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2015年11月28日19:37

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シンベリン(超訳シェイクスピア)

楠美津香さんの一人シェイクスピア
今年は喜劇路線と宣言していましたが、本来の喜劇は少なく
(オセロは楠さんが喜劇とみなしている)
このシンベリンも、むしろ悲劇と分類されていて、しかし大団円で終わるので
(結婚の承認ということでは喜劇です)、亡霊やジュピターが登場したり
占い師がご託宣を述べるなど、ロマンス劇と言われるようです

2000年に始まり、2010年に完結した全作品上演のうち、このシンベリンは
今回が初見であります
もちろん事前に小田島訳を読みました(2度読みが必要です!)

タイトルはシンベリン(ブリテン王の名)でありますが、シンベリンは主役ではない
中心人物というべきでしょうね
今日の美津香さんの公演でも、シンベリンは何もしていないで、ただ騙されるだけ
と説明していました
ストーリーは何と言いましょうか、とんとん拍子の波乱万丈ですかね
シェイクスピアが3つの原作を基に編み出した物語なので、相当に込み入ってます
(事前に台本を読むことが必須である理由)
しかし、ご都合主義といいますか、予定調和的に大団円に向かって突き進むのですね

なじみのない作品ですが、劇中クロートン(バカ息子です)が楽士たちに歌わせる
恋歌はシューベルトによって「聞け聞けひばり」という有名な歌曲になっています

クロートンは頭カラッポのバカ王子で、その母親(シンベリンの後妻)は悪辣な鬼嫁
この二人が悪役で、後は善意の人か最後に改心する役どころで、勧善懲悪が
とてもわかりやすい(死ぬのはこの後妻母子だけ)

最終幕で登場人物が王宮にすべて集まり「実は…」と暴露話をするところが
愉快です(観客である我々は既に知っていて、知らぬはシンベリンばかりなり)
といっても、観客でさえも事前に本を読んでいないとすんなり頭に入らない
美津香さんは客席に何度も「ついて来てます?」と確認してました

ロミオとジュリエットや十二夜のパロディ(といって差し支えない)が盛り込まれた
通好みの作品であります(上演機会は極めて少ないらしい)

事前に2度読みしましたが、やはり最終幕の、特にポステュマスがローマ軍から
ブリテン軍に替わり、またローマ軍となって捕らわれの身となるところが
(読み飛ばしているせいかもしれないけれど)わかり難い
今日の美津香さんのヴィジュアライズによって、腑に落ちました

12月には浅草リトルシアターで「終わりよければすべてよし」
これで今年の超訳シェイクスピア「喜劇路線」が打ち止めとなります(まさに)

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