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2016年06月08日06:31

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2016年 5月 6日(金) ワシントン・ナショナル・オペラ 「Twilight of the Gods」

5時開演。席はセカンド・ティア―F列122番。$165。天井桟敷最後列のすぐ下。
キャストは登場順で、第1のノルン リンゼー・アンマン、第2のノルン ジャミー・バートン、第3のノルン マーシー・ストニカス、ブリュンヒルデ キャサリン・フォスター、グンター リャン・マッキニー、ハーゲン エーリック・ハーフヴァーソン、グートルーネ メリッサ・シトロ、ヴァルトラウテ ジャミー・バートン、アルベリッヒ ゴードン・ホーキンス、ヴォークリンデ ジャックリン・エコールス。
プロローグ。幕が開くと舞台上には黒く太いケーブルの山。そして後方にもケーブルらしきものの映像が蜘蛛の巣のように投影されている。ノルンの持つケーブルの先端にはライトがついている。現在の電気かコンピュータ社会を表しているのだろうか? 従ってそのケーブルが紡げないと社会の秩序(ヴォータンの世界)が保てなくなる。
第1幕第1場。岩山。「ジークフリート」の第3幕の舞台を左に回転したイメージで、正面に円形のブリュンヒルデが寝ていた岩の円盤。後方にはスロープ。ジークフリートは指輪を彼女に預け、冒険へと旅立ってゆく。第2場。グンターの館。舞台はガラスの壁で前方と後方に仕切られている。後方にはパイプなどが見えるのでグンターの経営する工場のようだ。前方左手にはソファー、右手には演壇または受付のような家具。ハーゲンがグンターにジークフリートが解放したブリュンヒルデと結婚するように薦めている。グートルーネはソファーに横になり妖艶な姿勢。そこにジークフリートがやってきて、グートルーネの差し出す魔法の酒を飲んでブリュンヒルデと交わした約束を忘れてしまう。そしてグートルーネと結婚することを条件に、ジークフリートはブリュンヒルデをグンターに差し出すことを約束する。第3場。岩山にヴァルトラウテがやってきて、二人は再会を喜ぶ。ヴァルトラウテは指輪をラインの乙女たちに返すようブリュンヒルデに言う。しかしブリュンヒルデはそれを拒絶し、落胆したヴァルトラウテは立ち去る。金色の隠れ兜をかぶりグンターに化けたジークフリートが登場し、ブリュンヒルデから指輪を奪い、彼女がグンターの妻になることを宣言する。
第2幕第1場。ハーゲンのベッド。ハーゲンとグートルーネがいる。そこにアルベリッヒが現れ、彼女は驚いて逃げ出す。アルベリッヒは寝ているハーゲンに、勇気を出してジークフリートから指輪を奪い取るよう命じる。第2場。明け方。ジークフリートが戻って来、ハーゲンにグンターがブリュンヒルデをものにしたと伝える。第3場。ハーゲンは素晴らしい音声で兵士たちを起こす。と、場面は正面に横に広い広間、そして左手には下に降りる階段、右手には上に上がる階段のある舞台が現れる。彼は現れた兵士たちにブリュンヒルデとグンター、グートルーネとジークフリート、2組のカップルの結婚の儀式に参加するよう呼び掛ける。第4場。グンターにいやいや引っ張られてきたブリュンヒルデは、ジークフリートの指に指輪が輝いているのを見つけ自分を炎で守られた岩山から連れ出したのはグンターではなくジークフリートだと悟る。そしてジークフリートが自分を裏切り、グンターに成りすまして拉致したのだと訴えるが、ジークフリートハーゲンはハーゲンの槍にかけて自分の無実を誓う。第5場。彼女との約束を知らないふりをするジークフリートを卑劣な男だと憎悪したブリュンヒルデは、皆が去ったあとハーゲンに彼の弱みを教えてしまう。
第3幕第1場。両側が切り立った崖になっており、谷底部分には放置されたタイヤ、おびただしいPETボトル、黒の大きなごみ袋などが放置されている。ここがライン川だ。汚れたドレスを着た3人のラインの乙女たちが、それらのごみを片付けている。そこに狩りの仲間からはぐれてしまったジークフリートがやって来、指輪を返してくれと懇願する乙女たちをからかい、やがて仲間のホルンの音を聞き去ってゆく。第2場。ギービッヒ家の男たちと合流し酒宴が始まる。グンターは思いに沈んでいる。ジークフリートは乞われて身の上話を始めるが、ハーゲンは彼の盃に記憶を呼び戻す薬を注ぐ。森の小鳥との出会い、ミーメの殺害、そしてブリュンヒルデとの出会いを話すと、間髪を入れずハーゲンが槍で彼の背中を突き刺す。ハーゲンは偽誓を罰したのだとうそぶき、ジークフリートは息絶える。第3場。ギービッヒ家の男たちがジークフリートの屍をかかげハーゲンの館に戻ってくる。ジークフリートの死を知ったグートルーネがグンターに食って掛かる(第2幕第1場のグートルーネの行動と一貫性が無い。)と、彼はハーゲンの仕業だと明かす。ハーゲンが指輪は自分のものだと主張するので、グンターとの争いとなり、ハーゲンはグンターに襲い掛かって殺害する。彼が指輪をジークフリートの指から抜き取ろうとすると、死んだジークフリートの腕が威嚇するように持ち上がる。ブリュンヒルデが現れるとグートルーネは彼女を非難するが、ブリュンヒルデは彼女を一括して黙らせる。彼女はギービッヒの女たちに命じジークフリートを火葬に付す。(幕)
演出自体にはしっくりいかなかった部分もあるが、特に音楽の流れを阻害するようなものではなく、実にしっくりする良い演奏だった。ワシントン・ナショナル・オペラには期待していなかったため、「ラインの黄金」を見逃してしまったことが悔やまれる。それでも「神々の黄昏」が終盤に近付くとリングを観たんだという充実感が沸き起こってくるから不思議だ。特に今回のサイクルを通しで観た人々にはひとしおだろう。拍手とスタンディング・オベーションが続き、最後にはオーケストラも舞台に登場した。舞台上の人々も喜色満面であった。
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