「アメコミ映画40年戦記」本

『アメコミ映画40年戦記』
＜ストーリー＞
　いまやアメリカのみならず日本でも大人気となったアメコミ映画であるが、それが本国でいかに発展し変化していって現在のような形になり、ついに世界を席捲するようになったかを５人の評論家が検証。
＜コメント＞
　この本では“アメコミ映画40年戦記”というタイトル通り、現代のアメコミ映画ブームの始祖を1978年の『スーパーマン』に置いている。巻末のアメコミ映画リストを見たら、僕もこれ以後のアメコミ映画を全部劇場で見ているので、この意見には納得だし、それゆえに評論家それぞれの論に一本筋が通っている。
　この本のユニークな点は単にそれぞれの映画がどんな位置づけなのかだけでなく、その映画が製作されるまでの紆余曲折などもきっちりと解説していることで、例えば現在のマーベルの『アヴェンジャーズ』を始めとした“マーベルシネマティックユニバース”の概要に関してはそれこそ「ＤＶＤデータ」や「スクリーン」などの雑誌でもわかるけれども、その映画の企画に何年かかり、製作者や監督が次々と代わり、なぜ今の形になったかをきちっと教えてくれるところ。
　『スーパーマン』が四部作となるも中断してその後なぜか三作目と四作目がなかったことになって『スーパーマン・リターンズ』が製作され、それがなぜかそのままになって再び『マン・オブ・スティール』となったのかや、一時期は倒産の憂き目に会い、社員のデスクまでもが売りに出されたマーベルがなぜ現在のような大ヒット続出の一大スーパーヒーローユニバースを製作できるようになったのかなど、断片的には知っていたことがきっちりとまとめられていて実に勉強になる。
　アメコミ映画ファンは必読。
アメコミ映画40年戦記 -いかにしてアメリカのヒーローは日本を制覇したか (映画秘宝セレクション)
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