2020年3月の日記一覧(1ページ目) | mixiユーザー(id:6276271)の日記

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　ユピタルヌス歴323年　2の月の6日　丸二日をかけて、夜中に浮かびあ上がるヴ帝国主都「スクエア・ガーデン」が見えてきた。　「…スゲエ！」　一同が艦橋の展望台に群がって感嘆のため息を漏らした。　夜中なのに幾多の街灯に照らし出されて、昼間のように

　「当艦はこれより高高度巡行を開始する。雲を盾にして地上から見えないようにするのだ」　デイル少佐の重みのある言葉に、「ボモンティ」での操縦を買われたハリデ一等兵が「ヨーソロー…」と反応する。上背のあるハリデは、どの操縦席でも窮屈そうに見える

　新型の強襲揚陸艦は「アララト級」よりも一回り小さくてスリムだった。　この艦のユニークな部分は、ジェットエンジンではなく、エアロ機関によって風を捕まえて効率的な推進が可能になっている事だ。省エネなのだ。　コアンダ効果と言えば分かり易いか。

　一気に老け込んだかのような感覚。　おいおい、未だ十代だぜ？　自嘲しながら、新しい制服に袖を通す。黒い制服は部落出身を意味する。それでも今、この黒い制服は軍部の中でもあこがれの象徴となりつつあるらしいと、聞いた。　今だ止まぬ差別と、それに喘

　一言でいえば“王の帰還”であった。　イズミル隊どころか、近隣の部隊から祝福の歓声が上がって、さながらパレードであった。　だが全ては非公式。初めから死んでいなかったし、極秘任務で姿を消していた事として、事務手続きは処理された。　だから勲章の