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2014年12月04日23:38

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一世一代の友情はおそらく恋に近い 『思い出のマーニー』

本作を観て、杏奈とマーニーへ友情以上の関係を感覚するのか?
それとも「そうじゃない!」と拒絶するのか?
ヒトしだいだろう。
ただ、一世一代の友情とは恋や愛に似る。そう自分はかんがえている。

印象的かつ運命的な出会い。困難な関係を保持する覚悟。
別離するならせつない結末。
その精神(共感)の“つながり”に男女の区別などない。
あるのは雌雄肉体の差異だけかもしれない。*1

本作は一方のヒロイン、杏奈(アンナ)と舞台のイギリスを、
日本人と日本に置き換え導入をしやすくしている。
とはいえストーリーは一緒だ。養子の杏奈は自身の境遇へ悩み、
喘息の持病を持つ。
その療養のために向かった地で、原作の“湿地屋敷”を見てマーニーと出会う。*2

米林宏昌の「マーニー」と原作の違う部分は主に2つ。
「マーニーと別れる以前から安奈が秘密の“日記”の存在を知る」
「マーニーと別れる以前に、原作のリンジーにあたる彩香と出会い、
日記の秘密を探る」 この入れ替えはマーニーとの別離が
「もう過去のものか?(原作)」「過去になった直後か(映画)」の差異を生む。

好き嫌いは個人の判断だとして、結末で、
よりヒロインの前進を後押しする感情は後者の方が強いだろう。
また、2人の友情と、みずみずしさも、“理由”がわかっているゆえに力強い。
それもあって、映画の杏奈とマーニーの友情は、
より“濃密”で、より別離を劇的なものへと変えている。恋人同士のように。


※1 そもそも、同性同士と聞き、まず真っ先に2人の肉体的つながりという最終帰結を想像する人こそ助平で不埒なのです。

※2 映画は原作と同様、“湿地屋敷”でパーティーの日々を描く。ただ、マーニーと別れる以前に彼女の秘密を探る都合で回数はひかえめである。
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