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2016年08月25日11:18

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やれやれ

 昨日つぶやいた、介護の職場体験を昨日やりまして、色々励ましていただいた答えとして書いてみます。まあ、ぼくらしいというか…

 施設は諏訪通りから少し入った辺りのこぎれいなマンション。車で送り迎えするグループホームというのかな。昨日はたぶん女性の日だったみたい。多分80歳代近辺の女性十数人がいて、ヘルパーさんは十人もいたかな。まあ、監視の効く環境の中で、食事とちょっとして訓練というか遊び見たいのを入れて、ゆったり過ごす、といったところ。
 僕はなにすんのかなと思ってたら、Tさんという、中でももっとも認知症が進んだと思われるおばあちゃんに着くように指示された。いきなりかよでしたが"よりそい"というらしい。

 Tさんは時間の経過の前後関係を理解する能力をほぼ失いかけてる感じ。でもすごくおとなしく、昔の育ちでしょう「…でございます」なんていやみでない上品な口調が板についてる。認知症になっちゃったけど、人へのやさしさだけは残ってる感。そうでない人も良く見たけどね。
 で、まあなつかれちゃってそれなりに楽しかったんですがね。ほぼ昨日の一日中、食事時も、テーブルに座って数人で漢字熟語のあてっこなんかするときも僕のそばを離れない。Tさんは漢字の理解はもうできません。
 これくらいだったらよかったんだけど、そのうち僕は彼女の中で「おとうさん」ということになっちゃった。旦那さんのような、お父さんのような。
 施設の人も、Tさんはおとなしい人だけど、こんなに落ち着いていたことはないなんて褒めてくれたといえば言えるけど、コッチはいいのかな、感がぬぐえない。夕方になると迎えの車が来て、うちに送っていくんだけど、「お父さんも一緒に…のウチに帰るんですよね」と言い出したときは、あちゃーっとなった。勿論口には出せない。半分泣き顔ですもん。
 所長さんが気を利かせてくれたんだと思うけど、いいタイミングで事務所で報告書を書く様にいってくれたのでその場を逃れることが出来た。情というのは移るもので、泣かれたらコッチが泣きそうだ。どうも僕はこういうとこが駄目です。毎日こんなことではコッチも持たないと思う。

 Tさんは、花の東京のど真ん中で旅館をやってたうちの娘さんだったらしい。宝塚の女優さんがかつて常宿にしてたといい、丁寧な言葉なんとなく上品な物腰はそれが、今も残ってるということか。服装や髪とかも細かく気にしてて、優しくて綺麗な女優さんたちから可愛がられたらしく、彼女は貴重な善きもの、を貰ったのでしょう。失ったものも多かろうけど、そういう頂ものは何故か今も残ってるということでしょう。いい時代のいい雰囲気という気もしないではない。幼い子供の頃に戻ってる感じ。何を失って何が残るんでしょう。

 認知症っぽい人はごく少数。あの東京空襲の経験者(94歳)、戦後すぐから厚生省に勤めたもとキャリアウーマン、田中角栄を知ってる女性なんかがいて、もっと話を聞きたかった。

 帰り道で、ヘルパーさんのリーダーらしい女性とばったり。Tさんが喜んでいたといってくれたけどこんなこともいった。認知症といっても同じ人間ですから情は私らと同じ。別れの時にぼくがいたら泣いて大変だったでしょうといって、こちらが泣きそうになった。いろんないみで大変な仕事ですなー。それなりに楽しかったんですけど。
 職場体験修了書というものをめでたくいただいて、九月から約ひと月お勉強です。ぼくがやったのは(介護予防)通所介護のデイサービス、というものだったようです。
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