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2016年09月26日08:33

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日露戦争(43)

三「以前にも書いたウラジオストック艦隊の通商破壊戦。6月には大仕事をやりおった」
榴「日本からするとやられた、といわけですな。日本側にとってもこの艦隊は、頭痛の種
  になっていて特にこれに対処していた第二艦隊には、厳しい目が向けられていた」
歩「新聞なんかは『敵艦隊を発見できないのは濃霧ではなく無能のせいだろう』とか、あ
  げくの果てには『第二艦隊は露探艦隊(ロシアのスパイ艦隊という意)』と書いた」
三「日露戦争がもたらした社会的影響の一つに、新聞の爆発的普及というのが挙げられる。
  それまで新聞というのは一部の知識階級や意識高い系、の人達が読むオピニオン誌、
  という位置づけだった。それが日露戦争という明治日本最大の国難に際して、それま
  で世の中の動向に無関心だった層も、新聞を購読するようになったのじゃ」
榴「そういうわけだから、新聞の国民に対する影響というのはものすごいものがあった」
歩「国民の間には第二艦隊を非難する声が、強く上がるようになりマシタ」
三「そのような中、6月15日ウラジオストック艦隊は、なんと対馬海峡に出現した」
榴「この海域は日本から現地軍への増援や補給の主要ルート。日本にとっては言わば絶対
  国防海域、という感じだよね。そんなところにロシア艦隊が来たのか」
歩「日本の輸送船なんて四六時中、ここを航行しているわけで。そこを狙われたら〜」
三「というわけで3隻の輸送船が襲われ、うち2隻が沈没。1隻が大破し航行不能じゃ」
榴「特に輸送船常陸丸は、陸軍兵士の輸送中で1000名近い兵士が死亡しました」
三「通商破壊戦としては、特筆すべき大戦果じゃ。やったロシア側は殊勲甲というところ
  じゃが、やられた日本側は大黒星じゃ」
歩「この後第二艦隊もロシア艦隊を補足すべく、探し回るのだけど対象海域は広いし、例
  によっての濃霧も邪魔して全く補足できないままに終わってしまった」
榴「この一件によって海軍、特に第二艦隊への非難は頂点に達し、司令官の上村中将の自
  宅が襲撃され、投石や腹を切れという一文とともに短刀が投げ込まれたりもした」
三「この件は国会でも取り上げられ、海軍や第二艦隊を罵倒する者が後を絶たなかった」
歩「通商破壊戦への対策が下手クソなのは大東亜戦争だけじゃ無かったんですネ〜」
榴「日本海軍の伝統、といったところですかな」

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