🟣　甘えたい女

「マッチョ29」
何それ？

日曜版の新聞の見出しと写真を見てそう思った私は、筋肉隆々たる男たちの半裸体に釣られ記事を読んだ。
マッチョ29とは肉体美を誇る１１人の男たちの自称アイドル(！)ユニットの事で、29というのは「肉」の語呂合わせ。
決して、人数のことではないと言う。

なるほど。
筋肉隆々たる男たちが歌ったり踊ったり(するはず)すれば４８人というのは無理。
彼らは体積も面積も取るのだから。

でも彼らはアイドルの概念を超える！
いや、変える！

ジャニーズにも、AKBにもおよそアイドルという人種には、ずっと、ずっと、ず〜っと、興味もなければ関心もなかった私だけど、これは久しぶりに好奇心の目盛りが大きく振動した。

例えば私が悪者にさらわれてだね、どこぞに幽閉されたりしたら間違いなく彼らは助けに来てくれる！はずだし、私が悪者につきまとわれて、あわやピンチ！という時にも、彼らは必ず助けに来てくれる！に決まっているのだから。
…物語の中では。

マッチョがタイプなわけではない。
グラマーな女が好きな男とは断じて違う！
大切なのは好奇心！

行ってみたいじゃないの！
彼らのライブに！
行くしかないじゃない！
そのライブ。
だってその日はオーディションもやるって言うんだもん。
アイドル誕生の瞬間に立ち会うかもしれないじゃない。

それでその、ライブとやらはいつ、いつ？
即、ネットで検索した。
え？今月末の26日？
あら、まだ寒い時じゃない！

おまけに開演時間も18時から？
それ、遅過ぎ！

だって場所が恵比寿。
間違いなく帰宅は21時ごろになる。

寒いの、イヤン。
夜遅いの、イヤン。
一人じゃ、イヤン。
イヤン、イヤン、イヤン。

なぜか、すっかり男に「甘えたい女」モード全開になりながら、それでも考えた。

その日はもしかしたら幾分暖かいかもしれないじゃない？と。
夜遅くても、かろうじて何とか22時にはちゃんとオネンネできるかもしれないじゃない？
一人がイヤなら誰か誘えばいいじゃない？

そう。こんな恰好の日記ネタは滅多にないんだもの。
ちなみにそのライブのタイトルは
「プロティンあげるから一緒に赤坂BLITZまで行かないか？」

それじゃ、それに倣って私も言わせてもらおうかな。
誰か「連れてってあげるから一緒に恵比寿CreAtoまで行かないか？」