を読んだ。昨日実家で。グレッグ・ベア著/小川隆訳
カリフォルニアはラ・ホヤのジェネトロン社の研究所に務めるヴァージル・ウラムは、社に隠れて禁止されている哺乳類細胞を使用した研究がバレ、叱責される。
ジェネトロン社の主な研究は細胞にマイクロチップを埋め込むものだったが、ウラムの研究は元々細胞に備わっている複雑極まるDNAとRNAを使用して知性化するというもので、彼はすでにそれに成功していたのだ。
研究所を追われることとなり、関わった全てのものを廃棄するように言われ、どうしても成果を持ち出したいウラムは最後の手段として知性化した細胞を自分に注射し・・・。
なかなかとてつもない物語で、とても面白かった。
序盤での展開は映画「ザ・フライ」に酷似しており、映画の公開が本作発表の翌年ということを考えると、クローネンバーグが本書を読んでいた可能性は高いだろう(ちなみに「蝿男の恐怖」にはそのようなシチュエーションはない)。
しかし本作では1/3もいかないくらいのところで「ザ・フライ」では結末に当たる展開があり、その後はまさに想像を絶する展開に突入していく。
この中盤以降の展開はまさに絶望的なもので、しかもものすごいハイテンポで進んでいくのでついていくのが精一杯な状況に(汗)
このあたりで結末として考えられるのは「治癒」「滅亡」「共存」のどれかしか無いと思わせるのだが、途中で奇妙すぎるけど納得できるトンデモ理論が出てきたあたりから上記3つの結末も怪しくなり、もはや完全に想像できない領域に突入していくのだ。
1つ気になったのは「彼」のお母さんの顛末で、そこは最後にちょっとでいいから書いてほしかった。
ちうわけで久しぶりに読んだ本格ハードSFだったが、流石にヒューゴー、ネビュラをダブル受賞するだけのものではあると思った。
ただし最後のオチは、化夢宇留仁はほとんど理解できていないと思う(笑)
ログインしてコメントを確認・投稿する