mixiユーザー(id:21805430)

2015年02月15日02:32

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上から下血

私は漫画家だったので、クライアント・読み手の気持ちは、吐いて、吐いたものに血が混じるまで考えた。
いっちゃなんだが、私は、今はふつーのオバサンだけれど、当時カリカリに痩せていたんである、ジーンズも昔あったブラックのエスプレッソ・パンツ(フレンチスタイル、イタリアンスタイルと細くなって行く)なんかはいていた。今は絶対ムリだけど(笑)。
当時は広告代理店系漫画の黎明期で、ギャラも、びっくりするほど悪かったり、こっちがリテイク料請求したり、いろいろで、生活は安定しないわ、人使うのに「ギャラの方が少ないかも…」とあせるわ、いろいろだった。
まあ、トータルでトントンてとこである。

電通や博報堂の「出来レース」のための「落ち原(オチゲン:落とし原稿・わざと下手に描く)」もいっぱいやったが、いっぺんなぜか博報堂に勝っちゃって、それからの原稿が(なんせ「落ちる」と踏んでスケジュールあけてないから、「それなりのクオリティ出すのにさあ大変!」)ということがあった。そのときも私は血を吐いた。
吐くようになると、簡単に出るモンです、血。
吐いたモンに血が混じっていて、それにいちいち驚いちゃ、やっていけません、漫画業界。
それよりもなによりも、昨日より良い作品を今日産み出すのに必死である。明日はもっといいのを産まにゃならぬ。
漫画業界って、程度の差はあれど、こんなもんだと思う。
覚悟があったらいらっしゃい。
覚悟が無ければおやめなさい。

上は下をいじめるぞ。
先輩に呼ばれて、いきなり途中の駅で倒れても
「とにかくいらっしゃい!」
の一言で、僻地へ這いつくばって行って、1日高熱でうんうん唸っていて、帰してもらえても、タクシー代は出ん。電車賃のみ。
ボスが日本でも大きな漫画賞とって、祝賀会(イタリアン)で、婚約者と呼ばれたものの「あ、席ないの。受付して」で、サブアシさんとその婚約者と、チーフの私の4人は、中はなんだかおご馳走が出て盛り上がっているのに「ピザと唐揚げだけで11月屋外に立ちっぱなし」。
最後に中に呼ばれて、感謝の言葉でもくれるのかと思ったら、先生を讃える「即興漫才」しろ、とな。
やりましたわよ、年功序列ですもん。広告業界漫画も同人漫画(サブアシさん)、まだうんと低く見られていて、「プロ扱い」されてなかったもん。その目から見れば私まだ独り立ちしていなかったもん。差別なんていくらでもあるわよ。

今の女の子達が、高校生くらいで、コミケに受かって、ペーパーで左手で書いたような字で
「お互い、『デビュー』おめでとう♪」
なんて言っているのをみると、嬉しくって涙が出るね。
「デビュー」だと。プロだと、単行本の3冊も出さないと言ってもらえない言葉です。
コミケは各大学漫研が相互に同人誌を交換して、「研究」するために始まったモノです。下手くそな餓鬼は場所の邪魔だから帰れ。
あれはパロディーするにしても、真摯に研究するためにあるのです。
ひよっ子はいらん、場所と倍率の邪魔なだけだ。

とにかく、血を吐いてから言ってくださらない?

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