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宗谷線名寄以遠の車窓風景は素晴らしい。
幌延までは、雪の残る大地を雪解け水を満々とたたえた日本第4の長流、天塩川にずっと寄り添い、豊富からはサロベツ原野越しに利尻富士を眺め、抜海でほんの数十秒だけチラッと荒々しい日本海を望んで稚内に着く。
順調に予定通り名寄14:14発稚内行きに乗っているが、札幌を朝一番で出発すれば乗り継げる列車なのに、「青春18きっぷ」利用らしい乗客もおらず空いている。
名寄発車時点で8人乗っていたが、美深で5人、豊清水で1人降り、乗客2人となり15:10音威子府着。
音威子府では16:31まで1時間21分も停車し、後続の特急に先を譲る。
時刻表上では、同じ車両が直通する別の列車として掲載されているが、現地では名寄発車時点から音威子府行きではなく稚内行きとして案内している。
急ぐ旅じゃないし、「青春18きっぷ」では特急に乗れないから、のんびり発車を待つこととする。
音威子府村は、北海道で一番人口の少ない市町村だが、そんな駅なのに駅に立ち食いそば屋がある。
これが、駅そばとしては格段に旨いのだ。
そばは音威子府村の名産で、殻ごと挽いた黒い田舎そばは、「音威子府そば」として有名で、そのそばを使っているのである。
今から20年以上前、札幌からの夜行急行「利尻」で早朝4:56(だったかな?)に音威子府に着き、朝一番の天北線(5:54だったかな?)を待つ間、当時は早朝からホームで営業しており、凍てついたホームであったかいそばがありがたかった。
中途半端な時間帯だが、何せ1時間以上も停車して暇なので、ついつい食べてしまう。
今は改札口の外に移転しており、月見そば(400円)を食べた。
昔と変わらぬ青春の味、旨かった。
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