12月8日 月例三三独演 イイノホール
今年最後の月例三三、半年続いた、嶋鵆沖白浪の最終回です。
現代の落語公演では難しい十二回連続が出来るのは、落語の隆盛の賜物か。
聞けるとは思っていなかったし、知らなかった、大ネタを聞けた喜びと、
二度と出会えないと思える寂しさが、入り混じる最終回でした。
前半は島抜けをした勝五郎の仇討のくだり、自分を陥れた目明しを
首尾よく討ち果たし、本懐を遂げて名乗って出て、打首獄門になる。
仇討の前に、女房と初めて見る我が子に会いに行くのは、
勝五郎の人柄を描こうとの作者・演者の心遣いか、根っからの悪人ではないが
運命のいたずらか、不幸な道に入っていく、悲哀を描いた語りが上手い。
後半は、目的が無くなって自堕落な暮らしから、ゆすりに走る、お虎、喜三郎
ゆする相手が、因縁浅からぬ、梅津長門、そして梅津長門のもとで働く娘
梅津長門が花鳥の元に通う金欲しさに、辻斬りをした男の娘だったとの因縁
ハッピーエンドとはならない予感で、背筋が凍ります。
梅津長門は召し捕られて切腹、供述から、捕えられる、お虎、喜三郎
島抜けの仲間の玄若は病に倒れ、お虎の手に掛かる。お虎は打首獄門、
喜三郎は、人柄を買われ牢名主、火事の解き放ちで、浅草の親分の下で
畳の上で死んだという、長い話の結末でした。
女を語って上手い三三師匠の、お虎のゆすりは、身の毛が弥立ちます。
柳家ろべい 替り目
柳家三三 嶋鵆沖白浪(十一)小菅の勝五郎
柳家三三 嶋鵆沖白浪(十二)梅津長門
副題は、私の勝手な思い込みです。
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