以前に原作を読んでレビューを書きましたが、映画版がどうなったのか気になっていました。
結果的に、なかなか良い映像化だったのではないかと思います。
なかなか映画にしにくい原作だったと思いますが、基本は原作を忠実に映像化しています。
驚くような演出はありませんが、非常に丁寧に作られた映像と演出だったと思います。
安易に派手にしたり、余計な分かりやすさを追加しない点も良かったと思います。
役者の方々も抑えた演技で素晴らしいと思います。
ただ、やっぱり原作を読んでいないと分かり辛いかもしれませんね・・・。
色々な人のエピソードが次々と登場するため、いきなり映画を観るとついていけないかもしれません。
というか、原作でもそうだったし・・・。
地味な話の積み重ねによる、じっとりとした不気味さ、怖さを積み上げていく感じは良くできていますが、さすがにこれだけだと、商業映画としては厳しいのではないか。
これは原作を読んだ時にも感じたのですが、映画版は原作には無かった終盤のクライマックスが追加されています。
これ、難しい選択だったと思います。
あのそっけない終わり方こそが原作の斬新なところでもあったわけですが、そこを面白がる人は少数でしょう。
やっぱり映画なんだから、ちゃんとそういうシーンを観たいのが多くの観客の希望です。
個人的には、終盤のクライマックス追加は良かったと思います。
ちゃんとクライマックスを用意するのは、映画化において必要な事だろうということは、原作のレビューにも書きました。
もっと大胆に脚色しても良かったと思いますが、十分満足できる映像化だったと思います。
映画だけではチンプンカンプンの人は、是非原作を読んでみて欲しいと思います。
また、原作を読んだ人は(クライマックスは賛否あると思いますが)映画を観ても楽しめると思います。
あと、お話に登場する平山夢明さん(映画では名前が変えてあるが)は、こんなにちゃんとした人ではありませんので、念のため。
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