私の指は標準より少し長いサイズらしく、冬真っ盛り、気の早いデパートが 冬物一掃セールをやっている季節になって飛び込んでみると 「サイズなし」 の憂き目にいつもあう。
(つまり安くは買えないってことね)
薄手革の黒手袋がお気に入りで、いつもこれをはめて冬を越す。
ところが。
なくすのである、それも必ず左手のを。
細かいことは左利きなので(力業は右利き)、自動販売機や駅の改札ではずして落とすらしい。
そう、いつもボ〜ッとしてるかメチャクチャ気がせいているかの連続で、うっかり者の私は 寒い冬の間、左手ばかりポケットにつっこんで歩いていた、 半身を壊して杖を使うようになるまでは。
しかし、問題は残った右手の手袋である。 色は必ず黒だし、革だもの、質もだいたい同じ、 デザインには大差ない。
「いつか右手の手袋をなくしたときのために。」とか、
これはあの頃の恋人が
「大きいの? どれ。」
といってはめてみたんだー、なんてほろ苦甘い想い出があったりとか、
ああ、道場破りは看板が増え、私は片っぽの手袋ばかりが増えていく。
かといって、子供のころのミトンのように肩に掛けるひもでつなぐわけにもいかんしな。
タンスの引き出しの前で、ちょっとした山となった右手袋たちを見つめる私である。(こんなんだから部屋片づかんのじゃっ!!)
ログインしてコメントを確認・投稿する