顔や体型など外観は遺伝する。それは抗い難いものだ。
そして性格も遺伝する。怒りっぽいとかおっとりしてるとか、神経質とか臆病とか。
「モテる」「モテない」も遺伝する。
そんな気がする。
もちろん例外はあるけれど、モテない息子を持つとそう思わないではいられない。
若かった頃の私はシンデレラ症候群の一人だった。そりゃ誰だって女の子は「王子様」を夢見る。
けれど王子様との出会いなどあるわけもなく、夢見る時はすぐ過ぎた。
次に願ったのは「カシコイ人」と結婚して、その人のいる高みまで私を引きあげてもらうことだった。
「バカだねえ、お前は」 なあんて頭を小突かれたりしたかったのよ。
きゃーっ
きゃーっ
きゃーっ
それは王子様よりは少しばかり現実的だったけど、あいにくカシコイ人は私を好きになってはくれなかった。
カシコイ男というのは頭がいいだけにすぐに見抜いてしまうのだねえ…
私が魔性の女だということを。
そしてバカだということまで。
チェッ
バカな女ほど可愛いなんて言うのは嘘だ。
いたらそういう男はもっとバカだと思って間違いない。
とにかくまあ、片思いや失恋と、主人と出会うまでに恋のレッスンはいくつか積んだ。
そうして分相応という「現実」を学んだわけである。
主人は私が夢見た王子様でもなければ、私を望みの高みまで引き上げてくれるような、ある意味、上から目線で私を見るような人ではなかった。
だからその時悟ったのだ。
主人と二人で手をつないで一緒に高みを目指せればそれが一番幸せなんじゃないかと。
ここまでの悟りは素晴らしかった。もうね、自分で自分を褒めつてあげたいくらいに。
うっとり。
だけどひとつだけその時考えが及ばなかったことがあった。
前述したように、「モテる」「モテない」と言うのも遺伝するらしいと言うことだ。
息子たちが結婚できない理由は遺伝子か!?
まったく遺伝の法則より進化論を信じて手を打ったばっかりに…
だけど…
未練ったらしく私は思う。
だって、だって、だって!
マイナス X マイナスはプラスになるんじゃあないの?
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