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2015年06月22日23:20
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翻案 堕ちよ生きよ、地に充ちよ 4/
神田 私はさるかに合戦的な民話が元だと思うわ。すんげぇ美味い栗の木があって、みんなその栗を食べたい訳。だけど、栗の木は一本。だから取り合いになるの。そりゃあもう酷い取り合いよ？ 最初はちょっとした喧嘩が、村人同士の戦いになり、村同士の戦いになったの。んで、神様は思った訳よ。「しょーがねぇなぁ。うんじゃあ栗の木四つに分けてやらぁ」って。んで、ゴロゴロゴロー・ピシャーン！ バリバリバリー！ 栗の木四つに。安泰安泰、お終いお終い。
藤木 でも四つに増えるなら兎角、四つに分かれたんじゃ、一つの村の取り分が少なくなって、余計争いに発展しないかい？
神田 そんなモンは我慢よ。
天野（志賀）が来る。
天野 やぁ、二人共。
二人 天野君！！！
天野 ゲロンパ！
二人 ゲロンパ！
天野 いゃあ、よく分かったね！
藤木 天野君、何で、ここに？
天野 僕うっかり集合場所云うの忘れちゃって、でも良かった。やっぱ仲間って凄いねぇ。云わなくても分かるもんなんだねぇ。
藤木 って事は、集合場所って、
天野 まさしく！ ここ！ 石岡駅だよ。
藤木 えー。
神田 …あ、あっはっはっはっ、当たり前田のクラッカーよ！！！ 分かるに決まってんじゃない！ あっはっはっはっはっはっはー！
藤木 …そうだに。凄いに。
天野 広末さんは？
神田 生憎インフルエンザよ。
天野 そりゃあ可哀想だねぇ。そう云えば、インフルエンザの予防接種って、かなりお値段高いよね、
神田 平均３５００円位するわよね。
天野 武井さんが云ってたけど、あの注射、原価５００円位だってよ。
神田 なぁんですってぇ！！？？ 医者、ガッポガッポじゃないっ！！ ちょっと藤木！！ アンタ、ドラッグ屋の社長の息子でしょう？ 何とかしなさいよっ！！！
藤木 それは僕んちの守備範囲外だよ。
神田 で、今日集まったのは何だったの？
天野 うん。「村の宝」に出るんだよ。
神田 ああ、分かったわ。
藤木 えっ？ ちょっと待ってくれよ。何だい、何なんだいソレ？
天野 演劇だよ。
藤木 うん。
神田 舞台よ。
藤木 うん。
二人 芝居（だ）よ。
藤木 それは分かった。けど、何故(なにゆえ)僕等が？
天野 これから小美玉文化センターで本番なんだよ。
神田 ふむふむ。
藤木 えっ？
天野 後半なんだよ。これから。
神田 うむ。
藤木 何々？ 何の？ 何が？ 何の後半なの？
神田 オメーは本当、分っかんねぇ奴だなぁ。
藤木 だってだってだってだって。
天野 これから後半が始まるんだよ。
神田 「村の宝」のね。
藤木 えっ、でも勅礼辜(テレコ)は？
神田 アンタ見付けて一体何願うってぇの？ 十分金持ちじゃない！
藤木 えぇーっ。金ー？
神田 まぁいいのよ、こんな時は、踊っときゃ。
天野 うむ。そうだね。それが一番いい。
神田 じゃあ天野君、音楽お願いね。
天野 ラジャー。（去る）
藤木 いいのかい？ 本当に、このままで、
神田 いいのよ！ それが井上よっ！
天野 神田さーん？ 準備オッケイだよー。
神田 ミュージック！ スタート！【Ｍ】
ダンス！
ダンス後半に、「村」のメンバー、うぞうぞと這いだしてきて、参加。
第三場 半人半魚の神々として
れき しかし、村の人達(ひとだち)は、かうして、急にお爺さんとお婆さんとの暮(くら)し向(むき)が楽になつたのを、いつまで気が付かずにはゐませんでした。村の人達(ひとだち)は、みんな、「ありやアきつとお金でも拾つたんぢやアあるまいか。」と考へました。
ソドムのシーン。【超暗いボサノヴァのＭ】【照明＊真っ暗に近い、ごく暗い赤。懐中電灯の青い光（役者がやる）がひとりひとりを照らして歩く】。カネを数えてはへらへら笑う亡者たち。語り。武井たちはダンスの決めポーズのまま、阿修羅と化している…。【照明＊中央のこの３人だけ、ややほのかに見える】
関根 「まことにあなたは正しい者を、悪い者と一緒に滅ぼされるのですか。たとい、あの町に五十人の正しい者があっても、あなたはなお、その所を滅ぼし、その中にいる五十人の正しい者のためにこれをゆるされないのですか。正しい者と悪い者とを同じようにすることも、あなたは決してなさらないでしょう。全地をさばく者は公義を行うべきではありませんか」
武井 「わたしはちり灰に過ぎませんが、あえてわが主に申します。もし五十人の正しい者のうち五人欠けたなら、その五人欠けたために町を全く滅ぼされますか」
志賀 「もしそこに四十人いたら」
関根 「わが主よ、どうかお怒りにならぬよう。わたしは申します。もしそこに三十人いたら」
武井 「いまわたしはあえてわが主に申します。もしそこに二十人いたら」
志賀 「わが主よ、どうかお怒りにならぬよう。わたしはいま一度申します。もしそこに十人いたら」
三人 「わたしはその十人のために滅ぼさないであろう」――
シーン、元に戻る。【照明＊ふつうに戻る】
愛ちゃん しかし、よく注意(ちうい)して二人の様子(やうす)を見るのに、別段お金を使ふ様子(やうす)もありませんでした。そこで、不思議に思つて、村の人達(ひとだち)は、或日(あるひ)そつと丘(をか)の上(うへ)へ忍んで行つて、お爺さんの家(いへ)の中を覗いて見ました（ガン見）。すると、お爺さんとお婆さんとは、今しも徳利を手の平に載(の)せて、ぶつくと何か口の中で言ひながらうやくしく二三度その徳利を振つてゐるところでした。見ると、その一ふりづゝに、いろんな御馳走(ごちそう)が山のやうに、二人の目の前(まへ)へ並びました。これを見てゐた村の人達(ひとだち)は、驚くまいことか、
村人 「や、金団(きんとん)がでた。」
村人 「や、お刺身(さしみ)が出た。」
村人 「や、○○が出た。」（いろいろバラバラ）
全員 「や、よだれが出た…！」
愛ちゃん と口々に言ひながら、目を丸くして羨(うらやま)しさうに覗(のぞ)いてゐました。そのうちに、誰(だれ)か、
たかちゃん （革命家風に）「かうしていつまで見てゐても為方(しかた)がない。このことを一つ村の衆(しゆう)に知らせようぢやアないか。」
陽ちゃん と言ひました。そこでみんなは、
全員 「おお、それがいゝく」
陽ちゃん というので、急いで丘を駈けおりました。
勇ましく去る。【軍学太鼓】――が、すぐ戻ってきて卑劣な密告。
陽ちゃん そして早速今自分達の見て来たことをみんなに触(ふ)れ廻(まわ)りました。すると、村の人達は、いづれ劣らぬ慾張(よくばり)揃いですから、
全員 （口々に、かつバラバラに悪だくみ的に）「それはいゝものを見て来た。早速、これからお爺さんのところへ行つて、なんとか騙(だま)して、その不思議な徳利を貰(もら)つて来ようぢやアないか。そして村全体のものにしようぢやアないか。さうすれば、忽(たちま)ちこの村全体が大したお金持になれる。もうみんなあしたから汗水たらして働(はたら)くには及(およ)ばないぜ。あーっはっはっはっはっはっは」
全員 （ユニゾン）「もうみんなあしたから汗水たらして働(はたら)くには及(およ)ばないぜ。」
陽ちゃん かう言つて、村中の人が、ゾロく長者(ちやうじや)の跡(あと)について、丘の上のお爺さんの内(うち)へやつて来ました。
愛ちゃん （みんなを従え、正座）「時にお爺さん。」
全員 （次々に）「時にお爺さん。」（四角く正座してるが、後ろの方に阿修羅もいる）
陽ちゃん と長者が皆に代つて口を切りました。
愛ちゃん 「近頃(ちかごろ)珍らしい徳利を手に入れなすつたさうだが、それを一つ、お爺さん一人の宝物(たからもの)にしないで、村全体の宝物にしてくれるわけには行くまいか。」
村人たち （その手話）
陽ちゃん と言ひ出しました。するとお爺さんは、根が正直(しやうじき)な、ごくく人のいゝ人だものですから
れき 「えゝく、ようございますとも。この徳利で、私ばかりいい目を見ては罰(ばち)が当ります。村の宝物にして、村全体の人がよくなれば、それに越したことはありません。」
陽ちゃん と言つて、すぐ承知(しようち)をしました。そしてその場で、徳利を長者の手に渡しました。
が、なかなか渡さない。受けとった途端に長者をつらぬく電撃！ 村人たちも次々感電し、超・躁状態でどたばたしながら、めいめい楽器を掴んで吹き鳴らし狂いまわる！ 全員によるひとしきりの打楽器演奏の渦。一巡したのち楽器類を放りだすと、全員で徳利をみこしにして担ぎあげた。【雅楽っぽいパレード】
あかね 長者をはじめ村の人達は、それはく大喜びで、ニコく笑ひながら、「この村は、けふから、屋根瓦(やねがわら)まで金になる。」とてんぐに囃(はやし)し立てながら、村の広場までやって来ました。そして早速、そこへ高い桟敷(さじき)を拵(こしら)へました。「村の宝」の粗末な徳利は、紫(むらさき)の布団(ふとん)の上へ恭々(うやうや)しく安置(あんち)されました（安置された。全員、土人的にあがめる）。いよくこれから宝の振り初(ぞ)めの式が始まるといふ騒(さわ)ぎです。まづ鎮守(ちんじゆ)の神主(かんぬし)が、装束(しやうぞく)を着て烏帽子(ゑぼし)を被(かぶ)つて、声高(こゑたか)らかにしかつめらしく祝詞(のりと)を読みあげました。
注・神主と長者は、ナレーション担当がその場で決めるので、当たった役者が好き勝手にやる。
神主 なんみゅーほれんねーぎょかじゃなかじゃあたまええ（とかなんとか）
あかね それが済むと、羽織袴(はおりはかま)に身を堅(かた)めた長者(ちやうじや)が、しづくと桟敷(さじき)へ上(あが)つて行(ゆ)きました。そして徳利の前に座つて、大きく柏手(かしわで)をポンくと三度鳴らしました。（ここらへんも役者にまかせた）それから恭々しく四五寸膝(ひざ)でゐざり寄(よ)つて、有(あ)り難(がた)さうに徳利を手に取り上げました。やがて長者は、あるだけの声を振(ふ)り絞(しぼ)つて、
神主の人 「金(かね)が出ろ。」（超、振る）
あかね と言ひながら、徳利を頭よりも高く差し上げた儘(まま)、二三度大きく振りました。【楽師の演奏、ここから本格化。以後、音楽はすべて即興！】桟敷の下にひしと寄(よ)り集(あつま)つた村の人達は、息を呑(の)んで、目を皿のやうに大きく見張(みは)つてをりました。
村人、いつか飢えた犬のようになっている。寄り目。ベロ出しっぱなし。
あかね しかし、徳利の中からは、お金は愚(おろ)か、何一つ出ては来ませんでした。長者は、気を苛(いら)つて、
神主の人 「今度こそきつと出ろ。」
犬たち （はげしく昂奮）
あかね と言ひながら、前よりも一層(いつそう)強(きつ)く振つて見ました。しかし、いくら振つても、何にも出て来ませんでした。村の人達は（犬のままで）、長者を押しのけて、入れ替(かは)り立ち替(かは)り、桟敷へ上(あが)つてきては徳利を振つて見ました。
犬たち （とっくりをもみくちゃにする）
あかね しかし、誰が振つても同じことでした。
村人たち （ダダこねながら仲間割れ。かなり熾烈な仲間割れ）
あかね そのうちに、あんまり呶鳴(どな)り散(ちら)したので、皆はひどく口亢が乾いて来ました。それで、誰いふとなく、
全員 （思い思いに）「あゝ、水が欲しいなア。あゝ、水が欲しいなア。あゝ、水が欲しいなア。あゝ、水が欲しいなア。あゝ、水が欲しいなア。」
あかね という声が聞(きこ)ゑました。すると、どうでせう、【照明＊変わる。以下幕切れまで、ひとつながりの祝祭空間】今まで何一つ出なかつた徳利の口から、
れき 「ざあ」（ではなく、なんか変なこと言う）
あかね といふ音と一しよに、見るから旨さうな水がこんくと流れ出ました。
全員 「ソラ、出た」
あかね と言ひながら、みんなは争(あらそ)つて、その水を飲みました。（みんな呑みまくる）ところが（オエ…）、見てゐる間に、徳利の口から吹き上げる水の嵩(かさ)は、驚くほどの勢いで、ずんくずんく増して行きました。（もう腹いっぱいだが、餓鬼のように呑み続けてしまう）そして瞬(またた)くうちに、そこら一面すつかり洪水(こうずゐ)のやうに押し拡(ひろ)まつてしまひました（ついに吐く。むっちゃ吐く。吐きながら踊り暴れる）。村の人達は、どうすることも出来ないで、みんなたゞ、飽気(あつけ)に取られて見てゐるばかりでした（だんだんみんなポカンと口を開けてヒレで泳ぎだす。やがて全員、客席にまで混じってゆく。うおお、うおおお、と、言葉にならぬ思い）。そのうちに、水の勢(いきお)いはますく劇(はげ)しくなつて、しまひには、ゴウくとすさまじい音を立てゝ村一ぱいに溢(あふ)れ出しました。そして一晩のうちに、村はすつかり湖水(こすゐ)になつてしまひました。村の人達は、一人も逃げることが出来ないで、みんな湖の魚(うを)になつてしまひました。（――舞台、空虚に）
この長ゼリに重ねて、ナレーションが叙事（デウス・エクス・マキナ）を語っている…。
Ａ （ロト）「わが主よ、どうぞしもべの家に立寄って足を洗い、お泊まりください」。（町の人々）「今夜おまえの所に来た人はどこにいるか。それをここに出しなさい」。（ロト）「兄弟たちよ、どうか悪い事はしないでください。わたしの屋根の下にはいったこの人に、何もしないでください」。（人々）「退(しりぞ)け。われわれは彼に加えるよりも、おまえに多くの害を加えよう」――主は硫黄と火とを主のところすなわち天からソドムとゴモラの上に降らせて、これらの町と、すべての低地と、その町々のすべての住民と、その地にはえている物を、ことごとく滅ぼされた。アブラハムは朝早く起き、さきに主の前に立った所に行って、ソドムとゴモラの方、および低地の全面をながめると、その地の煙が、かまどの煙のように立ちのぼっていた。――
Ｂ 私は農業が好きでラブミー牧場をやったりしたが、また、農家の生活が好きでもあった。そうして、私の農家生活は８カ年もつづいたのだった。太平洋戦争中、農家へ買い出しに行った人たちは「農家の商法」の凄まじさに遭遇しただろう。武士は威張り屋で、商人は利に走る。農家は利益を追うけれども無鉄砲的なところがあって、それが特徴なのだろう。盲滅法的なふてぶてしさは見事というか、スバラシイちから強さだと思う。生きるための知恵ではなく慾のための知恵なのだ。素晴らしい光景だと思う。私はこんな底力のある無鉄砲なエゴイズム――かくさないエゴイズム、すぐに見破られてしまうエゴイズムこそ素晴らしいではないかと思う。――
Ｃ 「あれは？」と田所博士はいった。「あの長い、溝のようなものは？」「わかりません――」幸長助教授は首をふった。「生物の這った跡じゃありませんか？」「深海底にあんなでかいナメクジがいるかね？ 幅数メートルあるぞ」――今、その奇妙な島は、また海中にあった。――「わだつみ」は、海底から短い係留索をひいて、動かぬ気球のように、ふわりと宙に浮いていた。一本の鎖の上に、身じろぎもせずに載っていた。中空に立ちのぼらせたロープの上で、座禅を組んでいるヨガの行者のように…。「田所先生…」若い片岡が、たまりかねたようにかすれた声でいった。「それでどうなるんです？――日本列島付近の地下でマントル対流相に急激な変動が起こって…それでいったいどうなるんですか？」「最悪の場合…」田所博士は、ごくりと唾をのみこんだ。「…最悪の場合――日本列島の大部分は、海面下に沈む…」――
あかね ――村の人達は、一人も逃げることが出来ないで、みんな湖の魚(うを)になつてしまひました。――
この時までに、役者は全員、観客席に下りている。歌！
挿入歌４．『羊と葡萄』（ピアノ伴奏）
全員 ♪いつか 羊のように大地おおい
ひとの糧となる 無名の群れに
いつか 葡萄のように大地おおい
恋を醸しだす ルビーの酒に
すべての愚かさと すべての醜さ
すべての憎しみを ありとある別れを
ただじっと 見てる僕
君の愛はしりぞけ
ただじっと 見ているものになりたい
全員、片手を空に差しあげ、客席に沈み込んでゆく。そしてゆっくりと――
完全溶暗
終幕 ここはマコンド
舞台挨拶などのあと。
尺八が鳴り、民謡「まこんど節」…。
あかね ♪霜うすくおち冬はつとめて
炭火かおるよ苫屋のねぐら
ここは関東茨城平野 ハア
すすき枯れ立ちマミ走る
はぁおんめえすっだらごじゃっぺぱっかしゆってたひにゃあよういじゃねえどひぇくれっちゃうがらなんぼうなんでぃもいしけえこだぁもうゆわねえこっだ
沼は入り組み寒ぶな沈みゃ
遠い木枯らし筑波の峰よ
ここは関東地獄の横町 ハア
春の訪れ億千年
はぁそんでもんまかねえことさぁあっだらおれとごさけぇってままでもくうがいっぺえにへえじゃようごともなかっぺだんごあっがらいまっとけ、なあ
茅の刈り株切り口くずれ
ようよ顔だす緑のやいば
ここは関東荒れ地の国よ ハア
生きて倒れて苦笑い
はぁなんだーかんだでもどっだけっどよみやげぁいわすのいつやぼすおめそれほどげさんにおそないしとげどばあちゃんちっちゃぐなっだなやぁ
そのまま緞帳あがりっ放しで流れ解散。バラシなど始まり――
つづく
上演記録
村の宝／二〇〇八年七月二六日／宮代町進修館四季の丘／八月三日／宮代町郷土資料館旧加藤家住宅／十一月三日／茨城県小美玉市小川文化センター大ホール／原作・島村盛助、志賀未奈子／構成演出・高野竜、志賀未奈子／出演・れき、ゆうな（宮代）りこ、ヒナコ（宮代）、金城愛、�錨珍鑒�、松本萌、たかはしみほ、長山英之（宮代）林陽一、紫竹あかね、武井りえ、志賀未奈子、関根李沙、高野竜、石崎智香子／音楽・酒井康志、塚越隆一、紫竹芳之／照明・斉藤正雄／協力・プロジェクト麗舞
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藤木 でも四つに増えるなら兎角、四つに分かれたんじゃ、一つの村の取り分が少なくなって、余計争いに発展しないかい？
神田 そんなモンは我慢よ。
天野（志賀）が来る。
天野 やぁ、二人共。
二人 天野君！！！
天野 ゲロンパ！
二人 ゲロンパ！
天野 いゃあ、よく分かったね！
藤木 天野君、何で、ここに？
天野 僕うっかり集合場所云うの忘れちゃって、でも良かった。やっぱ仲間って凄いねぇ。云わなくても分かるもんなんだねぇ。
藤木 って事は、集合場所って、
天野 まさしく！ ここ！ 石岡駅だよ。
藤木 えー。
神田 …あ、あっはっはっはっ、当たり前田のクラッカーよ！！！ 分かるに決まってんじゃない！ あっはっはっはっはっはっはー！
藤木 …そうだに。凄いに。
天野 広末さんは？
神田 生憎インフルエンザよ。
天野 そりゃあ可哀想だねぇ。そう云えば、インフルエンザの予防接種って、かなりお値段高いよね、
神田 平均３５００円位するわよね。
天野 武井さんが云ってたけど、あの注射、原価５００円位だってよ。
神田 なぁんですってぇ！！？？ 医者、ガッポガッポじゃないっ！！ ちょっと藤木！！ アンタ、ドラッグ屋の社長の息子でしょう？ 何とかしなさいよっ！！！
藤木 それは僕んちの守備範囲外だよ。
神田 で、今日集まったのは何だったの？
天野 うん。「村の宝」に出るんだよ。
神田 ああ、分かったわ。
藤木 えっ？ ちょっと待ってくれよ。何だい、何なんだいソレ？
天野 演劇だよ。
藤木 うん。
神田 舞台よ。
藤木 うん。
二人 芝居（だ）よ。
藤木 それは分かった。けど、何故(なにゆえ)僕等が？
天野 これから小美玉文化センターで本番なんだよ。
神田 ふむふむ。
藤木 えっ？
天野 後半なんだよ。これから。
神田 うむ。
藤木 何々？ 何の？ 何が？ 何の後半なの？
神田 オメーは本当、分っかんねぇ奴だなぁ。
藤木 だってだってだってだって。
天野 これから後半が始まるんだよ。
神田 「村の宝」のね。
藤木 えっ、でも勅礼辜(テレコ)は？
神田 アンタ見付けて一体何願うってぇの？ 十分金持ちじゃない！
藤木 えぇーっ。金ー？
神田 まぁいいのよ、こんな時は、踊っときゃ。
天野 うむ。そうだね。それが一番いい。
神田 じゃあ天野君、音楽お願いね。
天野 ラジャー。（去る）
藤木 いいのかい？ 本当に、このままで、
神田 いいのよ！ それが井上よっ！
天野 神田さーん？ 準備オッケイだよー。
神田 ミュージック！ スタート！【Ｍ】
ダンス！
ダンス後半に、「村」のメンバー、うぞうぞと這いだしてきて、参加。
第三場 半人半魚の神々として
れき しかし、村の人達(ひとだち)は、かうして、急にお爺さんとお婆さんとの暮(くら)し向(むき)が楽になつたのを、いつまで気が付かずにはゐませんでした。村の人達(ひとだち)は、みんな、「ありやアきつとお金でも拾つたんぢやアあるまいか。」と考へました。
ソドムのシーン。【超暗いボサノヴァのＭ】【照明＊真っ暗に近い、ごく暗い赤。懐中電灯の青い光（役者がやる）がひとりひとりを照らして歩く】。カネを数えてはへらへら笑う亡者たち。語り。武井たちはダンスの決めポーズのまま、阿修羅と化している…。【照明＊中央のこの３人だけ、ややほのかに見える】
関根 「まことにあなたは正しい者を、悪い者と一緒に滅ぼされるのですか。たとい、あの町に五十人の正しい者があっても、あなたはなお、その所を滅ぼし、その中にいる五十人の正しい者のためにこれをゆるされないのですか。正しい者と悪い者とを同じようにすることも、あなたは決してなさらないでしょう。全地をさばく者は公義を行うべきではありませんか」
武井 「わたしはちり灰に過ぎませんが、あえてわが主に申します。もし五十人の正しい者のうち五人欠けたなら、その五人欠けたために町を全く滅ぼされますか」
志賀 「もしそこに四十人いたら」
関根 「わが主よ、どうかお怒りにならぬよう。わたしは申します。もしそこに三十人いたら」
武井 「いまわたしはあえてわが主に申します。もしそこに二十人いたら」
志賀 「わが主よ、どうかお怒りにならぬよう。わたしはいま一度申します。もしそこに十人いたら」
三人 「わたしはその十人のために滅ぼさないであろう」――
シーン、元に戻る。【照明＊ふつうに戻る】
愛ちゃん しかし、よく注意(ちうい)して二人の様子(やうす)を見るのに、別段お金を使ふ様子(やうす)もありませんでした。そこで、不思議に思つて、村の人達(ひとだち)は、或日(あるひ)そつと丘(をか)の上(うへ)へ忍んで行つて、お爺さんの家(いへ)の中を覗いて見ました（ガン見）。すると、お爺さんとお婆さんとは、今しも徳利を手の平に載(の)せて、ぶつくと何か口の中で言ひながらうやくしく二三度その徳利を振つてゐるところでした。見ると、その一ふりづゝに、いろんな御馳走(ごちそう)が山のやうに、二人の目の前(まへ)へ並びました。これを見てゐた村の人達(ひとだち)は、驚くまいことか、
村人 「や、金団(きんとん)がでた。」
村人 「や、お刺身(さしみ)が出た。」
村人 「や、○○が出た。」（いろいろバラバラ）
全員 「や、よだれが出た…！」
愛ちゃん と口々に言ひながら、目を丸くして羨(うらやま)しさうに覗(のぞ)いてゐました。そのうちに、誰(だれ)か、
たかちゃん （革命家風に）「かうしていつまで見てゐても為方(しかた)がない。このことを一つ村の衆(しゆう)に知らせようぢやアないか。」
陽ちゃん と言ひました。そこでみんなは、
全員 「おお、それがいゝく」
陽ちゃん というので、急いで丘を駈けおりました。
勇ましく去る。【軍学太鼓】――が、すぐ戻ってきて卑劣な密告。
陽ちゃん そして早速今自分達の見て来たことをみんなに触(ふ)れ廻(まわ)りました。すると、村の人達は、いづれ劣らぬ慾張(よくばり)揃いですから、
全員 （口々に、かつバラバラに悪だくみ的に）「それはいゝものを見て来た。早速、これからお爺さんのところへ行つて、なんとか騙(だま)して、その不思議な徳利を貰(もら)つて来ようぢやアないか。そして村全体のものにしようぢやアないか。さうすれば、忽(たちま)ちこの村全体が大したお金持になれる。もうみんなあしたから汗水たらして働(はたら)くには及(およ)ばないぜ。あーっはっはっはっはっはっは」
全員 （ユニゾン）「もうみんなあしたから汗水たらして働(はたら)くには及(およ)ばないぜ。」
陽ちゃん かう言つて、村中の人が、ゾロく長者(ちやうじや)の跡(あと)について、丘の上のお爺さんの内(うち)へやつて来ました。
愛ちゃん （みんなを従え、正座）「時にお爺さん。」
全員 （次々に）「時にお爺さん。」（四角く正座してるが、後ろの方に阿修羅もいる）
陽ちゃん と長者が皆に代つて口を切りました。
愛ちゃん 「近頃(ちかごろ)珍らしい徳利を手に入れなすつたさうだが、それを一つ、お爺さん一人の宝物(たからもの)にしないで、村全体の宝物にしてくれるわけには行くまいか。」
村人たち （その手話）
陽ちゃん と言ひ出しました。するとお爺さんは、根が正直(しやうじき)な、ごくく人のいゝ人だものですから
れき 「えゝく、ようございますとも。この徳利で、私ばかりいい目を見ては罰(ばち)が当ります。村の宝物にして、村全体の人がよくなれば、それに越したことはありません。」
陽ちゃん と言つて、すぐ承知(しようち)をしました。そしてその場で、徳利を長者の手に渡しました。
が、なかなか渡さない。受けとった途端に長者をつらぬく電撃！ 村人たちも次々感電し、超・躁状態でどたばたしながら、めいめい楽器を掴んで吹き鳴らし狂いまわる！ 全員によるひとしきりの打楽器演奏の渦。一巡したのち楽器類を放りだすと、全員で徳利をみこしにして担ぎあげた。【雅楽っぽいパレード】
あかね 長者をはじめ村の人達は、それはく大喜びで、ニコく笑ひながら、「この村は、けふから、屋根瓦(やねがわら)まで金になる。」とてんぐに囃(はやし)し立てながら、村の広場までやって来ました。そして早速、そこへ高い桟敷(さじき)を拵(こしら)へました。「村の宝」の粗末な徳利は、紫(むらさき)の布団(ふとん)の上へ恭々(うやうや)しく安置(あんち)されました（安置された。全員、土人的にあがめる）。いよくこれから宝の振り初(ぞ)めの式が始まるといふ騒(さわ)ぎです。まづ鎮守(ちんじゆ)の神主(かんぬし)が、装束(しやうぞく)を着て烏帽子(ゑぼし)を被(かぶ)つて、声高(こゑたか)らかにしかつめらしく祝詞(のりと)を読みあげました。
注・神主と長者は、ナレーション担当がその場で決めるので、当たった役者が好き勝手にやる。
神主 なんみゅーほれんねーぎょかじゃなかじゃあたまええ（とかなんとか）
あかね それが済むと、羽織袴(はおりはかま)に身を堅(かた)めた長者(ちやうじや)が、しづくと桟敷(さじき)へ上(あが)つて行(ゆ)きました。そして徳利の前に座つて、大きく柏手(かしわで)をポンくと三度鳴らしました。（ここらへんも役者にまかせた）それから恭々しく四五寸膝(ひざ)でゐざり寄(よ)つて、有(あ)り難(がた)さうに徳利を手に取り上げました。やがて長者は、あるだけの声を振(ふ)り絞(しぼ)つて、
神主の人 「金(かね)が出ろ。」（超、振る）
あかね と言ひながら、徳利を頭よりも高く差し上げた儘(まま)、二三度大きく振りました。【楽師の演奏、ここから本格化。以後、音楽はすべて即興！】桟敷の下にひしと寄(よ)り集(あつま)つた村の人達は、息を呑(の)んで、目を皿のやうに大きく見張(みは)つてをりました。
村人、いつか飢えた犬のようになっている。寄り目。ベロ出しっぱなし。
あかね しかし、徳利の中からは、お金は愚(おろ)か、何一つ出ては来ませんでした。長者は、気を苛(いら)つて、
神主の人 「今度こそきつと出ろ。」
犬たち （はげしく昂奮）
あかね と言ひながら、前よりも一層(いつそう)強(きつ)く振つて見ました。しかし、いくら振つても、何にも出て来ませんでした。村の人達は（犬のままで）、長者を押しのけて、入れ替(かは)り立ち替(かは)り、桟敷へ上(あが)つてきては徳利を振つて見ました。
犬たち （とっくりをもみくちゃにする）
あかね しかし、誰が振つても同じことでした。
村人たち （ダダこねながら仲間割れ。かなり熾烈な仲間割れ）
あかね そのうちに、あんまり呶鳴(どな)り散(ちら)したので、皆はひどく口亢が乾いて来ました。それで、誰いふとなく、
全員 （思い思いに）「あゝ、水が欲しいなア。あゝ、水が欲しいなア。あゝ、水が欲しいなア。あゝ、水が欲しいなア。あゝ、水が欲しいなア。」
あかね という声が聞(きこ)ゑました。すると、どうでせう、【照明＊変わる。以下幕切れまで、ひとつながりの祝祭空間】今まで何一つ出なかつた徳利の口から、
れき 「ざあ」（ではなく、なんか変なこと言う）
あかね といふ音と一しよに、見るから旨さうな水がこんくと流れ出ました。
全員 「ソラ、出た」
あかね と言ひながら、みんなは争(あらそ)つて、その水を飲みました。（みんな呑みまくる）ところが（オエ…）、見てゐる間に、徳利の口から吹き上げる水の嵩(かさ)は、驚くほどの勢いで、ずんくずんく増して行きました。（もう腹いっぱいだが、餓鬼のように呑み続けてしまう）そして瞬(またた)くうちに、そこら一面すつかり洪水(こうずゐ)のやうに押し拡(ひろ)まつてしまひました（ついに吐く。むっちゃ吐く。吐きながら踊り暴れる）。村の人達は、どうすることも出来ないで、みんなたゞ、飽気(あつけ)に取られて見てゐるばかりでした（だんだんみんなポカンと口を開けてヒレで泳ぎだす。やがて全員、客席にまで混じってゆく。うおお、うおおお、と、言葉にならぬ思い）。そのうちに、水の勢(いきお)いはますく劇(はげ)しくなつて、しまひには、ゴウくとすさまじい音を立てゝ村一ぱいに溢(あふ)れ出しました。そして一晩のうちに、村はすつかり湖水(こすゐ)になつてしまひました。村の人達は、一人も逃げることが出来ないで、みんな湖の魚(うを)になつてしまひました。（――舞台、空虚に）
この長ゼリに重ねて、ナレーションが叙事（デウス・エクス・マキナ）を語っている…。
Ａ （ロト）「わが主よ、どうぞしもべの家に立寄って足を洗い、お泊まりください」。（町の人々）「今夜おまえの所に来た人はどこにいるか。それをここに出しなさい」。（ロト）「兄弟たちよ、どうか悪い事はしないでください。わたしの屋根の下にはいったこの人に、何もしないでください」。（人々）「退(しりぞ)け。われわれは彼に加えるよりも、おまえに多くの害を加えよう」――主は硫黄と火とを主のところすなわち天からソドムとゴモラの上に降らせて、これらの町と、すべての低地と、その町々のすべての住民と、その地にはえている物を、ことごとく滅ぼされた。アブラハムは朝早く起き、さきに主の前に立った所に行って、ソドムとゴモラの方、および低地の全面をながめると、その地の煙が、かまどの煙のように立ちのぼっていた。――
Ｂ 私は農業が好きでラブミー牧場をやったりしたが、また、農家の生活が好きでもあった。そうして、私の農家生活は８カ年もつづいたのだった。太平洋戦争中、農家へ買い出しに行った人たちは「農家の商法」の凄まじさに遭遇しただろう。武士は威張り屋で、商人は利に走る。農家は利益を追うけれども無鉄砲的なところがあって、それが特徴なのだろう。盲滅法的なふてぶてしさは見事というか、スバラシイちから強さだと思う。生きるための知恵ではなく慾のための知恵なのだ。素晴らしい光景だと思う。私はこんな底力のある無鉄砲なエゴイズム――かくさないエゴイズム、すぐに見破られてしまうエゴイズムこそ素晴らしいではないかと思う。――
Ｃ 「あれは？」と田所博士はいった。「あの長い、溝のようなものは？」「わかりません――」幸長助教授は首をふった。「生物の這った跡じゃありませんか？」「深海底にあんなでかいナメクジがいるかね？ 幅数メートルあるぞ」――今、その奇妙な島は、また海中にあった。――「わだつみ」は、海底から短い係留索をひいて、動かぬ気球のように、ふわりと宙に浮いていた。一本の鎖の上に、身じろぎもせずに載っていた。中空に立ちのぼらせたロープの上で、座禅を組んでいるヨガの行者のように…。「田所先生…」若い片岡が、たまりかねたようにかすれた声でいった。「それでどうなるんです？――日本列島付近の地下でマントル対流相に急激な変動が起こって…それでいったいどうなるんですか？」「最悪の場合…」田所博士は、ごくりと唾をのみこんだ。「…最悪の場合――日本列島の大部分は、海面下に沈む…」――
あかね ――村の人達は、一人も逃げることが出来ないで、みんな湖の魚(うを)になつてしまひました。――
この時までに、役者は全員、観客席に下りている。歌！
挿入歌４．『羊と葡萄』（ピアノ伴奏）
全員 ♪いつか 羊のように大地おおい
ひとの糧となる 無名の群れに
いつか 葡萄のように大地おおい
恋を醸しだす ルビーの酒に
すべての愚かさと すべての醜さ
すべての憎しみを ありとある別れを
ただじっと 見てる僕
君の愛はしりぞけ
ただじっと 見ているものになりたい
全員、片手を空に差しあげ、客席に沈み込んでゆく。そしてゆっくりと――
完全溶暗
終幕 ここはマコンド
舞台挨拶などのあと。
尺八が鳴り、民謡「まこんど節」…。
あかね ♪霜うすくおち冬はつとめて
炭火かおるよ苫屋のねぐら
ここは関東茨城平野 ハア
すすき枯れ立ちマミ走る
はぁおんめえすっだらごじゃっぺぱっかしゆってたひにゃあよういじゃねえどひぇくれっちゃうがらなんぼうなんでぃもいしけえこだぁもうゆわねえこっだ
沼は入り組み寒ぶな沈みゃ
遠い木枯らし筑波の峰よ
ここは関東地獄の横町 ハア
春の訪れ億千年
はぁそんでもんまかねえことさぁあっだらおれとごさけぇってままでもくうがいっぺえにへえじゃようごともなかっぺだんごあっがらいまっとけ、なあ
茅の刈り株切り口くずれ
ようよ顔だす緑のやいば
ここは関東荒れ地の国よ ハア
生きて倒れて苦笑い
はぁなんだーかんだでもどっだけっどよみやげぁいわすのいつやぼすおめそれほどげさんにおそないしとげどばあちゃんちっちゃぐなっだなやぁ
そのまま緞帳あがりっ放しで流れ解散。バラシなど始まり――
つづく
上演記録
村の宝／二〇〇八年七月二六日／宮代町進修館四季の丘／八月三日／宮代町郷土資料館旧加藤家住宅／十一月三日／茨城県小美玉市小川文化センター大ホール／原作・島村盛助、志賀未奈子／構成演出・高野竜、志賀未奈子／出演・れき、ゆうな（宮代）りこ、ヒナコ（宮代）、金城愛、�錨珍鑒�、松本萌、たかはしみほ、長山英之（宮代）林陽一、紫竹あかね、武井りえ、志賀未奈子、関根李沙、高野竜、石崎智香子／音楽・酒井康志、塚越隆一、紫竹芳之／照明・斉藤正雄／協力・プロジェクト麗舞
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