日露戦争（23）

三「日露戦争は歴史上、初めて機関銃が本格的に使われた近代戦争でもある」
榴「アメリカの南北戦争でガトリング・ガンが使われたけど、実験的な使用やった」
歩「日露戦争ではロシア軍が籠る要塞に、日本軍が突撃していくという戦闘が数多く発生
　　したわけやけど、こういう戦闘では機関銃は凶悪なまでの威力を発揮したんや」
三「この当時量産されていた機関銃は、イギリスのマキシム機関銃と、フランスのホチキ
　　ス機関銃の２つ。ロシアはマキシム機関銃を、日本はホチキス機関銃を採用した」
榴「それまでの機関銃は、ガトリング・ガンのように人間がハンドルを回すなど、外部か
　　らの力により連続発射を行うものやったけど、この２つの機関銃は引き金を引き続け
　　るだけで、完全フルオートで連続射撃が行えるものやった」
歩「マキシム機関銃もホチキス機関銃も２５Ｋｇを超える重量があり、人間が持って撃て
　　るような重量じゃない。なので３脚に固定して撃っていた」
三「んじゃまあ、それぞれの機関銃のスペックを見てみることにしよか」

歩「まずはイギリスのマキシム機関銃からや。この銃の登場は１８８４年で、ホチキスの
　　ほうより１０年早い。歴史上初のフルオート機関銃ということになるわけや」
榴「開発したんは、イギリスの発明家ハイラム・マキシム。この人はイギリス人やけど、
　　出身はアメリカ。あるときアメリカを訪れた際、射撃場でライフル銃を撃った。その
　　時強烈な反動に驚き、この反動は何かに活かせるんじゃないか？と思いついて、研究
　　を進めて開発したのが、反動力によって排莢と次弾装填を自動で行う機関銃だった」
三「マキシムはそれまで銃器開発なんてしたことは無かったが、およそ３年で試作銃を完
　　成させている。そしてこの反動力を活かして排莢→次弾装填、というのは自動式拳銃
　　と全く同じ仕組みやな」
歩「あれ？ちょっと待ってや。世界初の自動式拳銃が作られたのって・・・」
三「１８９３年。ドイツのボーチャード・ピストルやな」
榴「つうことは、自動式拳銃もマキシムが発明した方式を真似たってことか」