先ず初めに。
なんとなく、寺・坊主が嫌い…金払うのが勿体ない…そういった困った自己中心的な方は読まないで頂きたい。
坊主がとにかく金に汚い、碌でもない…待て待て。短いスパンで考えるものではない。その坊主が死んで代が変われば良い坊さんが来ることもあるぞ。今は自重の時期というだけのことではないのか？
それでも。それでも坊主の横暴に耐えかねた人にだけ読んでほしい。
先ず墓である。
地域差もあるが、大体檀家寺だとその敷地内にお墓を所有している方というのが多いのではないだろうか。関西や田舎だと、自分の自宅近くに墓を持っていることがある。
これは明治以降、戦災や区画整備がどれだけ行われてきたかによって違う。大空襲などがあった地域は戦後区画整備で、纏まって寺院に無理やり（檀家ではないお寺に）くっ付けられる事だってざらにあった。その場合、本来の檀家寺と、所属しているお寺へと維持費の二重払いが発生していることもある。
墓は、というか、その中に納まっている先祖のお骨は一種、人質である。
そして貴方は敵対する戦国大名と考えると分かりやすいだろうか。
何はともあれ、嫌な寺（坊主）であった場合だとしても自分の態度を露骨に出してケンカ腰になるのは、一番馬鹿な方法だと思うべきである。
我慢しつつ交渉を重ね、上手く人質であるお骨を回収してしまうのだ。
ただし、一つ落とし穴がある。
墓地は先に言った様な自宅敷地の墓地では無い限り、賃貸である。自分のものではなく、敷地を寺院、乃至、公共墓地から借りているだけである。契約書があるはずだから必ず確認はしてほしい。
だから当然の事ながら墓地の使用権を売るとか渡譲するとかは出来ない。
そしてここで大きな問題。更地にして返さないといけないのだ。
墓石は破却する場合、約80万円くらいかかる。もっと安い所もあるかも知れないが、馬鹿に安い業者は、破砕せずそのまま山中に捨てるので、時々ニュースになったりして、そうすると自分の家の墓石がバーンと映ったりしてしまう事もある。そこらへんの覚悟はお任せだ。
もう新しい墓所が決まっている場合、輸送するという手もある。この場合、距離にもよるが５０〜２００万円オーバーは覚悟した方が良い。
その他にお骨を取り出してもらうのに大体２〜３万円。お寺に対する手付金が５〜１０万円である。
これをケチるのは筋が違う。そもそも輸送や墓石の破却は石屋さんであり、お寺には関係ない。癒着している場合もあるが、それなら自分で石屋に依頼する方法だってある。
そして、何はともあれ今まで面倒見てきたのは事実なのだから、そして此れから自分達が抜ける分、収入が減ってしまうのだから手切れ金的な感じで幾ばくかお寺に払うのも筋の通っていない話とは思えない。何よりそれで嫌な思いせずに済むというのだから、自分の精神的な落とし処と考えられないだろうか。
しかし、ここで本題に入る。
この時、最後っ屁で坊主が法外な立ち退き料（具体的に10万円以上）を要求してきた場合。そうでなくとも元来より法外な吹っかけを数々してきた場合。
あなたの堪忍袋が限界な場合。
そして先祖代々の土地にずっと住んでいたという訳ではない限り、一つだけ激安で済ませる方法がある。その代わり、たくさんの労働と仕込が必要になるが、よろしいですか？
先ずは引っ越す。そして引越し先をお寺には絶対に知らせない。それ以外は普通の引越しである。
そしてDIY店に行き、小売のセメントとバールの様な物を購入する。
次になるべく何でもない平日（しかも午後が良い）にこれ等を隠し持って、自分の墓に行く。墓のスタイルは多種多様だから絶対こうだとは言い切れないが、どこかに納骨のための穴「カロート」があり、そこはセメントで軽く目地付けしてある。
そこの接合部分をバールのようなもので軽く叩いて壊し、蓋石をずらしてお骨を全部取り出すのだ。
※ここで捕捉。関東は火葬の際、お骨を全部入れるので、骨壷がとても大きいが、関西は火葬で一部しか入れないのでちょっとしたマグカップくらいしかない。なので、関西の方が楽ではある。
※さらに捕捉。明治以前の場合、旧家・名家だと稀にずっと土葬の家もある。その場合、本当にこれでいいのか自問自答しなおしたほうが良い。それだけの歴史を棄てる事に成るのだから。
それでもどうしてもこの寺や坊主は嫌だという場合、残念ながら土葬のお骨は諦める様に。
そうして人質であるお骨を敵方から奪還したら、何事も無かったかのように元に戻して、買ってきたセメントでまた目地を封じる。
そうして後やることは唯一つ。ひたすらお寺からの連絡を絶つ！！
元より黙って引越ししているので、電話（電話番号ももちろん変える）は来ず、手紙も一年越せば差し戻しとなる。後はもうとにかく、ひたすら連絡回避である。
親戚が同じ檀家という場合というのもある。その時はとにかく懇切丁寧に話して、その親戚に同情してもらい、新住所や電話番号をチクられない様に努めるべきである。話がとにかく一番重要。
本来ちゃんと話が出来ていればこんなトラブルになることも無かったんだろうけど。
ここからはお寺のターン。
配布物を出すのは宗教法人法で定められているので、きっとどこのお寺も年に数回、配布物を出している。それが突き戻されて来る家がある（※一年くらい経ってからの話である）。
おかしいなと思い、先ずは電話などをするが繋がらない。そこで玄関に名前を張り出し、親戚関係に連絡が付くように”お願い"をする。
そして次に連絡の取れない墓地に立て看板をする。連絡を請う内容だが、若しくは期限を切っている場合も多い。
この期限、墓地使用権の期限である。
様は「これだけ連絡とろうとしたけれど無理だったので、使用権を取り上げて新しく別の人に売り出します」という事である。
ほんの時々、粘着質に住民票や探偵雇って、コチラの執念で新住所を突き止める寺院も在るが、よっぽど何か大喧嘩したわけでもない限り、そんな労力は無駄なので上記の通り墓地使用権を取り上げるのが関の山である。だから何度も書くが、お寺（坊主）とケンカすると良い事無いので受け流すようにするべきである。
そうすると、お寺は更地の為のお金、墓石の破却、中のお骨を永代供養したりと全部お寺が拠出するになってしまう。
この中で唯一法律的に触れるもの…それは改葬許可証である。
お墓に入れる際、埋葬許可証というものをお寺に預ける。これがこの方法だと貰えない。よって改葬許可証が出ないのだ。
しかし、新しく構えるお墓の方と相談して、全部言う必要ないがある程度虚実織り交ぜに話せば、必要無いと言ってくれる可能性もある。最近のお骨ではなく、何年も前のだからである。
でもどうしても引き取ってもらえない、新規のお墓に入れることが出来ないというのなら、いっそ自宅に庭があるのならそこに埋葬しても良い。それだけでは味気無いのならなにか神社めいた物を作ってもいいし、祠のようにしてもいいと思う。
埋葬許可証には「感染症」か「その他」と書いてあるが、骨にする時、1500℃もの火で焼くのだ。ウィルスなんか絶対死んでる。もし生きているウィルスがあるのならもう、それは人類の敗北である。だから感染症とかは気にしなくて良い。
家に庭が無い場合、あんまりお奨めしないし、もし発覚しても絶対にこの文章の存在を言わないというのなら究極の方法がある。
オシャレにしたいのなら、夜のクルージングか、漁師舟に乗って夜釣りの態でとにかく夜の船に乗る。そして人気の無いのを確認したら撒いてしまうのだ。この時、当然ながら骨壷からは出しておいてほしい。邪魔だから。
前述の通り、骨は1500℃で焼かれているので菌やウィルスの心配はない。有るとすれば、地中に長く入れていたので、バチルスなどの別の菌が繁殖しているくらいだ。しかしそれも本来自然に居るもの、気にする必要は無い。基本はカルシウムである。
散骨の箇所は行政によって細かく決められている。ただ、それで違反して捕まった奴はいない。
もっと、簡単な方法がある。
「燃えるごみの日」に出しちゃうのだ。これはなんら問題ない。
ただ、それでは尊厳があまりにも守れないし、こちらにあった大義が無くなる。だったらそのままにしておけば、お寺が永代供養してくれるのに……
ということで、たくさんの選択肢と方法を提示してみたわけだが、ここでもう一つ問題を提起しておく。
嫌な坊主から逃げて、良い坊さんのお寺にお墓を入れ替えたとしよう。でもそこの坊さんだっていつかは死ぬ。そして跡取りが良い坊さんとは限らないのだ。そのとき、また逃げるのか？
私は個人的にお墓の定義が今、大きく変わろうとしている時期なので、早計に墓を作ったり移動すべきではないと思っている。
では「今の」お墓はいつ頃出来たのか？ 意外と伝統の無さと歴史の浅さに驚くことだろう。
これは次回の話にする。
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