西の端に沈みこもうとする満月。
大きさはじゅうぶんだが、色がいただけない。
赤みを帯びたその月は錆びた火星のようだ。
東に目を転じるとこれがまた朝日が昇る前の
朝焼け空なのだけど、なんともいやらしい
くすんだ色をしている。
冬空にひとつだけ落ち残った柿の実のような
空色に、すそがちぎれたような雲が覆いさり、
まるでぶきみな劇画の挿絵か、コッポラの
”地獄の黙示録”のジャングルを沙くナパームの
火炎のようだ。
いやな空だねえ。
あすはまた雪になるんじゃないかという。
降らないでくれるとありがたいがねえ。。。。
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