ヒバリが鳴く――。和戸駅前。マキ (深く辞儀して)この度は、申し訳ありませんでした…!蓮沼 いやいや、なんのなんの。頭あげて下せえ。マキ いえ。本当にご迷惑をおかけしまして。蓮沼 利根道のかたからも、ご丁寧な詫びさあいただきますたんでもう気に
姥ヶ谷落とし ――これは戯曲連載「風土と存在」第四十九番目の試みである 時 初夏 所 東武伊勢崎線和戸駅東、備前堀川 人 差鍋マキ おみなえし 蓮沼(身代台団地自治会長) 高麗川誠(利根道教祖) 川音――。蓮沼 差
3.猫実川海神社裏方 どうもありがとうございました。ええと役者紹介をしたいんですが、(外見て)まだちょっと時間かかりますので、なんかしゃべれと言われまして、えー、どうしよう。告知とか。いいですか。ありがとうございます。えーとこのお芝居と関係
智恵 意志なきもののごとくに。ひな え。智恵 伝えようとせずに語るのさ。ひな 伝えようとしなくて伝わりますか。智恵 そりゃ文章には意味があるから。ひな まあね。智恵 あんたにまで言いたいことあったら文章の意味が濁るだろ。ひな ちゃんと解釈すればいい
孤立が丘 これは戯曲連作「風土と存在」第四十七番目の試みである 時 二〇一七年三月 所 府中是政 人 ひな 智恵 裏方 0.古東京川 遠く遠く海へとくだる古き川のほとりを歩き 果ての谷にたどり着くころ深海鮫は未来を