京都議定書に署名した世界の国で二酸化炭素削減を行ったのは日本だけである。1990
年と比べて6%の削減という目標、しかし日本はこれを達成できなかった。懸命の努力に
も関わらず目標に届かなかったのである。同様にカナダも目標に届く見込みが無かった。
カナダはその時点で議定書から離脱してしまった。目標を放棄したのである
しかし日本は、世界で唯一日本だけは律儀に目標を達成しようとした。そこで登場したの
が排出権取引である。これは削減目標に余裕がある国から、排出権を購入するというもの
である。日本が購入したのはロシアからだ。ロシアは1990年と言えばまだソ連時代
ソ連が崩壊しロシアになったが1997年時点で、1990年と比べて二酸化炭素排出量
はなんと38%も減っていた。それだけソ連崩壊後の経済低迷が酷かったということであ
る。そんなロシアから日本は目標に届かなかった分の排出権を1兆円近い金で購入した。
購入に使われた金は国民の電気代に上乗せされることになった
ロシアにとってみればボロい話である。いきなり空から1兆円のカネが降ってきたような
ものだ。いっぽう購入した日本からしてみればこんなバカなカネの使い道は無い。京都議
定書には拘束力など何もない。やりたくなければやめても良い、自由なのである。カナダ
は目標に到達できそうも無いから途中でやめてしまっているのだ
この間、二酸化炭素削減のため無駄なコストをかけざるを得なかった日本の工業は国際競
争力を失い、中国や韓国などの削減義務の無い途上国や、ドイツのようにトリックを使っ
て削減しなくても済んだ国の企業に攻め込まれて苦境に陥っていった。特に製造過程で二
酸化炭素排出が莫大である半導体産業(太陽電池も半導体産業)などは壊滅したのだ
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