を読んだ。アイザック・アシモフ著/小尾芙佐訳
ロボットをテーマにしているが、「われはロボット」に収録されなかったりあとから書かれたりした短編を収録したもの。
第1部 ロボット登場
AL76号疾走す
月面で砕解機を操作するために設計されたロボットのALシリーズの一体が行方不明に。
どうやら地球上でさまよい出てしまったらしい。
関係者が必死で捜索を続ける中、AL76号は廃物修理屋のランドルフ・ペインのそばにいた。
彼はロボットを自分が見つけ出したことにして大金をせしめようと考えるが、AL76号は仕事がしたくてたまらなかった・・・。
オチがアシモフらしくない。
まだ持ち味が固定されていなかった頃の作品なのだと思う。
思わざる勝利
ガニメデから木星の知的生命体の調査に向かった宇宙船にはロボットのみが搭乗していた。
好戦的でプライドの高い木星人は彼らを破壊しようとするが叶わず、渋々彼らを自分たちの都市に招待し・・・。
機械文明があればそれがロボットだということはわかると思う(汗)
第2部 ロボット工学の諸原則
第一条
マイク・ドノバンが語るロボット三原則第一条を破ったロボットの物語。
これもAL76号と同じく、アシモフらしくないし、全然納得行かない。
みんな集まれ
冷戦が続き、膠着状態が長く続いた世界で、ある日ソ連がロボット工学においてアメリカを大きく引き離し、人間と全く見分けの付かないヒューマノイドを完成させているという情報がもたらされる。
しかもそれらのロボットが集まれば核爆弾など問題にならない爆発を起こすことができるのだ。
ディックの「にせもの」によく似たシチュエーションだが、視点の選び方にそれぞれの特徴が出ているように思う。
ちなみにトリックはバレバレだった(汗)
第3部 スーザン・キャルヴィン
お気に召すことうけあい
実験のためにロボットのトニイを家に受け入れることになったクレアは、最初はロボットに対する不信と恐怖で凝り固まっていたが・・・。
面白くてアシモフのロボットものらしい落ちも効いている。
しかし本シリーズに共通する人間のロボットに対する恐怖症とも言える反応には少々違和感がある。
アシモフ先生はこの恐怖をどういうものからイメージしていたのだろう?
道具は道具なのに。
危険
ハイパー基地の近くにある小惑星ベースH937より、ロボットが乗り込んだ超光速宇宙船の実験が行われる。
ところが実験を開始しても宇宙船は微動だにしない。
仕方なくいつ虚空に消え失せるかもわからない宇宙船の中に、エンジニアのジェラルド・ブラックが1人で向かう羽目に・・・。
これも本シリーズらしいオチがついていて楽しめるが、これは言い逃れと言われても仕方がないような(汗)
ちうかそもそもあの条件だと、第一条に反するという理由でロボットがレバーを引くのを拒否すると思うのだが・・・(汗)
レニイ
ロボットLNEタイプの第1号は、USロボット&機械人間株式会社の工場見学に来ていた子供のいたずらによって、狂った陽電子頭脳を持つに至り、幼児のような言動を示していた。
さっさと解体するべきだという意見を無視し、キャルヴィン博士はそのロボット「レニイ」の教育に集中し・・・。
彼女のキャラクターはこの話や「嘘つき!」にもあったような人間らしい弱さも兼ね備えているところが魅力的だと思う。
校正
主に高速で正確な校正能力を売りに大学に貸し出されていたEZ27号が、でたらめな文章を追加して著者の権威を失墜せしめたとして裁判になっていた。
しかし相変わらずキャルヴィン博士は落ち着いていた・・・。
やはりキャルヴィン博士が出てくると本シリーズの王道的な展開になる。
この話の落ちも納得の行くものだった。
校正ロボットというのはロボットが活躍できる具体的な例だと思ったが、よくよく考えてみると今のコンピューターと周辺機器でだいたいのことはできそうな。校正内容についてはAIが進化する必要があるが。
逆に作中世界でコンピューターができることがあまりにも原始的すぎるのには少々違和感があった。
ちうわけで解説にもあったがまさに寄せ集めという感じの1冊。
やはりスーザン・キャルヴィン博士の出てくる4作はシリーズとして並べて違和感のない内容だったが。
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