々と流れるテーマ、家族と江戸っ子を大事に
テーマを凝縮した構成に魅了されました。
そして師匠のサービス、寝てない長兵衛をたたき起こすシーン
まるで芝浜じゃないか、笑わせておいて、家族を強調するラストが良いです。
佐野槌の女将に説教させるではなく、吾妻橋上で五十両をしつこく語るではなく
そこは江戸っ子、長兵衛が改心するのは、家族の絆、見事な談笑文七でした。

松岡ゆみこ・松岡慎太郎・立川志らく・立川談笑  トーク
よそでは聴けない、ここには書けない、危ないトーク、
書けるのは今日が談笑師匠の誕生日位ですか。

東京ボーイズ  歌謡漫談
十八番のなぞかけ音頭、談志家元に気に入られていたと伺ってますが
そのことはチョッと語っただけで、場を引き締めて次に繋ぐ、名人芸を見ました。

立川志らく    紺屋高尾
先に上がった談笑師匠に、文七元結を演じられて、何をやるのか、
想像が付かなかった、紺屋高尾をぶつけてきました。
江戸っ子の粋を、意気を、こんな風にも語れるんだ、との強い意志を感じました。
そして志らく師匠の粋なことは、初めて落語を聴くような初心者に楽しんでもらう
リピーターになってもらう、との優しさたっぷりの演じ方が、高尾に重なります。
落語を聴きなれた客向けと思える、廓のしきたりの解釈は気にせず
今までの筋書きは、翌朝に久蔵が高尾に胸の内を打ち明けて、高尾が意気に感ずる
しかし、廓のしきたりでは、初回は顔見世だけ、朝を迎えない、そこで
顔見世の時に、久蔵が心情を吐露し、高尾が意気に感じて、朝を迎えると直した
今回は、直した筋書きにせず、今までの筋書き通り、素直に朝を迎えると演じた
おそらく、落語初心者に筋書きを複雑にしないで聴かせようとの配慮でしょう。
そして志らく高尾の見せ場で、高尾が意気に感じ、花魁から一人の女になった事を
言葉遣いが廓言葉から、一般人の言葉遣いになった事で表現する見事さ
音楽のクライマックスで、短調から長調に転調したような、安心感を感じました。
お決まりの、久はん元気。もひっそりと、久蔵に聴かせるだけですものね。
そして長めのエピローグ、下げの来年三月十五日も見事に決まって終演です。

2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する