あさみどり澄みわたりたる大空の
広きをおのが心ともがな
明治大帝の御製であります
本日は畏れ多くも大君のあれましし日で、気象特異日とされており
その通り、明治大帝の御威光すさまじく、昨夜来の雨は上がった
ばかりでなく、ピーカンの天候であります
しかし逆にこの好天ではどこも混雑するであろうと、特に目ぼしい
コンサートなどもなかったので、単純に映画鑑賞としました
ちょうど本日はN響のみなとみらい公演(パーヴォ・ヤルヴィ指揮
マーラーの6番「悲劇的」)チケットの発売日で横浜駅ぴあまで
出かける用がありましたので、そのまま足を延ばし、TOHOシネマズ
川崎で「手紙は憶えている」を拝観
これは先週の日経シネマ欄で☆4つを得ておりました
佳作「エルザとフレッド」で、頑迷で偏屈な老人を演じていたクリスト
ファー・プラマーが、更に年老いて認知症の役どころ
その認知症の老人が、頭は確かだが体の不自由な、アウシュヴィ
ッツの生き残り仲間であるマックスの指示によりナチスの残党に
復讐を遂げるという、ちょっと毛色の変わったホロコーストものです
認知症でその使命は設定に無理があると思うのですが、認知症で
なければならない理由もあり、それ以上は言えません
ラスト5分に衝撃のどんでん返し、という惹句でしたので、ワタシも
推理してはいたのですが「そう来るか」という結末でした
90分という凝縮した時間に色々盛られたサスペンスもので、
単純な反戦映画ではありません
一見世話好きな州警察の男が、実は反ユダヤ主義者で親ナチという
怖さもあって、問題意識も充分あります(それが主眼点ではない)
日本では認知症でも免許更新ができてしまうというのが問題となって
おりますが、アメリカでは銃が買えてしまうんです(怖いです)
但し、この映画では特にそれが問題視されているわけではないようで
前作では虚言癖のある女性に翻弄されて、虚と実の間をさまよう
役どころであったクリストファー・プラマーが、今度は自身が虚実
わからなくなるという設定は、「何が真実であるのか」さらには「誰が
誰を裁けるのか」というメタファーであるようにも思えます
(あくまでも個人の感想です)
終映後は《蕎麦の実》で地海苔と鶏天おろし蕎麦を、「冷たいのと
温かいのがありますが」ということでしたが、今日の陽気ですから
躊躇うことなく冷たいのをチョイスして正解
ログインしてコメントを確認・投稿する