を読んだ。草上仁著
アル牛
人類未踏の惑星に不時着したクレイヴは、そこは草原が広がり牛に似たテレパシーを駆使する知的生命体が存在する世界だと知る。
ところがその牛たちはどいつもこいつも酔っ払っており・・・。
スーパー酵母のアイデアが面白く、へんてこな異星人たちの様子も楽しい。
オチは少し弱い気がするが、まあ世界のへんてこさを楽しむ作品だろう。
ベター・ハーフ?
レナン・カスガ警視は惑星ケイトンに着任して1時間も立たない内に殺人事件と相対することになった。
話を聞いた市長はしかし話が通じているような、通じていないような・・・。
着眼点は面白いと思うが、もう少しひねりが欲しい。
進化の道
いきなり消えてしまった曲技飛行艇の手がかりを得るために同じコースで飛んでみると、期待通り捜索側の船も消失。
行き先は奇妙な空間で、そこでは物理法則が正常ではないばかりか、驚くべき現象が進行していた・・・。
意味を持つものはその意味が進化する「情報の進化」という概念が、適当すぎて面白い(笑)
分裂剤
クルーの中にスパイが紛れ込んでいる。
それを知った4人のクルーはお互いを疑い合うが、やがてそもそもクルーは1人しかいないことを思い出し・・・。
これまた分裂剤自体のアイデアが面白い。
ものすごい無理があるけど(笑)
オチはもう一つか。
こちらITT
テレポートが電話と同じように一般的になった世界の国際テレフォン・アンド・テレポーテーション局の電話応対の様子を、箇条書きのような感じで並べた作品。
なんだか雰囲気がよくていい感じ♪
ちうかスタートレックの世界はこんなことになってるんだろうな(笑)
目には目を
ロシアンマフィア系?のスナイパーが仕事をする。
それは兄弟を告発し、死刑にした者への復讐だったが、その対象は・・・。
投票というシステムを利用した面白いストーリーで、これは昨今一部で流行った流れの先取りと言えるだろう。
オチも効いている。
道化の釘
時空を越える能力を持った幼児ハットーが実体化したのは虚空に浮かぶ巨大な人口の星の中で、その中には「道化」しかいなかった。
「道化」は「釘」と強いつながりがあり、それはあらゆる空間を経ても作用し、座標として使用できるほどだったがハットーが「道化」と遊びはじめ・・・。
なんだか雰囲気のいい作品。
しかし「座標」が影響を与える範囲のすごさがよくわからないままラストになだれ込んでしまい、そのすごさがすごすぎてびっくりした(笑)
ちうか死んだらどうするつもりだったんだ(笑)???
奥付に1988年8月27日に読了したと書いてあった。33年ぶりの再読(笑)
今回読み直して印象深かったのは著者のアイデアマンぶりで、どれもこれもちょっとびっくりするようなアイデアが投入されている。
第1短編集なのだが、流石にただ者ではない。
あと当時の日本のSF作家独特のにおいのようなものがほとんど無いのも特徴だと思う。
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