いろいろ不順

　先ほどまで、布団の中でしたが、レコードを取り出して“イエス”の「危機」を聞く。二面のアンドユーアンドアイ、シベリアン・カルトゥール。相変わらず、よく聞こえるピック弾きガリゴリのベース音。昔はベースギターといったもんだ。ベースは指弾きでしょ、と思うけどこの人は別だね。ギターですこの人。でも死んじゃった。クリス・スクワイアはこのバンドの一つの顔だったなー。白血病を最近発症してたんだって。急の訃報にびっくりした。
　実は昨日からやや体調が落ちてた。始まりはおとといの夜。
　夜になって気温は下がってるのに、冷房かけたまま、しかもほぼ？裸で寝てた。バスタオルみたいなタオルケット。夜中にがくがく震えてるのが自分で分かり起きた。かったるかったけど、Ｔシャツを羽織り、寝なおす。でも結局震えながら寝てた。夜通しガクガク。
　これで体にいいわけないよ。実はあとで結構怖かった。
　
　昨日は一日中なんとなく頭も体も重く、なんとなく飲みたいなと思いながら一滴も飲まず、風呂にも入らず、晩飯時になんも作らず、冷たい味噌汁を冷や飯にかけて食べてすまし、11時過ぎに上のような有様で寝てた。めったにないけど、微熱があったみたい。
　
　大家の部屋に行くと酒が切れかけなので、酒屋に注文。たぶん午前中に配達にくるだろう。澤之井の純米特選10本ほか。三万円なにがしを預かる。
　大家にはここでも書いた新刊本をあげたが、「目が見えないからなー」とかいいながら受け取る。ケアのおばさんが読んでくれてるよう。体が効かないより目が見えない、本が読めないというのはきついと思う。最近、つらいつらいとよくこぼすが、まあ無理はない。でもそうしたつらさを耐えるには、ぼくだったら本だろうな、と思うから、しんどいことだと思う。

　その前日、行きつけの雑司ヶ谷の魚屋に出かけ買ってきた、白イカの刺身を、大家おいしがって食べてくれた。といいながら、一緒に買ってきた天然の石鯛は一切れしか食わない。気に食わないとこれです。
　結論。今のうち好きなうまいもんだけ食おう。
　株主総会の今の時期塩漬け株の配当で、いいもん食べよう、と決定。ウナギやすしじゃ済まんぞ、とか言って大家は、そんな高いもの食ったことねー。うーん思い切ってどこかの料亭でも行くかいな。

　雑司ヶ谷に歩きすがら、新目白通りから鶴巻とおりにぶつかる手前の八百屋さんがとうとう店を閉めるようでシャッターが下りてる。見覚えのある白いアンダーシャツ姿のおじさんが、なんとも言えない顔。
　大好きな街角で、タイムスリップしたみたいな思いがする一角がこれで永久になくなる。長い間親しんだスターさんやミュージッシャンがこのところよくなくなる気がするけど、ぼくにとってはこの八百屋も同じようなものだと思う。僕の目の前から消えてしまうんですから。

　昨日飲まなかったのは自衛本能だったのでしょうか。今日はどうやら持ち直してるよう。冷房はかなり弱目か、止めましょう。体に悪い。皆さんもお気を付け下さいね。