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2015年06月23日10:45

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007 神曲 9/

ベニート 何だおめえ、日本人、喧嘩売ってるのか?
ムスタファ (割って入り)この男のペシミズムは持病のリューマチみたいなもんだ、気にしないでくれ。曽根よ、そう卑下したものでもないさ。北京の橋頭堡が崩れれば、ここからカザフまではわずかに一週間で行き来できる。乾隆帝以来の交易圏の復活というわけだ。
曽根 SL王国中国万歳ってとこですね。
ベニート 一週間! それで近いっていうんだからアジアの広さにぁ恐れいるね。まあいいさ、さあ、どうやって潜りこむ? ここから先は無法地帯だろ。
ムスタファ うむ。いちおう調べてはみたがやはり北京経由では何人もティベット入りはできないようだ。広東から上陸しなかったのは正解だよ。そこで、ここはハイホァの土地勘を信用するのが最善だと思う。ハイホァ。
ハイホァ ハイ、説明するわ。最終的に目指すのは約三〇〇〇キロ西によこたわる無人の高原なわけだけど、まず私たちはハルビンまで北上し、東清鉄道のどこかで下車をして、大興安嶺を越えてモンゴル領に抜けることにする。
ベニート 待てよ、北か? 方向が逆じゃねえか。国軍の方へ行かなくて大丈夫なのかい?
ハイホァ 私から見ればあなたたちの偽装はまだまだね。ベニートはもちろん曽根、あなたのみぶりだってまだ到底中国人には見えない。外国人がいてもそう不思議じゃないこっち側の勢力圏に敢えてしばらく踏みとどまるから、その間にものごしから徹底してもらいたいの。了解?
ベニート …明白了(ミンバイラー)。
曽根 その後は?
ハイホァ チョイバルサンからサインシャンド、ハンボグドとゴビ砂漠を大回りしたあと、越えられそうなところからまた南下して国軍の実勢圏に下るわ。おそらく寧夏地方のどこかになるわね。省都蘭州までは黄河に沿ってのぼり、そこからたぶん自動車を調達して真西に向かうことになると思う。
曽根 なるほど、事態に静観を決めこんでいるモンゴルを通るのが何より安全てわけか。
ハイホァ ゴルムドから先、どこかで車を捨てて、冬のティベット高原を歩くことになるはずよ。それまではできるだけ体力を温存していきたいから。
ベニート なるほどな。だがひとつ分からねえことがある。これから少なくともふたつの国境を越えるし、臨検だって何度あるか分からねえだろ。いったい何の名目で通行許可を取ろうてんだい?
曽根 それは俺が説明しよう。(新聞を出し)英語、読めるかい?
ベニート 馬鹿にしてんのか?――ちょっとはな。(読んで)何だ、これ。ロンギスクアマ?
曽根 最近、キルギスで見つかった爬虫類の化石だ。背中に九枚の、何ていうんだろう膜みたいなものがあって、それでこう、空に浮いたらしいんだ。
ベニート 動物が空に? ふん、それで。
曽根 アジアには淡水性の巻き貝がいて、俺たちの方じゃタニシとかカワニナとか呼ぶが、こいつらの原産地はどうもインドだ。
ベニート 何の話だよ。
曽根 ご存じの通りもともとインドは大きな島で、五〇〇〇万年くらい前にアジアにぶつかってこれから行くティベットやヒマラヤが隆起したわけだが、インド原産なはずのそいつらの化石が、陸続きになる前の中国や日本で出てるんだ。どうやって渡ってきたと思う?
ベニート 見えねえな、話が。
曽根 こいつは長年の謎だったんだが、もしかしてその爬虫類が、空を経由してふたつの陸地を行き来したとしたら?
ムスタファ 小さな貝類だ、そいつの体にくっついて、インドから渡ってきたかも知れないと、こういうわけか。
曽根 そうです、ムスタファ。
ベニート それがどうしたんだ。俺はあんまり敬虔な方じゃねえが、空に浮く話は気分悪いぜ、天罰が下らあ。生めよ、殖えよ、地に満ちよ、そうはいったが神さんは、人間に空はくれなかったぜ。
曽根 化石の調査に行く。
ベニート な、なに?
曽根 目的地は旧ワディスタン、ポトワール盆地。俺たちはヒマラヤを越えてティベットの生物相を調べに行く、合同調査団なんだ。――

間。ベニート、やがてククク…と笑いだす。

ベニート こいつぁ傑作だ。いったい俺が大学の教授に見えるかい? 小学校しか出てないんだぜ。漢字なんかおめえ、七を書く時にまず十を書いてから右へ行くのか左へ行くのか、今でも分からねえんだぜ。――気に入った。おい、日本人。あらためてよろしく頼むぜ。俺はカタルニアのベニート、ベニート・モンセラートだ。
曽根 曽根だ。Encantat de conèixer-lo――。
ベニート ほほ、分かるのか! ところでおめえ、軍人らしくねえな? 本当に調査に行くみたいだぜ。
曽根 ある意味では本当に調査に行くのさ。ウラン鉱の正確な位置はインドだけが握ってる。俺たちの進軍はいわば測量隊みたいなもんだ。
ムスタファ そうだ、場合によっては本当に武器を携行せずに、高地に上がることになるかも知れん。ジャマヒリアの本隊と連絡はやがて取れなくなるが、相当の裁量権が俺たちにはある。やれることをやろう、中央アジアの聖地のために。
三人 聖地のために!

四人、手を取りあい、そのまま静止…。と、高みに、イスラム風に正装した恰幅のいい男の姿がモノクロで映写される。ニュース映画だ。やがて映像に重なって、まったく同じ姿の男が立つ。マイクロフォンのノイズ。ファンファーレ。歓声。

フン=ジン ワディスタン共和国一億の人民よ! 本日、神聖なるヒジュラ暦一四一八年のラマダーン第十二日は、我々にとって忘れがたい日付となるだろう! 我々はヒロシマ・ナガサキの二の舞になるわけにはいかない。我が国はこれまで国民生活の向上を国政の第一義として、隣国インドの挑発的な超大国主義に踊らされないよう努力を重ねてきた。ところがこのたびインドは何をしたか。世界中からの警告を無視して核実験を強行し、あろうことか我がワディスタンに航空魚雷の矛先を向けたのだ。これは南アジア地域の軍事バランスを根本から揺るがせる愚挙ではないか。国連は早い時点で速やかにインドを厳しく罰するべきだったが、無能なことに、実際にはほとんど何もしなかった。我々としては防衛のため、やむなく対抗措置としての核実験を行わざるを得なかったのだ。核が恐ろしいものであることは充分承知しているし、潜水艦攻撃で壊滅したふたつの都市をもつ被爆国ニッポンの国民感情も理解できる。また米国による仲介の努力にも感謝を惜しまない。だが既にギルギットとクエッタに照準を合わせた砲弾に悪魔の核弾頭が搭載された今となってはもはや情勢は緊迫しており、我々は自分の力でみずからを守る以外に方法がないのだ。不安なのだ。過去三次にわたる対インド戦を経験した我が国は決してこれ以上の紛争を望むものではないが、災害に対する場合よりもはるかに高い危機感をもって戦災に備えざるを得ないであろう。願わくば友邦中国をはじめとする列強諸国がインドに対して軍事的な圧力をかけるのではなく、穏健な話し合いの場において彼らを懐柔してくれんことを。なぜならワディスタンの軍事力はインドの攻撃を充分撃破防衛しうるものではあっても、彼奴(きゃつ)らを制圧し完全なる勝利を得るほどに強力とはいえないからだ。もっとも理解できないのはインドが恥知らずにも表明している包括的核実験禁止条約への参加について、加盟国側がこれをまともに検討しようとしていることだ。我々の核実験は我が政府自身にとっても手痛いイレギュラーだったのであり、この地域の軍事バランスが安定するならばすぐにでも核を放棄するのが理想なことは明らかなのであり、またその準備もできており、従って当然ながら核保有国としての国際的承認などを求めはしない。このままインドだけが核保有国として認知されてしまうことが来たるべき次世紀の世界をどれだけ脅かすことになるか、国際社会は想像力を働かせるべきである。ワディスタンに対する米国の経済制裁はインドに対するそれの出足が極めて鈍かったのに較べて実に速やかに実行に移されている。これは到底承伏できない不公平ではあるが、ホワイトハウスは共和党に両耳をもがれてしまったらしく聞く耳を持たない。人々よ、全て民草はアッラーのもとに平等である、全国民が生活水準を下げてでもこの困難に耐えねばならぬ。私もまた総理大臣フン=ジンである以前にラダックのいち貧農の小せがれであり、ナンと水と塩だけで誇りを失うことなく耐えてゆくであろう。まず私が首相官邸を出、質素な生活に甘んじることとしよう。そこで、おお、国民よ! 人間としてのプライドと、最低限の生命の安全のために、共に闘い抜こうではないか! これはもはや対インド戦ではない、我々自身の生存のための戦いなのだ!
群衆の声 ジン、ジン、ジン! ジン、ジン、ジン!…

スクリーン、めらめらと燃え落ち、歓声が重機の運転音に重なる。ガシャーン!と衝突音。朝日、差しこむ。うとうとしていた不二男、驚いて目を覚ます。膝から例のノートが落ちた。内線、けたたましく鳴る。

不二男 (取って)あ、すいません。うわ。(電話口で怒鳴っているらしい)――え、寝てたのか? いえそんなことは。いやあちょっとまだ運転、下手なもんで。え、煙(ケム)、噴いてんじゃないかって?(ひとり)やべ、ほんとだ。――はあ、わ、分かってますって。すぐ入れます、じゃ。

切る。ゴンゴン、と、起重機(ホイスト)の唸り。大急ぎで操作する。

不二男 (が、呆然と)すっかり朝だ…。投棄されたまま焼かれるでもなく埋められるでもなくぬるく腐れていく汚穢の山から煙が立ちのぼる。露天にさらされたゴミらは発酵しひとりでに発火し、ぶすぶすと苦しい呼吸を始めた。スモーキーマウンテン、この窓が切りとった景色は、まるで震災に打ちのめされた都市の遠景を見ているようだ。二キロの彼方、「さんとりーに」「くらかたう」「きらうぇあ」三つの区画にそれぞれつがいで立ちあがった朝もやの中のマメンチサウルス。チョゴリ・カイラス・カンチェンジュンガ――、地殻の軋みが押し上げた最古の山々によってアジアの気温が下がりだした頃、滅びの彗星ネメシスを虚心に迎えた白亜紀末の巨大生物のシルエット。

電話、鳴る。

不二男 (取って)はい。今、ええ、入れてます。急げって? はい、でもこれ以上速く動かないっすよ、機械ですから。ええ、やってますから大丈夫です。(切る)――つかみ上げてみりゃ、そうだ、五メートル上げようが十メートル上げようが伸びきって千切れない天然ゴムみたいな腐敗物のテープで、ホイストクラブとゴミピットとはべったりと繋げられているんだ。ダブルバインド、トリプルバインド、いやもっと! シュウシュウと音たてて蒸気は吹き、二重ガラス越しの操作室まで強烈な臭いは届く。視界すら次第に覚束ない。ああ、ドンのいった通り、ここは抽象の地獄だ、具象の詩情が転換するのだ。俺らもティッポリたちも、このすり鉢の底でもがきながら生きていく。蟻地獄に落ちこんだ資本主義の末路…。

電話、鳴る。

不二男 (取って)え、煙が止まらない? 分かってますよ、急ぎますから! 電話ばっかりしてたら運転できないでしょうがッ。(切る。が、すぐ呆然と)そりゃ、止まらないはずだよ…。ここへ来て見てくださいよ、燃えあがって、黒煙が充満してますよ…。ホッパーが火を噴いてます、そりゃバッチ炉ですからね、密閉も悪いんだし、もともと高カロリーを想定してないじゃないですか、低燃じゃ炉は傷まないけど代わりにガスが悪いなんてこと、誰も考えなかった頃に建てた炉なんでしょ? 文明ってやつは身動きが取れなくなったときにはばかばかしくも巨大なでくの坊に変わるんだ。(咽せて)くそ、煙がひどい…、(スイッチ類、ガチャガチャやるが)駄目だ、動かない。ゲートが熱で反っちまって閉まらないんだ。(場内マイクに)おおいプラットホーム、一号三号四号から火が出てるんだ。周りに引火したらコトだからさあ、ブルで押しこめないかなあ。頼むよ! キラウェア火山、ハワイ島マウナロア山にある溶岩口、現在も粘性の低い溶岩を大量に放出し続けている世界でもっとも有名な活火山。サントリーニ火山、紀元前一四〇〇年、バルカン半島沖で文明史上最大の噴火を起こして地中海に沈んだ幻のアクロティリ、その爆発の様子は一〇〇〇キロ離れたエジプトからも目撃され、旧約聖書に昼の噴煙、夜の火柱として記録されている。

不二男、突然、ゆっくり歌う。(音楽、カンツォーネ "Funiculì Funiculà")

♪Aissera, Nanninè, me ne sagliette
 tu saie addò? Tu saie addò?
 Addò sto core 'ngrato chiù dispiette
 farme non pò, farme non pò
 Addò llo fuoco coce, ma si fuje
 te lassa stà, te lassa stà
 E non te corre appriesso, non te struje
 sulo a guardà, sulo a guardà
 Jammo, jammo 'ncoppa, jammo jà
 jammo, jammo 'ncopa, jammo ià
 funiculì funiculà finiculì funiculà
 Ncoppa jammo jà, funiculì funiculà

不二男 暖房の利いた気楽な労働環境で夜勤が何の偉業だろう。ここはまるでサンルームだ、まるで以前から狂っていたかのように、下界がちゃちなジオラマみたいに見えている。ああ俺は、世界から浮いた。この夢を抑えて抑えて、肉体がこれ以上こぼれ落ちていかないように、倦怠に耐えている刹那、フニクリフニクラ、口をついて出る。体内に目覚めた、まるでもう一頭の龍とでもいわんばかりに。うるせえなっ!

またしても電話。勢いよく不二男、取る。

不二男 はいはーい! だからこちら、ガオリン室だって!
声 ねーえ、お暇じゃなーあい?

と…、夢のように舞台は静まり、花道から登場する、肌黒き若きイワシの一団。けばけばしいウォーターベッドを担ぎ、海パンにビーサンにつんつるてんのタキシードまとう。その不穏な船に仰臥するは、水玉ワンピースの水着をムチムチに召したおっとりマダム。巨大な受話器をかかげて話す、が、惜しくもそれは、シャワーの蛇口だ。さあ、歌い踊り傍若無人なナンバーが展開される。「雑食ソング」。少々、長い。(音楽 France Gall "Sacré Charlemagne")

♪嫌いさピリ辛
 あんふぁん・てりぶる アメリカン
 嫌いさピリ辛
 あんふぁん・てりぶる ビリっけつ
 清掃 さてシャンとやっか
 さてシャンとね!
 ドブネズミに怒鳴られ
 クリリンと下敷き
 ドブネズミに怒鳴られ
 クリリンとトンズラ
 清掃 さてチャンとやっか
 さてチャンとね!
 好き好きバラバ
 あんどんクラゲ
 犬座も空で
 盆ゴメ盆ゴマ盆オドリ!
 気合いさビリから 安心すんなよグリコ
 気合いさビリから 安心すんなってばよ
 清掃 さてションからやっか
 さてって何だションベンか? 
 パーティしましょ
 役に立つ方がいい?
 留守さ狙え
 ちっと待て待て
 クドゥン ウドゥン
 可愛い? 可愛い!
 さてさてさてさて酒ちょろまかせ!
 色気でコマせ 労働者はちょろい
 色気でガメろ 労働者を狙え
 おお 酒ちょろまかせ
 酒ちょろまかせえ!
 おうどんに そば湯に
 アフリカンで クラシック
 おうどんに そばがき
 あべまきに 洋菓子
 おお ソテーしゃんと焼け
 ソテーちゃんとね!
 いいじゃねえかそんくらい
 バター焼きでシャーワセ
 夜露がサミシイ
 ダディ参加で 注文食らわせ! 
 いぼタコ 運べ いかりのガーリック
 いぼタコ 運べ いかれたドリンク
 おお 最低線はいった 最低線はね!
 パーティ失敗か? パーティ失敗よ!
 役に立つ方がいい?
 役に立つ方がいい!
 ルソン島で干せ ルソン島で干そう!
 ちょっと待て待て そりゃ極端だ!
 グドゥン ブドゥン
 トラバーユ トラヴィー
 去って去って去って去って
 去ってちゃんちゃんちゃん!
 ガソリンの残り 飲料水に混ぜて
 ガソリンの残り 飲料水に混ぜて
 おお 酒ちょろまかせ
 おお 酒ちょろまかせ
 おお 酒ちょろまかせ
 おお 酒ちょろまかせ
 …

えんえんと踊りだけが続く。歌は終わったらしい。

不二男 ――長いよ。
マダム そうかひら?
不二男 もしもーし。あんた誰?
マダム あらあ不二男ちゃん、おーひーさーしーぶーりっ。ちゅっ。(シャワーからシューと水、かぶる)
イワシ連 おお、モーレツ!
不二男 どちら様すか。
マダム だからお久しってぇ!(シュー)
イワシ連 また、おお!
不二男 たぶん初対面、いや、会ってないから非対面っす。つーか会うことに、何となくヤバイものを感じるんですが。
マダム 非対称面つー感じかーえ?
不二男 何でもいいからはっきりしてください、これがつまりいたずら電話なのか、はたまたどこかしらいわれのある…
マダム はっきりいえっ。
不二男 何の用です。
マダム まじめいたずら、どっちもよ。
不二男 どっちも!
マダム じゃー訊きましょー。問一、まじめな内容をいたずら半分に話すのと、えかげんな話をしかめっ面で話すのと、どっちがあるいはまじめで、または、ないのか?
不二男 はい? もう一回いって。
マダム いわんいわん、イワンばかんのレフ=トルストイ。あ、呆れてるわね。そのごとくよ。そぉのぉごとォく、私ァつまりァ、非まじめなのさああっ、うがあーっ。(と、しばしハチャメチャになり)
イワシ連 はいし、どうどう、どんぶらどっこい!
マダム (なおも)非ぃー、まぁー、じぃー…、
不二男 分かった分かった、で、それ(落ちついて)生まれつき?
マダム えっ、ドキッ、なな何ですって。
不二男 (口笛、Billy Joel "The Stranger"の)
マダム 急にオソロシク鋭いとこ突くのね。答えなきゃダメかしらあん?
不二男 (事務的に)別にいいですが、だめです。
マダム …またドキッ。何ていーい男。
不二男 (淡々と)話、そらしたでしょう。
マダム …は、ドキドキドキ! あんた、ただ者じゃないのね。
不二男 切りますよ。仕事あるんで。
マダム このヤボテン! いーいじゃないのサちょっと位。
イワシ連 サ、ちょっと位!
不二男 用、あるんですか? それともあるんですか?
マダム (うっかり)どっちもよ…あら。もう呼吸のみ込んだのね。いったい何者?
不二男 ただのただ者です。そしてあんたは?
マダム あんたの夢に、見られた女。
不二男 そうくるか。あんたなんか見たこたねえよ。そんじゃ。
マダム 正体知りたい?
不二男 ジャンボ餃子か。

マダム、イワシども、一度にずっこけ客席に迷惑かける。

イワシ連 図星だぁ!
マダム じゃかましゃあっ、ちゃんと担いどけ、イワシども!(と、あわれな苦力に水かけまくる)
イワシ連 俺たちって三枚目!
マダム ギョージャはねえ、ちょっと似てるけど、チョト違いマース。
不二男 やってらんねえよ。

切る。マダム、急におどろおどろしくマクベス夫人で「まだキムチの匂いがする、アラビア産の香料をみんな振りかけても、この手のニンニク臭さは抜けない…」と呟きかけたかと思うとそれはフェイントで突然またピポパ!と叫びボタン押すと今度こそシャワー、堰を切ったようにドドドと噴きでる。







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