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2014年10月24日21:41

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あさって、新潟市長選告示

かなりの長文になりますが…。

新潟市長選挙があさって26日に告示され、来月9日の投票日まで激しい選挙戦が繰り広げられます。
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今回の選挙では、新潟市が進めるBRT計画の是非が争点の一つに。
地域公共交通政策を争点にした選挙戦としては、おそらく県内初かと思われます。
既に立候補を表明している3氏のうち、現職は推進、新人2人は白紙撤回を掲げています。

新潟の路線バスの将来を案じるバスファンとしては、市の地域公共交通政策の方針次第で路線バスの将来が大きく変わることになるので、今回の選挙に強い関心をもっています。

さて、誰に投票すべきなのか。
私としては、以下に示す「新潟市の地域公共交通とまちづくりにおける理想像」に最も近い主張を掲げた候補者を選びたいと考えます。

新潟市では、市民の7割近くが日常の移動手段として自家用車を利用しています。
また、旅客部門での市民1人あたりCO₂排出量は県庁所在都市中ワースト3位。
バイパス沿いに商業・医療・住宅地区の開発も進み、クルマ依存型都市の傾向を強めています。
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確かにクルマでの移動は便利で快適です。
しかし、渋滞や交通事故・公害はもちろん、温室効果ガス排出に伴う気候変動や加齢による運転能力低下、肥満・生活習慣病との関連や利用者減少に伴う公共交通の廃止・減便など、過度なクルマ依存に伴う弊害も多いのが事実。またクルマ依存のライフスタイルに対応して都市のスプロール化も進み、行政コストの増大(郊外開発に伴うインフラ投資)や中心市街地の衰退、買い物難民の発生などの弊害も生じています。

将来の人口減少や更なる高齢化、また高度経済成長期に建設された老朽インフラの問題や空き地・空き家問題も考慮するならば、今後は市街地の縮減・撤退・集約を視野に入れつつ、クルマから公共交通・自転車・徒歩へのモーダルシフトを促進させる「脱クルマ依存のまちづくり」へと大きく舵を切ることが望ましいのではないかと考えます。
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同時に、公共交通のネットワーク構築においては、現状の「クルマ依存・分散型」都市構造に追従する形でネットワークを構築するのではなく、都心または鉄道・幹線バス沿線軸への都市機能集約を目論み戦略的にネットワークを構築することが、上記のまちづくりを実現するうえで効果的になるものと考えます。もちろん、安い運賃と使い勝手のいい路線網・ダイヤ・サービス等の設定は不可欠ですが。

戦略的なネットワークをとるなら、鉄道や幹線バスのサービスレベル(運行頻度・定時性・速達性)をより強化する必要がありますし、駅や幹線バスの乗り継ぎ拠点に公共・商業・医療施設(ミニモール)や住宅などの複合開発を行う必要があります。しかし、鉄道・幹線バスの機能強化によって利便性が向上されれば、沿線の人口密度を増やす政策や都市機能を沿線に誘導・集積させる政策がとりやすくなり、クルマに依存しないライフスタイルを沿線地域で成立させることもできるでしょう。そうした地域に住む市民が増えれば、市民が将来的なクルマ交通の規制措置(中心部への乗り入れ制限・駐車場総量規制など)を受け入れるためのハードルは、現状追従型よりも下がると思います。

そのうえで、公共交通の機能強化を図ることになります。
鉄道はともかく、幹線バスにおいては高品質のサービス提供が絶対。
理想としては「高頻度(昼間も5分おき以内)」「定時性・速達性(専用走行空間の確保とスムーズな乗降)」「快適さ」を兼ね備えていること。

そして現在のBRT計画では新潟駅〜青山での運行となっているところを、南区白根方面にまで延長することが望まれます。南区は市内8区のなかで唯一鉄道がなく、積雪期の激しい道路渋滞が課題になっているからです。青山・大野町・白根中心部に「バスの駅」を設けて支線バスとのスムーズな乗換えを実現し、一部が自転車歩行者専用道となっている旧・新潟交通電車線跡をバス専用道路に転用。さらにパークアンドバスライド用駐車場を設置し自家用車からBRTへの乗り換えを促すなど、計画をより強化する必要があります。BRTがその威力をより遺憾なく発揮できる環境になければ、利用者の増加は見込めないものと考えます。
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幹線バスに接続する支線バスに対しては「乗り換えの肉体的・時間的・経済的手間は最低限に」「やや高頻度(昼間10-15分おき)」「あと何分で来て、目的地まで何分で行けるか(情報提供)」「定時性」は欲しいところ。できれば、市街地のほとんどがバス停から半径300〜500m以内で行けると…。

そうなれば、現在の新潟交通グループのバス路線網を全面的に見直す必要があります。
究極的には市、または市・交通事業者・住民(利用者)の合議体で公共交通の運営にあたるのがベスト。鉄道・路線バス・区バス・住民バス・デマンド交通・レンタサイクル・ウオーターシャトルがひとつの「組織」であるかのごとく、運賃やサービスが共通化されることを希望しています。

最後に。
BRTにYesかNoかという形に矮小化することなく、新潟市に必要な公共交通とは何か?現在のクルマ依存型都市のままでいいのか?という根本問題まで含めた論戦を繰り広げてほしいものです。
(画像は全てイメージです)
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