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2015年05月22日00:19

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「家の光」の昭和の漫画

 例えばビッグコミックなどはもう老舗としてまるで老人向けとしか思えないような漫画やあまりに長期すぎて読み始めたときに青年でも今は熟年だろうというような連載漫画も掲載されている。しかし、内容とか表現はきちんと進歩して少なくとも平成のマンガにはなっていると思う。
 さて、保険の審査をやっている関係で毎月JA(昔で言う農協。決して秘密探偵ではない)が「家の光」という雑誌をくれる。JAの製作なので比較的穏やかで平和的でのどかでご老人向けの記事満載で今月号の特集など「おいしく減塩乳和食」とか「本場のウメ農家に教わる梅干レシピ」だとかでそれぞれの写真も字も大きい。「畑の病気や害虫とのつきあい方」などは写真で「食害されたキャベツ・原因はモンシロチョウ」「カボチャの葉に白い斑点・うどんこ病」などは興味深く読んでしまう。
 で、この雑誌にも連載漫画があるのだけれども、数ヶ月前から石川サブロウの「ゆいっこ」というまあ農業漫画が連載されている。山間で酪農業を営む老人の元に孫娘がやってきて自分を孫と認めてケンカ別れした父親と和解してくれ、と言ってくるのだが頑なな老人は娘がどんなに頑張っても雨の中を立ちつくしてもまったく取り合おうとはしない、という内容。こういうやり取りが6回ほど続いてやっと村長のとりなしで娘の言い分を聞くのだが、この親子の決裂にはどんな凄い裏の事情があるのだろうと興味を持って読んでみたら、なんと(彼女の)父親が可愛がっていた牛を祖父が廃用牛として売ったからだという。(え?それだけ?)しかもそれを恨んで二十歳の若者が父を捨ててそのまま他所の家に養子に出てしまう、というのもよく判らんし、それを恨んで二度と息子に会わないという祖父も頭がおかしい。そして一番びっくりしたのは娘の「それでも父と祖父が和解してほしい」という願いに「だったらなんで息子が頭を下げてこないのだ!」と怒鳴ると娘は「実は父親は今年の春に死にました」なんでそれを早く言わなかったのかという祖父に「死んだことを先に言ったらほんとうの仲直りじゃなくなるから・・・」いや、あんた和解の言葉の前に言っちゃてるから。で、出さなかった父親の何通もの手紙を見せて祖父が号泣する、というおきまりの展開。
 なんだ?この平成の世の中にこんな昭和の展開?こちらが期待していたどす黒い村に隠された秘密(性的虐待とか近親相姦とか生贄儀式とか旅人惨殺とか地下牢の狂人とか)も何もなくて単に異常なほどの意地っ張りと思い込みが激しすぎて周りが見えない善意のおしつけ娘の善人ドラマか?
 もう昭和の漫画など見ることはないのかと思っていたら「家の光」などにはまだあったのかあ。

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