この節、世間は 「ガルネク、ガルネク」 とかまびすしうござるな。
GIRL NEXT DOOR
だそうでござる。字面どおりの意味は、
となりの家の女の子
でござる。ただし、
Kirsten Dunst looks more like a girl next door.
キアステン・ダンストは、そこいらにいそうな女の子だ。
のように、意味を拡大して使われることがござる。「普通の女の子」 とか 「親しみを感じる女の子」 という意味でござる。その場合、発言者の脳内には、
rather than a famous actress (singer, etc.)
という意識があるのでござる。
「となりの犬」 ならば、
the dog next door
でいいし、「となりの庭」、「となりの芝生」 ならば、
the yard next door
the grass next door
となるのでござる。「となりの犬」 を the next(-)door dog と言っても通じないことはない。しかし、ネイティヴは、断然、the dog next door と言うのでござる。
なぜ、next door は後置されるのか? 辞書によっては、next door を形容詞としているかもしれないが、発生的に言えば、
副詞句
なのでござる。前置詞もないのに副詞句?と思うかもしれないが、
early morning 早朝に
last night 昨夜
を見られよ。
これは、時を表す無冠詞の名詞句が副詞句に転じたものでござる。
home 家にむかって、家に
I'm home! ただいま (←わたしは家に入ったよ)
upstairs 2階に、上の階に
これは、場所を表す無冠詞の名詞(句)が副詞(句)に転じたものでござる。next door もこれにあたる。だから、
通常、ハイフンを入れないし、名詞のあとに置かれる
のでござる。
「隣人の犬」 と言うような場合、the dog next door でいいのだが、
the neighbo(u)r next door's dog
という言い方も可能であるし、実際に使われるのでござる。うっかりすると、日本人は意味を取り損なう。the next-door neibo(u)r's dog のことでござる。
“next door” は 「親しみやすい、ご近所の」 の意味で使いうる、と申し上げたが、似たような使い方ができるのが、
from the block
でござる。block は、「町の一区画」 の意味でござる。
ジェニファー・ロペス、2002年の曲に、
“Jenny from the Block”
ってえのがござったが、これは、
「ご近所のジェニーちゃん」
ってえ意味でござる。ジェニファー・ロペスは、ブロンクスの育ちで、セレブに昇りつめたわけでござるが、この歌で、
稼いだお金に振りまわされたりしないわ。
わたしは、今でも、ご近所のジェニーちゃん。
あのころは貧しかったけど、今はお金持ち。
わたしがどこへたどり着こうと、どこから来たか覚えてる
(サウスサイド・ブロンクス!)
って歌ってるのでござる。こちらは、「昔どおりの」 というニュアンスが加わるようで、
still from the block
no longer 〜 from the block
という使い方が多く見られるのでござる。しかし、
She's just a girl from the block.
近所の娘だよ。
という言い方もできぬことはござらん。
では、ばいちゃ、なのでござる。
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